HubSpotの料金は、Hubの種類、エディション、シート数の組み合わせで決まるため、料金ページを見ただけでは「StarterとProfessionalのどちらを契約すべきか」が判断しづらくなっています。両者は月額で数万円以上の差があり、選択を誤ると使わない機能に払い続けるか、必要な機能が足りず再契約になるかのどちらかに陥ります。
結論から言うと、判断軸はワークフローによる自動化を本格的に使うかどうかの一点にほぼ集約されます。機能一覧の長さで比べる必要はありません。
StarterとProfessionalで迷っているときに見るべきなのは、機能一覧の長さではなく、条件分岐のあるナーチャリングをワークフローで組む予定と、それを組める担当者が社内にいるかどうかです。その予定がまだ立っていない会社なら、Starterのままで困る場面はあまりありません。
目次
HubSpotの料金は「Hub×エディション×シート×コンタクト数」で決まる
HubSpotの月額料金は、使うHub、エディション、ユーザーのシート数、Marketing Hubの場合はマーケティングコンタクト数の4つで決まります。StarterとProfessionalの違いは、このうちエディションの違いとして比べます。
4つのエディションとStarter・Professionalの位置づけ
HubSpotの各製品(Marketing Hub、Sales Hub、Service Hubなど)には、無料版・Starter・Professional・Enterpriseの4つのエディションがあります。エディションとは、同じ製品の中で利用できる機能の範囲と上限を定めた契約階層のことです。
Starterは無料版からの最初のアップグレード先で、HubSpotロゴの非表示、テクニカルサポート、シンプルな自動化などが解放されます。Professionalは本格的なMA・SFA機能が使える階層で、ワークフロー自動化、カスタムレポート、A/Bテストなどが加わります。多くのBtoB企業にとって、実務上の比較対象はこの2つです。まだ無料版で足りるか迷っている段階なら、HubSpotの無料版と有料版の違いで有料にする条件を先に確かめます。
シート課金の仕組み
シートとは、HubSpotを操作するユーザー1人ごとに必要な利用権のことです。2024年3月の料金改定以降、HubSpotはシートベース課金に移行しており、「何人がツールを操作するか」が料金に直結します。閲覧のみのユーザーには無料の閲覧専用シートを割り当てられるため、全社員分のシートを買う必要はありません。
マーケティングコンタクト数(Marketing Hubのみ)
マーケティングコンタクトとは、メール配信や広告配信の対象として指定したコンタクトのことです。Marketing Hubでは、この件数に応じた従量課金が発生します。営業管理のみに使う連絡先はカウント対象外にできるため、誰をマーケティングコンタクトに設定するかの設計が、そのままコスト設計になります。
プラン選定は機能表の比較ではなく、必要な運用から逆算して決めるものです。契約前に、HubSpot活用の全体像と照らして、最初の半年でどの業務をHubSpotに載せるかを書き出します。
StarterとProfessionalの料金比較【2026年時点】
Marketing Hubで比べると、Starterは1シート月額数千円以内から始められる一方、Professionalは3シート込みで月額10万円前後になり、さらに1回限りの必須の導入支援費用が加わります。
BtoBで契約されることの多いMarketing HubとSales Hubについて、2026年9月時点でHubSpot公式の料金ページに表示されている条件を整理しました。料金ページには支払い方法やキャンペーンによって異なる金額が表示されるため、表の金額は目安として使い、契約前に公式の料金ページと見積もりで確認してください。
| 項目 | Starter | Professional |
|---|---|---|
| Marketing Hub 月額(公式表示の目安) | 2,400円/シート以下 | 約10万円(コアシート3人分込み。公式表示で96,000円〜106,800円、支払い方法で異なる) |
| Sales Hub 月額(公式表示の目安) | 2,400円/シート以下 | 10,800円〜12,000円/シート(支払い方法で異なる) |
| 初回導入支援(オンボーディング)費用 | 不要 | 必須(公式表示でMarketing Hubは36万円、Sales Hubは18万円) |
| マーケティングコンタクト込み枠 | 1,000件 | 2,000件 |
| 契約形態 | 月払いも選択可 | 年間契約が基本 |
見落とされがちな2つの費用
比較表の月額だけを見て予算を組むと、初年度に想定外の支出が発生します。注意すべきは次の2点です。
