インサイドセールス代行の費用と選び方|成果報酬・固定報酬の違い、任せる業務と社内に残す判断

インサイドセールス代行の見積書にある「アポ1件」は、代行会社ごとに数え方が違います。決裁に関わらない担当者との情報交換の約束を1件と数える会社もあれば、自社の営業が商談として受け入れたものだけを数える会社もあり、同じ単価でも買っている中身が変わります。月額固定の見積もりでも、架電件数を約束しているのか、稼働時間を約束しているのかで、払う対象は別のものです。

インサイドセールス代行は、課金形態を選ぶ前に、何を成果と数えるかと、リスト・トーク・通話記録を誰の持ち物にするかを決めてから発注します。成果は代行会社が数えるアポではなく自社の営業が判定する有効商談で契約に書き、代行会社どうしの比較は1有効商談あたりの総費用で行います。

資料請求や問い合わせのリードに社内で対応しきれず、外に出すことを考えているなら、代行に頼むかどうかは、月に対応すべきリードの量と、営業と合意した商談化の条件がすでにあるかどうかが分かれ目です。条件が決まっていない段階では、代行には頼まないで社内で基準を作るほうが、結果として費用を抑えられることもあります。

目次

インサイドセールス代行に頼める業務と、テレアポ代行との違い

インサイドセールス代行とは、電話・メール・オンライン会議で見込み客に接触し、商談の設定や育成までを行う内勤営業の業務を、外部の会社に有償で任せることです。頼める業務は7つあり、テレアポ代行との違いはアポの獲得で終わらず、営業が受注まで進められる商談を渡すところまでを受け持つ点にあります。

代行会社のサービス名は「インサイドセールス代行」「SDR代行」「商談創出支援」とまちまちですが、中身を業務に分けると、次の7つのどれを受け持つかの組み合わせです。見積もりを取る前に、自社が外に出したい行に印を付けておくと、提案の範囲がずれているかどうかをすぐに見分けられます。

業務代行側がやること社内から渡すもの成果として数えるもの
反響リードへの初回対応資料請求や問い合わせに、決めた時間内に電話・メールで連絡するリードの通知、対応の期限接続数、商談設定数
架電リストの相手に電話し、状況を聞いて次の行動を決める架電リスト、商談化条件接続数、有効商談数
メール個別メールや一斉メールを送り、反応した相手に連絡する送信者名義、文面の承認返信数、商談設定数
商談設定営業の空き枠に日程を入れ、事前情報を引き継ぐ営業の予定表、引き継ぎの書式商談実施数
ナーチャリング今は検討していない相手に、時期を決めて再び連絡する再連絡の条件、配信するコンテンツ再接触から生まれた商談数
休眠リードの掘り起こし過去に接点があって止まっている相手に連絡し直す休眠リードの一覧、除外する相手再開した商談数
立ち上げ支援スクリプト、KPI、CRMの記録項目を作り、運用を始める営業の同席、商談の記録納品物と、移管後に社内で続けられるか

7つのうち、反響リードへの初回対応と商談設定は、リードが入ってから連絡するまでの時間で成果が変わる業務です。代行に出す場合も、問い合わせから初回連絡までの時間と担当の決め方を社内で先に決め、その期限を契約の条件として代行会社に渡します。休眠リードの掘り起こしは、止まった理由がCRMに残っていないと架電先の優先順位を付けられないため、休眠リードを再接触の対象に戻す条件を決めたうえで一覧を渡します。

テレアポ代行・営業代行とは、成果を数える地点が違う

テレアポ代行は、リストの相手と日程を約束することを成果とします。インサイドセールス代行は、同じ電話でも相手の状況を聞き、商談化の条件に合わない相手は商談にせず、時期を改めて連絡する相手として記録します。営業代行は、商談そのものや受注までを外部の営業が担う形です。新規開拓のリストに電話をかけ、アポの件数で払う契約を検討しているなら、アポ課金の代行をリード獲得単価と分けて比べる方法に沿って、アポ単価として管理します。

課金形態は固定・成果報酬・複合の3つ、違いは空振りの費用を誰が持つか

インサイドセールス代行の課金形態は、稼働に払う月額固定、成果の件数に払う成果報酬、両方を組み合わせる複合型の3つです。違いは、電話がつながらない、商談にならないといった空振りの費用を、発注側と代行会社のどちらが持つかにあります。

