ウェビナーの申込はHubSpotのフォームで受けているのに、参加者の一覧はZoomからCSVで書き出し、欠席者へのアーカイブ送付はスプレッドシートで宛先を作ってから送っている。開催のたびに同じ作業を繰り返し、1か月後には「あの回の参加者で商談になった人は誰だったか」をHubSpotで探せなくなる。
HubSpotでのウェビナー運用は、申込から開催後のフォローまでの画面を揃えることではなく、申込・参加・視聴時間の3つをコンタクトとマーケティングイベントに戻し、次のフォローと次回の判断に使える形で残すことです。戻し方はZoomなどの連携アプリでも、CSVのインポートでも構いません。先に決めるのは、何を戻してどのセグメントを作るかです。
ウェビナーを定期的に開いていて、申込はHubSpot、配信はZoomと道具が分かれている会社なら、連携を設定するかどうかは、開催の頻度と契約しているMarketing Hubのプランで決まります。年に数回の開催で参加者も多くない段階なら、連携を入れずにCSVで戻す運用のほうが手間もトラブルも少なく済みます。
目次
- 1 ウェビナー1回分でHubSpotに残すのは、申込・参加・視聴時間とフォローの結果
- 2 Zoom連携を使うか、CSVで戻すかを開催頻度とプランで決める
- 3 申込フォームとZoomの登録をつなぐ設定
- 4 リマインドメールは登録者のセグメントに送り、参加URLはZoomに任せる
- 5 開催後に残る記録で、参加・欠席・途中退出を分ける
- 6 連携を使わずCSVで戻すときの手順
- 7 参加者と欠席者で分けるフォローの中身と、営業に渡す条件
- 8 キャンペーンで束ねて、1回分の成果を商談まで見る
- 9 次回の開催に向けて、1回ごとに残す記録
- 10 HubSpotでウェビナーを管理しないほうがよい場合
- 11 まとめ
- 12 よくある質問
ウェビナー1回分でHubSpotに残すのは、申込・参加・視聴時間とフォローの結果
ウェビナー1回分でHubSpotに残すのは、誰が申し込み、誰が参加し、どれだけ視聴し、その後どのフォローで商談に進んだかの4つです。この4つがコンタクトとマーケティングイベントに揃っていれば、欠席者へのフォローも次回の集客の判断も、HubSpotの画面だけで済みます。
HubSpotのウェビナー運用とは、申込フォームで受けた申込者の情報と、Zoomなどの配信ツールに残る参加の記録をHubSpotのコンタクトにまとめ、参加の有無と視聴時間で分けたフォローを行い、その結果を次回の企画と集客に使う一連の作業のことです。集客チャネルの選び方はウェビナー集客の設計手順、当日の進行や質疑の運営はウェビナー当日の運営の範囲になり、HubSpot側の作業はその前後、申込を受けるところと記録を戻すところに集まります。
記録の置き場所になるのが、HubSpotのマーケティングイベントです。公式ヘルプでは、マーケティングイベントは連携アプリから自動で集約するか、手動で作成して参加者をインポートし、イベントごとの登録者数・キャンセル数・参加者数を1つの画面で見る機能として説明されています。基本機能は全プランで使え、ワークフローでの利用やキャンペーンへの関連付けにはMarketing Hub ProfessionalかEnterpriseが必要です。
図1のうち、HubSpotとZoomの間を行き来するのは2か所です。1つは申込者をZoomのウェビナーに登録するところ、もう1つは開催後に参加の記録をHubSpotに戻すところです。この2か所を連携アプリで自動にするか、手作業にするかで運用の形が決まります。
Zoom連携を使うか、CSVで戻すかを開催頻度とプランで決める
毎月のように開催し、Marketing Hub Professional以上を契約しているならZoom連携を設定します。開催が年に数回、またはZoomのウェビナーアドオンを契約していないなら、マーケティングイベントを手動で作り、CSVで参加者を取り込む運用で足ります。
公式ヘルプで確認できたZoom連携の条件は次のとおりです。連携自体はHubSpotの全製品・全プランで使えますが、Zoom側でウェビナーのアドオンを契約している必要があります。接続にはHubSpotのスーパー管理者かアプリマーケットプレイスの権限と、Zoomアカウントの管理者権限が必要です。HubSpotの申込者をワークフローでZoomのウェビナーに登録するアクションは、ProfessionalかEnterpriseでしか使えません。
| 戻し方 | HubSpotに入るもの | 条件 | 向く会社 |
|---|---|---|---|