- オンボーディング費用:Professional以上の契約時には、1回限りの初回導入支援費用が必須で発生します。公式の料金ページの表示では、Marketing Hub Professionalが36万円、Sales Hub Professionalが18万円です。
- マーケティングコンタクトの超過課金:込み枠を超えると追加費用が発生します。展示会リストなどを無計画にインポートすると、配信していないコンタクトにも課金され続けることになります。
他のMAツールと並べて予算を組むなら、MAツールの導入費用相場の項目に沿って、初期費用と運用費まで含めて比べます。
オンボーディング費用はProfessional契約時に必須の1回限りの費用で、月額の比較表だけを見ていると抜けます。初年度予算には月額とは別枠で必ず計上してください。
StarterとProfessionalの機能差はどこにあるか
StarterとProfessionalの機能差は、自動化と分析の深さにあります。Starterは手作業の効率化まで、Professionalは条件分岐のワークフローで業務そのものを自動化し、カスタムレポートで施策の成果を見るところまで使えます。
Marketing Hubの機能差
Starterでは、フォーム、メール配信、広告連携、HubSpotロゴの非表示といった基本機能が使えます。一方Professionalでは、条件分岐を含むワークフロー自動化、A/Bテスト、カスタムレポート、SEO・SNS管理ツールなどが解放されます。つまり、リードを獲得したあとに「条件に応じて自動でナーチャリングする」仕組みを作れるかどうかが分かれ目です。HubSpotワークフロー設計の実務を見ながら、自社で組むワークフローを契約前に1本書き出すと、Professionalが必要かどうかがはっきりします。
Sales Hubの機能差
StarterのSales Hubは、取引パイプライン管理、見積作成、ミーティング調整など、営業活動の基本機能で構成されています。パイプライン数などの上限はエディションごとに違い、改定もあるため、公式の料金ページで確認してください。Professionalになると、シーケンス(自動フォローアップメール)、フォーキャスト(受注確度を加味した売上予測)、パイプラインの拡張、Salesforceとの連携などが加わります。たとえば営業が3人を超え、フォローのやり方が人ごとにばらばらで、営業部長が月次の売上見込みを表計算で集計している段階なら、シーケンスとフォーキャストでその手作業が減ります。
見積書の運用を理由にプランを上げるか迷う場合は、見積書の承認やカスタムテンプレートを使えるプランの条件を確認し、既定のテンプレートで足りるかを先に判断します。
HubSpotはStarterとProfessionalのどちらを選ぶべきか
選定基準は「自動化したい業務が具体的に書き出せるか」です。書き出せるならProfessional、書き出せない段階ならStarterで十分です。
Starterで十分なケース
次のような状況であれば、Starterから始めるのが合理的です。
- マーケティング担当が1名以下で、まずリード獲得と顧客管理の一元化が目的
- メール配信は月数回のニュースレターが中心で、条件分岐のシナリオ配信はまだ不要
- コンタクト数が数千件以内で、手動のリスト運用で回っている
Starterで運用の型を作り、リード数と施策数が増えてからProfessionalに上げる二段階方式は、初期投資を抑えつつ移行時のデータ引き継ぎも不要なため、多くの企業にとって現実的な進め方です。Starterを契約したら、HubSpot初期設定チェックリストの順に設定を済ませて運用の型を作ります。
Professionalに上げるべきサイン
次のいずれかに当てはまるなら、Professionalへの投資が回収できる段階に入っています。
- 資料請求後のフォローなど、リード対応の抜け漏れが人力では防げなくなってきた
- リードの行動履歴に応じてナーチャリングの内容を出し分けたい
- 施策別の商談貢献をレポートで説明する必要が出てきた
- 営業チームが複数名になり、フォローの標準化と売上予測が求められている
逆に言えば、これらの必要性がないままProfessionalを契約すると、月額10万円前後の大半をワークフロー未使用のまま払うことになります。実際、HubSpot導入がうまくいかない企業の多くは、プラン選定ではなく活用設計の段階でつまずいています。契約の前に、HubSpot導入が失敗する7つの理由に自社が当てはまらないかを確かめてください。
Professionalの費用対効果は、稼働するワークフローの本数でほぼ決まります。契約前に自動化したい業務を具体的に書き出せるかどうかを、プラン選定の判断テストにしてください。
そもそも他のMAツールと比較検討している段階であれば、中小企業の導入視点で比べる5つの軸を先に確認してください。プラン選びの前に、製品そのものの前提を揃えられます。
プラン選定でよくある3つの失敗と回避策