課金形態払う対象向く場面起きやすいこと契約前に確認すること
月額固定担当者の人数と稼働時間、または架電件数反響リードの対応やナーチャリングなど、件数が読めない業務を任せるとき稼働の中身が見えないと、成果がなくても同じ額を払い続ける稼働の単位、専任か兼任か、月次で出す記録
成果報酬アポ、商談実施など決めた成果の件数リストが十分にあり、成果の定義を発注側が決められるとき成果が出やすい相手から順に連絡し、基準の低いアポが増える成果の定義、無効の扱い、対象外の相手
複合型低めの固定費と、成果1件ごとの報酬固定で運用の型を作りつつ、成果にも責任を持ってほしいとき固定費に何が入っているかが曖昧になる固定費の中身と、成果報酬の対象の両方

成果報酬は、代行会社が受けたがる案件の条件を映している

成果報酬は、成果が出なければ払わなくてよいので、発注側の負担が小さく見えます。ただし代行会社から見ると、空振りの費用を自社で持つ契約なので、リストが大きい、商材の説明が短く済む、決裁者に電話がつながりやすいといった、成果が出やすい案件でないと引き受けにくい形です。反響リードが月に数十件しかない会社や、導入までに複数部署の合意が要る商材では、成果報酬の見積もりが出ないか、1件あたりの単価が高くなります。

成果報酬で契約すると、代行会社の担当者には、断られにくい相手から連絡し、日程が取れた時点で1件と数える方向に力がかかります。営業部長が月末に「アポは増えたのに、会ってみると検討していない会社ばかり」と言い出すのは、この構造から起きることです。成果報酬を選ぶなら、次のセクションで決める有効商談を成果の単位にします。

月額固定は、稼働の単位と記録の出し方を先に決める

月額固定は、反響リードへの初回対応やナーチャリングのように、月ごとの件数が読めない業務に合う形です。一方で、稼働の中身が見えないと、電話が何件かかったのか、どの相手に何を話したのかが分からないまま同じ額を払い続けることになります。担当者が専任か、他社の案件と兼任か、1か月に何時間稼働するかを契約に書き、架電と接続の記録は自社のCRMで見られる形にしておきます。

複合型は、立ち上げの数か月を固定で運用の型を作り、型が固まった後に成果報酬の比率を上げる、という段階的な契約にも使えます。その場合は、固定費に含まれる作業(スクリプトの改善、週次の報告、リストの整備)と、成果報酬の対象を、見積書の別々の行に分けてもらいます。

成果はアポではなく、営業が判定する有効商談で契約に書く

成果の定義は、代行会社が日程を取った時点のアポではなく、自社の営業が商談を行い、条件に合うと判定した有効商談で書きます。判定する人、判定の期限、判定が割れたときの扱いまで契約に入れると、請求書の件数と営業の実感がずれなくなります。

どの地点に払うかで成果の意味が変わる 1 架電・メール送信 リストの相手に連絡する コール課金 2 接続 担当者と話せた 数えない 3 アポ獲得 商談の日程が決まった アポ成果報酬 4 商談実施 営業が実際に会えた 実施ベース 5 有効商談 営業が条件に合うと判定 契約で数える地点 6 受注 営業と商材で決まる 代行の責任外 月額固定はどの段階でもなく 担当者の人数と稼働時間に払う
図1:インサイドセールス代行の成果地点と課金の対応

アポの定義に書く5つの項目

アポを成果の一部として数える場合も、次の5つを契約書か業務仕様書に書きます。どれか1つでも抜けていると、請求の段階で「これは1件か」の話し合いが毎月発生します。

  • 相手の立場:導入の検討に関わる部署と役職の範囲。情報収集だけの担当者を含めるかどうか。
  • 日程:日時が確定していること。「来月あたり」のような約束を含めない。
  • 聞き取った内容:課題、検討時期、現在使っている手段のうち、どれを聞けていれば1件とするか。
  • 対象外:既存顧客、競合、従業員数や業種の条件に合わない会社、すでに営業が商談中の会社。
  • キャンセルと日程変更:相手が当日に欠席した場合、日程を変えた場合に、何件と数えるか。