| Zoom連携(ワークフローあり) | 登録・参加・キャンセル、入室と退出の時刻、視聴時間、録画と文字起こし(同期対象に選んだ場合) | ZoomのウェビナーアドオンとMarketing Hub Professional以上 | 月1回前後以上開催し、申込からフォローまで自動で動かしたい |
| Zoom連携(ワークフローなし) | 同上。申込者のZoom登録はZoom側の登録ページで行う | Zoomのウェビナーアドオン。HubSpotは無料・Starterでも可 | Starterで定期開催している |
| CSVのインポート | 登録・参加・キャンセルの日時。視聴時間は別のプロパティで持つ | Marketing Hub Starter以上 | 年に数回の開催、またはZoom以外の配信ツールを使っている |
Zoom以外の配信ツールでも、公式ヘルプではMicrosoft Teamsのウェビナー、GoToWebinar、Eventbriteなどの連携アプリがマーケティングイベントに参加状況を送れると書かれています。ただし、同期される項目や相手側で必要なライセンスはアプリごとに異なります。Teamsのウェビナーを使う会社は、HubSpotの接続済みアプリの設定でウェビナー同期の項目があるかと、アプリマーケットプレイスの説明に書かれた同期範囲を接続前に確認してから、上の表のどの行に当たるかを決めます。
連携を設定するかで迷ったら、開催1回あたりの手作業の時間で比べます。参加者のCSVを整形して取り込み、セグメントを作り直す作業が毎回1〜2時間かかり、それが毎月発生しているなら連携の設定にかける時間はすぐ回収できます(時間は実務上の例です)。反対に、年に2〜3回しか開かない会社が連携を入れると、次の開催までに設定の中身を誰も覚えておらず、同期の不具合に気づくのが遅れます。連携全般で先に決めておく同期の向きや正のデータの考え方は、HubSpot連携の進め方で決めた対応表に、ウェビナーの行を足す形にします。
申込フォームとZoomの登録をつなぐ設定
HubSpotのフォームで受けた申込をZoomに登録するなら、Zoomのウェビナー登録の必須項目は姓・名・メールアドレスの3つだけにします。公式ヘルプには、それ以外の必須項目があるとZoom側で登録に失敗すると書かれています。
Zoomのウェビナーは、登録ページに必須項目を追加できます。HubSpotから登録するときに使われるのはコンタクトの姓・名・メールアドレスの3つで、Zoom側で会社名や役職を必須にしていると、HubSpotからの登録が通りません。会社名や検討状況を聞きたい場合は、HubSpotのフォーム側で任意項目として聞き、Zoom側の登録ページの必須項目は3つに戻しておきます。フォーム項目の選び方や送信データの上書きの扱いは、HubSpotフォームの作り方で決めたルールのまま使えます。
Professional以上:ワークフローでZoomに登録する
Professional以上なら、「Add Contact to Zoom webinar」というワークフローのアクションで、フォームを送信したコンタクトを指定したZoomのウェビナーに登録できます。手順は、ワークフローの登録トリガーを申込フォームの送信にし、Zoomのアクションを追加して、ドロップダウンから対象のウェビナーを選ぶだけです。公式ヘルプには、登録できるのはプライマリーのブランドに接続したZoomアカウントのウェビナーに限られること、ホスト本人や接続したユーザーを登録しようとするとエラーになることが書かれています。社内でテスト申込をするときは、ホストとは別のメールアドレスを使います。
申込ページを開催回ごとに増やさず、1つのページとフォームを全回で共用している場合は、フォームに開催回を選ぶ項目か、回ごとに値を変える非表示項目を置き、ワークフローの分岐でその値ごとに登録先のウェビナーを変えます。ページを1つにする理由と非表示項目の置き方は、HubSpotランディングページの作り方のウェビナー申込ページの節と同じ考え方です。
Starterと無料:Zoomの登録ページで受けて、同期で戻す
ワークフローが使えないプランでは、HubSpotのフォームで受けた申込をZoomに自動で登録できません。この場合は、申込の入口をZoomのウェビナー登録ページにし、Zoom連携の同期で登録者をHubSpotに戻すほうが、二重登録や登録漏れが起きません。HubSpotのLPに詳しい説明を載せたい場合も、申込ボタンの行き先をZoomの登録ページにします。HubSpotのフォームとZoomの登録ページの両方に申込口を作ると、どちらか片方にしか登録していない人が出て、当日に参加URLが届かない問い合わせが来ます。
リマインドメールは登録者のセグメントに送り、参加URLはZoomに任せる