プラン選定の失敗は、料金の高さより、使う機能・マーケティングコンタクト数・Hubごとのエディションを契約前に決めていないことから起きます。よく見る3つを回避策とあわせて挙げます。
失敗1:機能の多さでProfessionalを選んでしまう
「せっかく導入するなら上位プランを」という判断は、最も多い失敗パターンです。機能は使って初めて価値になります。運用体制が整っていない段階でProfessionalを契約すると、初年度に150万〜165万円程度(公式表示の月額×12か月+導入支援36万円で試算)を投じながら、実際に使うのはStarterでも可能な機能だけ、という状態になりがちです。回避策は、「自動化したい業務の書き出し」を契約前に行うことです。
失敗2:マーケティングコンタクトの設計をせずに契約する
過去の展示会リストや名刺データを全件マーケティングコンタクトに設定すると、込み枠をすぐに超過します。配信する予定のないコンタクトは非マーケティングコンタクトに設定し、実際に配信対象とする条件を先に決めておけば、その分だけ毎月の費用が下がります。
失敗3:全Hubを同時にProfessionalへ引き上げる
HubSpotはHubごとにエディションを選べます。たとえばMarketing HubはProfessional、Sales HubはStarterという組み合わせも可能です。マーケティングの自動化が急務でも、営業側はパイプライン管理ができれば十分というケースは珍しくありません。必要なHubだけ引き上げることで、月額を数万円単位で圧縮できます。自社での設計が難しい場合は、HubSpot設定代行の費用と依頼範囲やHubSpot運用外注で頼めることも参考にしてください。
契約後にコンタクト契約数が増えすぎないよう、マーケティングコンタクトの設定と課金への影響を作成経路ごとに確認し、既定値のまま運用しないでください。
AI機能だけを理由にProfessionalへ上げる前に、AI機能のプラン条件とクレジットの扱いを確認し、Starterで試せる範囲を使い切ってから判断します。
まとめ
HubSpotの料金は「Hub×エディション×シート数×マーケティングコンタクト数」で決まります。Starterは1シート月額数千円以内から始められ、Professionalは月額10万円前後に加えてオンボーディング費用が必須となるため、両者の差は単なる機能差ではなく投資規模の差です。
選定の判断軸は、条件分岐ワークフローによる自動化を本格的に使う段階にあるかどうか。自動化したい業務が具体的に書き出せるならProfessional、まだ運用の型を作る段階ならStarterから始めて二段階で引き上げるのが、費用対効果の高い進め方です。
プラン構成は一度契約すると年間コストに直結します。自社のリード数・体制・施策計画からの逆算に不安がある場合は、契約前の設計段階でご相談ください。
無料相談受付中
自動化したい業務から逆算して、HubSpotのプランとHubの組み合わせを選びます
リード数、運用の体制、最初の半年で動かしたい施策を伺い、Hubごとのエディションとマーケティングコンタクトの設定方針をお返しします。契約前の段階でもご相談いただけます。Ampelは外部CMOとして、HubSpotの導入と運用をマーケティングと営業の業務に合わせて設計し、構築から定着まで支援しています。
よくある質問(FAQ)
- HubSpotのStarterとProfessionalの料金差はどのくらいですか?
- Marketing Hubの場合、2026年9月時点の公式料金ページの表示で、Starterは1シート月額2,400円以下、Professionalは3シート込みで月額10万円前後です。Professionalには1回限りの導入支援費用(Marketing Hubで36万円)が必須で加わるため、初年度の差は試算で100万円を超えます。料金は支払い方法やキャンペーン、改定で変わるため、契約前に公式の料金ページで確認してください。
- StarterからProfessionalへ途中でアップグレードできますか?
- できます。同一アカウント内でのアップグレードのため、蓄積したコンタクトや取引データはそのまま引き継がれます。Starterで運用の型を作ってから引き上げる二段階方式は、初期投資を抑える現実的な進め方です。
- Professionalのオンボーディング費用は必須ですか?
- 必須です。Professional以上を契約する際は、HubSpot公式または認定パートナーによる初回導入支援費用が発生します。月額料金とは別枠のため、初年度予算には必ず含めてください。
- マーケティングコンタクトとは何ですか?
- マーケティングコンタクトとは、メール配信や広告配信の対象として指定したコンタクトのことです。Marketing Hubではこの件数に応じて課金され、Starterは1,000件、Professionalは2,000件が料金に含まれます。営業管理のみの連絡先は対象外にできるため、設定の設計がコスト最適化に直結します。