リマインドの送り先は、マーケティングイベントの登録者から、キャンセルした人を除いたセグメントで作ります。参加用のURLはZoomが登録者ごとに発行するため、Zoomの確認メールとリマインドは止めずに残し、HubSpotからは内容の予告や事前質問の受付を送る、と役割を分けます。
リマインドを何回、いつ送るかは参加率の設計の話で、ウェビナーの参加率を上げる方法で決めた接点の数とタイミングをそのまま使います。HubSpotの作業として決めるのは、誰に送るかと、どの機能で送るかの2点です。
送り先のセグメントは、公式ヘルプに記載のあるマーケティングイベントのフィルター「Registered for marketing event」で対象のイベントを選び、「Canceled marketing event registration」に当てはまる人を除外して作ります。申込フォームの送信だけを条件にすると、Zoom側でキャンセルした人にもリマインドが届き、「キャンセルしたのに」という返信が来ます。Zoom連携で新しく作られたコンタクトに送るときは、マーケティングコンタクトの設定になっているかも配信前に確認します。マーケティングコンタクトでない相手にはマーケティングメールが届きません。
| プラン | 送り方 | 運用で決めること |
|---|---|---|
| Starter | マーケティングメールを作り、送信日時を予約して登録者のセグメントに送る | 送る直前にセグメントの人数を確認する担当者。直前の申込者が漏れないよう、予約は開催の近い回ほど遅い時刻にする |
| Professional以上 | 申込を登録トリガーにしたワークフローで、開催日時までの待機を入れて送る | 申込日によって届く通数が変わる前提で、開催直前の申込者に何通送るか |
参加URLをHubSpotのメールに差し込めるかは、公式ヘルプのZoom連携の記事では確認できませんでした。HubSpotのメールに登録者ごとのURLを入れる運用にしたい場合は、自分の別アドレスで登録し、テスト送信で自分の登録URLが表示されることを確かめてから本番に使います。確かめられないうちは、HubSpotのメールには「参加用URLはZoomから届いているメールをご確認ください」と書き、Zoomの確認メールの件名を添えておくと、参加URLが見つからないという問い合わせが減ります。配信停止や購読タイプの扱いはHubSpotマーケティングメールの運用ルールに従い、ウェビナーの案内をどの購読タイプで送るかを1回目の前に決めます。
開催後に残る記録で、参加・欠席・途中退出を分ける
Zoom連携を使うと、開催後にコンタクトのタイムラインへ入室・退出の時刻が、マーケティングイベントに登録・参加・キャンセルが記録されます。途中退出は専用のステータスがないため、マーケティングイベントの視聴時間のフィルターで、自社で決めた基準未満の参加者として切り出します。
公式ヘルプによると、Zoom連携はウェビナーの記録からコンタクトのプロパティを4つ作ります。平均視聴割合の「Average Zoom webinar attendance duration」、直近に登録したウェビナーの「Last registered Zoom webinar」、登録の累計「Total number of Zoom webinar registrations」、参加の累計「Total number of Zoom webinars attended」です。ただし、Zoomのコンタクトのプロパティを使ったセグメントは2025年1月8日から廃止の対象とされ、マーケティングイベントのフィルターへの移行が案内されています。新しく作るセグメントは、プロパティではなくマーケティングイベントのフィルターで作ります。
| 区分 | セグメントの条件(例) | 決めておくこと |
|---|---|---|
| 参加(最後まで近く視聴) | Attended marketing event、かつAttendance durationが基準以上 | 基準の時間。本編の長さから質疑を除いた時間の7割など、自社で1つに決める |
| 途中退出 | Attended marketing event、かつAttendance durationが基準未満 | 冒頭数分だけの入室を途中退出に含めるか |
| 欠席 | Registered for marketing event、かつAttended marketing eventに当てはまらない、かつキャンセルしていない | 欠席者へのアーカイブ送付の担当と送付日 |
| キャンセル | Canceled marketing event registration | アーカイブを送るか、次回の案内だけにするか |
基準の時間は、フォローの内容を分けるために使う線なので、細かくしすぎないようにします。60分のウェビナーで10分ごとに6つのセグメントを作っても、送るメールが3種類しかなければ意味がありません。フォローの種類の数に合わせて、基準は1本か2本にします。
公式ヘルプには、Zoomでゲストと認識されたユーザーはメールアドレスが渡らず同期されないこと、HubSpotのユーザー本人はコンタクトとして作られないこと、繰り返し開催のウェビナーでは参加の累計プロパティが更新されないことが書かれています。参加者数がZoomの管理画面より少ないときは、施策の数字を報告する前にこの3つを確認します。
社内の参加者を除く設定もあります。Zoom連携の設定画面の「Exclusions」で、自社ドメインなどを録画の同期やコンタクト作成の対象から外せます。営業や登壇者が視聴者として入る運用の会社は、除外を入れておかないと、社員が参加者のセグメントに入り、フォローメールが社員に届きます。
連携を使わずCSVで戻すときの手順
連携を使わない場合は、開催前にHubSpotでマーケティングイベントを手動で作り、開催後にZoomなど配信ツールから書き出した一覧を、Email・Registered・Attended・Cancelledの列を持つCSVに整えて取り込みます。視聴時間は取り込み項目として公式に確認できなかったため、使うなら自社でコンタクトのプロパティを作って別に入れます。
公式ヘルプで確認できた手順は次のとおりです。参加者のインポートはMarketing Hub Starter以上で使えます。
- 「マーケティング」から「イベント」を開き、「Create marketing event」でイベント名・開始日時・主催者などを入力して作成する
- 開催後、配信ツールから登録者と参加者の一覧を書き出し、1人1行でEmail、Registered、Attended、Cancelledの列を持つCSVにまとめる。登録・参加・キャンセルの列には、それぞれの日時を入れる
- 対象のマーケティングイベントを開き、左上の「Actions」から「Import event contacts」を選ぶ
- 取り込む活動(Registered、Attended、Cancelled)を選び、列を対応付け、日付の形式とタイムゾーンを指定して取り込む
メールアドレスが一意の識別子になるため、既存のコンタクトは更新され、新しい人はコンタクトとして作られます。CSVで運用するときに崩れやすいのは、日付の形式とタイムゾーンです。配信ツールの書き出しが協定世界時で、取り込み時に日本時間を選ぶと、参加日時が9時間ずれて記録されます。取り込む前に、CSVの1行目の日時と実際の開催時刻を見比べます。
視聴時間でフォローを分けたい場合は、「直近ウェビナーの視聴分数」のようなコンタクトのプロパティを1つ作り、通常のコンタクトのインポートで入れます。回ごとにプロパティを増やすと数か月で数十個になるため、直近の値だけを上書きし、回ごとの記録はマーケティングイベントの参加の有無で残すようにします。
参加者と欠席者で分けるフォローの中身と、営業に渡す条件
フォローは、参加の有無と視聴時間で分けた4つのセグメントごとに1通目の中身を変え、商談の打診は視聴時間とアンケートの回答で検討が進んでいると分かる人に絞ります。参加者全員に営業が連絡すると、検討の初期段階の人まで商談の打診を受けて、次回以降の申込が減ります。
途中退出の人と欠席の人は、どちらも「全部は見ていない人」ですが、送る内容を分けます。途中退出の人は冒頭を見て興味を持った人なので、Zoomのタイムラインに残った退出時刻から、見逃した部分の開始時刻をメールに書くと、アーカイブの続きから再生してもらえます。欠席の人には、録画を届けるだけで終わらせず、個別相談か次回の案内を1つだけ添えます。アーカイブを編集して別の資料に作り直す使い方は、ウェビナーアーカイブの活用法で録画の使い道を決めてから、フォローメールのリンク先を選びます。
営業に渡す条件は、視聴時間だけで決めません。最後まで視聴していても、アンケートで「情報収集中」と答えた人に翌日電話をすると、次回の案内メールが配信停止されることがあります。営業に渡すのは、視聴時間が基準以上で、アンケートの検討段階が「比較検討中」か「導入時期が決まっている」の人、または当日に質問をした人に限ります。アンケートの設問と温度の分け方は当日の運営で決めた4段階を使い、HubSpotではアンケートの回答をコンタクトのプロパティに入れておくと、セグメントの条件に使えます。
営業への渡し方は、開催の翌営業日の朝に、条件に当てはまる人のセグメントを営業に共有し、担当者を割り当ててタスクを作るのが手作業での最小の形です。Professional以上でこの流れを自動にするなら、トリガーと分岐の組み方はHubSpotワークフロー設計のウェビナー後のフォローの構成を使い、ライフサイクルステージをどの条件で上げるかはHubSpotのMQL設定の判定条件と揃えます。ウェビナーのためだけに別のMQL基準を作ると、営業から見て同じMQLでも質が揃わなくなります。
営業に渡した人のうち、商談の打診に返事がなかった人は、ウェビナーのセグメントから外さずに残しておき、次回の案内の優先対象にします。次回にまた参加した人は、2回参加した事実そのものが検討の進み具合の手がかりになります。
キャンペーンで束ねて、1回分の成果を商談まで見る
Professional以上なら、ウェビナー1回を1つのキャンペーンにし、申込LP、フォーム、告知とリマインドのメール、マーケティングイベントを関連付けます。Starterでは、マーケティングイベントの画面で申込と参加を見て、商談は取引側のプロパティで回ごとに数えます。
公式ヘルプでは、マーケティングイベントの詳細画面の「Campaigns」カードからキャンペーンを追加できるとされ、この関連付けはMarketing Hub ProfessionalとEnterpriseの機能です。キャンペーンを作るタイミングと命名、取引の数え方は、HubSpotのキャンペーン機能の使い方の手順どおり、告知メールを送る前に作ります。ウェビナーで特に気をつけるのは、1つのアセットは原則1つのキャンペーンにしか入らない点です。申込ページを全回で共用していると、そのページは直近の回のキャンペーンに移るため、回ごとの比較は申込ページではなく、回ごとに作るマーケティングイベントとリマインドメールで行います。
1回分の成果として報告する数字は、次の順に並べると、どこで数が減ったかが分かります。登録者数、参加者数、基準以上の視聴者数、営業に渡した人数、開催から一定期間内に作られた取引の数です。前の4つはマーケティングイベントとセグメントの人数から、最後の1つはキャンペーンの取引か、取引に「きっかけのウェビナー」のようなプロパティを持たせて数えます。
Starterで取引側のプロパティを使う場合は、営業が取引を作るときにプルダウンで回を選ぶ運用になります。営業が選び忘れると数字が抜けるため、ウェビナー後に営業に渡したコンタクトの一覧を月末に見直し、取引があるのにプロパティが空の人を埋めます。開催のたびにこの確認が負担になってきたら、Professionalへの切り替えを検討する材料になります。切り替えの判断は、ウェビナー以外に使う機能も含めてHubSpotのStarterとProfessionalの違いで比べます。
自社のプランと開催頻度で、連携を入れるか、どこまで自動にするかを決めきれない場合は、現在の申込から営業への引き渡しまでの流れを見たうえで、HubSpotでの運用の形を一緒に決められます。
次回の開催に向けて、1回ごとに残す記録
次回のテーマや集客の判断に使うため、開催のたびに同じ項目で記録を残します。数字はHubSpotから取り、HubSpotに残らない当日の質問や反省は、回ごとに1枚の記録表に書きます。
| 記録する項目 | HubSpotのどこから取るか | 次回の何に使うか |
|---|---|---|
| 登録者数・キャンセル数・参加者数 | マーケティングイベントの概要 | 参加率の推移と、リマインドの通数の見直し |
| 申込の経路 | フォーム送信時の流入元、キャンペーンのトラッキングURL | 告知チャネルごとの予算配分 |
| 基準以上の視聴者数 | 視聴時間で作ったセグメント | テーマと構成が最後まで見られたか |
| 営業に渡した人数と取引数 | 営業に渡した人のセグメント、キャンペーンの取引か取引のプロパティ | 次回もこのテーマで開くかの判断 |
| 当日の質問と答えきれなかった質問 | HubSpotには残らないため、記録表に書く | 次回のテーマ候補とFAQ記事の候補 |
取引の数は、開催の翌週では出そろいません。検討期間が数か月ある商材なら、開催から1か月後と3か月後の2回、同じセグメントで取引を数え直し、記録表に追記します。翌週の時点で取引が0件だった回を「商談につながらなかった」と判断して次回をやめると、3か月後に受注が出たときに理由を追えなくなります。
名前の付け方も記録の一部です。フォーム、リマインドメール、セグメント、マーケティングイベントの名前の先頭に「2026-10_webinar_テーマ」のような同じ文字列を付けておくと、半年後に過去の回を探すとき、HubSpotの検索で1回分のアセットがまとめて出てきます。
1回ごとの記録で最後に書くのは、次回も同じテーマで開くか、変えるなら何を変えるかの一文です。数字だけの記録は、担当者が変わったときに判断の理由が残りません。
HubSpotでウェビナーを管理しないほうがよい場合
ウェビナーの参加者を営業のフォローにつなげない会社や、配信ツール側の機能で申込からお礼メールまで完結している会社は、HubSpotに参加の記録を戻しても使い道がありません。戻す作業の手間だけが増えます。
次のどれかに当てはまるなら、HubSpotでのウェビナー運用を小さくするか、始めない判断も妥当です。
- ウェビナーが既存顧客向けの操作説明会で、参加の有無が商談や更新の判断に使われない
- 開催が年に1〜2回で、参加者の一覧をスプレッドシートで持つほうが早い
- 共催ウェビナーで申込者の情報を相手企業が持ち、自社には参加者の一部しか渡らない
- ウェビナーの参加者をマーケティングコンタクトにすると、契約しているマーケティングコンタクト数の上限を超える
3つ目の共催の場合は、相手企業から受け取る一覧の項目と受け取る日を先に決め、受け取った分だけCSVで取り込みます。リードの分け方は共催ウェビナーの進め方で相手企業と合意した範囲に従い、同意を得ていない人をHubSpotに入れてメールを送ることは避けます。
反対に、HubSpotで運用する価値が大きいのは、ウェビナーを商談の入口として毎月のように開き、参加者の中から営業に渡す人を選ぶ作業が毎回発生している会社です。参加者の一覧を毎回スプレッドシートで作っている時間を、フォローの中身を考える時間に置き換えられます。
まとめ
HubSpotでのウェビナー運用は、申込・参加・視聴時間をマーケティングイベントとコンタクトに戻し、4つのセグメントでフォローを分け、1回ごとの記録を次回の判断に使う形にすると、開催のたびの手作業が減ります。
判断の結論は4つです。連携を入れるかは開催頻度とプランで決め、年に数回ならCSVの取り込みで足ります。HubSpotのフォームからZoomに登録するならZoom側の必須項目は姓・名・メールアドレスの3つにし、ワークフローが使えないプランではZoomの登録ページを申込の入口にします。リマインドは登録者からキャンセルを除いたセグメントに送り、参加URLの案内はZoomのメールを残します。営業に渡すのは視聴時間とアンケートの回答、当日の質問で検討が進んでいると分かる人に限ります。
次にやることは、次回のウェビナーを1つ選び、マーケティングイベントを作って、参加・途中退出・欠席・キャンセルの4つのセグメントの条件を開催前に決めておくことです。途中退出の基準の時間もこのときに1つ決めます。連携の設定や営業への引き渡しの条件を自社の状況に合わせて決めたい場合は、申込から商談までのHubSpotの設定を一緒に確認します。
無料相談
ウェビナーの参加者を、HubSpotで商談につなげる運用に整えます
「参加者の一覧を毎回CSVで作っている」「Zoom連携を入れたがセグメントの作り方が分からない」「営業にどの参加者を渡せばよいか決まらない」。Ampelは外部CMOとして、現在の開催頻度とHubSpotのプラン、申込から営業への引き渡しまでの流れを確認し、連携の設定、フォローのセグメント、営業に渡す条件を担当者の方と一緒に決めます。
よくある質問
- HubSpotとZoomのウェビナー連携はどのプランで使えますか
- 連携自体はHubSpotの全製品・全プランで使えます。Zoom側でウェビナーのアドオンを契約している必要があり、HubSpotの申込者をワークフローでZoomのウェビナーに登録するアクションはProfessionalかEnterpriseで使えます。
- Zoom連携でHubSpotには何が同期されますか
- ウェビナーの登録・参加・キャンセルがマーケティングイベントに、入室と退出の時刻がコンタクトのタイムラインに記録され、視聴割合や参加の累計などのコンタクトのプロパティも作られます。録画と文字起こしは、同期対象に選んだ場合に同期されます。
- HubSpotのフォームで申し込んだ人がZoomに登録されないのはなぜですか
- 主な原因は、Zoomの登録ページに姓・名・メールアドレス以外の必須項目があることです。公式ヘルプでは、それ以外の必須項目があるとZoom側で登録に失敗すると説明されています。ホスト本人のアドレスでテストした場合もエラーになります。
- Zoom連携を使わずに参加者をHubSpotに入れる方法はありますか
- マーケティングイベントを手動で作り、Email・Registered・Attended・Cancelledの列を持つCSVを「Import event contacts」から取り込めます。Marketing Hub Starter以上で使え、メールアドレスで既存のコンタクトと照合されます。
- ウェビナーの欠席者にはどんなフォローを送ればよいですか
- アーカイブと一緒に、個別相談か次回の案内を1つだけ添えます。途中退出した人には、見逃した部分の開始時刻を添えてアーカイブを送り、キャンセルした人には次回の案内だけを送るように分けます。