3つ目の聞き取った内容は、代行会社が使うスクリプトの質問と一致していなければ意味がありません。商談化条件から逆算したヒアリング項目を社内で作り、その項目をアポの定義にそのまま使います。

有効商談を判定するのは営業、期限と割れたときの扱いも決める

有効商談は、商談を行った自社の営業が、決めた条件に合うかどうかを判定します。条件は、社内でマーケと営業が合意しているMQLとSQLの定義と同じものを使い、代行会社専用の基準を別に作りません。基準が2つあると、代行経由の商談だけが別の物差しで数えられ、社内の商談化率と並べて比べられなくなります。

判定には期限を付けます。商談の翌営業日までに営業がCRMの項目を「有効」「無効」「保留」のどれかにする、期限を過ぎたら有効とみなす、といった取り決めです。期限がないと、忙しい営業の判定が遅れ、代行会社への請求と支払いが止まります。判定が割れたときは、商談の録画か記録をもとに月次の定例で話し合い、無効とした理由を選択式で残します。無効の理由が集まると、スクリプトのどの質問を直すかが見えてきます。判定の基準そのものを決めるときは、BANTをそのまま聞かずに商談を見極める事実から条件を選ぶと、営業どうしで判定がそろいます。

成果の定義は、代行会社の提案書にある基準をそのまま使わず、自社の営業が判定できる言葉で書き直します。代行会社が数える件数と営業が数える件数が一致していることが、契約を続けるかどうかを判断する前提になります。

費用の構成と見積もりの見方、比べるのは1有効商談あたりの総費用

インサイドセールス代行の費用は、初期費用、月額の稼働費、成果報酬、ツールやリストの費用、最低契約期間の5つで構成されます。比較サイトに載っている相場は含まれる業務がそろっていないため、見積もりは同じ条件表で取り、社内で使う時間を足した1有効商談あたりの総費用で比べます。

比較記事や代行会社のコラムには、月額固定やアポ単価の相場として金額の幅が載っています。ただし、その多くは各社の公開料金や聞き取りを集めたもので、リスト作成やスクリプト作成が含まれるか、担当者が専任か、CRMへの記録まで含むかがそろっていません。相場の数字を予算の上限に使うと、安い見積もりが実は稼働時間の少ない契約だった、ということが起きます。予算を決めるときは、相場より、見積書の行ごとの中身を確認します。

見積書の項目確認する中身書かれていないと起きること
初期費用スクリプト、リスト、CRMの記録項目、担当者の研修のうち何が納品されるか初期費用を払ったのに、解約後に手元に残るものがない
月額の稼働費担当者の人数、専任か兼任か、月の稼働時間か架電件数か安い見積もりが、稼働時間の少ない契約だったと後から分かる
成果報酬何を1件と数えるか、無効の扱い、上限件数基準の低いアポが請求に含まれる
ツール・リスト費架電システム、通話録音、リスト購入の費用が別か込みか月額とは別に、ツール代やリスト代が請求される
報告と定例週次・月次の報告の中身、定例の頻度件数の報告だけで、断りの理由や改善の記録が届かない
最低契約期間と解約期間、解約の通知時期、途中解約の扱い立ち上げで成果が見えないまま、残りの期間を払い続ける

見積もりを取る前に、条件表を1枚作って全社に渡す

見積もりの金額がばらつく理由の多くは、各社が想定している前提の違いです。依頼の段階で、次の条件を1枚にまとめ、2〜3社に同じものを渡します。

  • 任せたい業務(7つの業務のどれか)と、反響リードか新規リストか
  • 月あたりの対象件数と、リストを誰が用意するか
  • 商談化条件と対象外の条件
  • 使っているCRMと、代行会社に直接入力してもらいたいかどうか
  • 営業が商談を受けられる枠(週あたりの件数)
  • 想定している契約期間

決めきれていない項目は「未定、提案がほしい」と書いておけば、各社の提案の違いがそのまま比較の材料になります。

総費用には、見積書に載らない社内の時間を足す

1有効商談あたりの総費用は、代行会社への支払いに、社内で使う時間を足して、有効商談の件数で割ったものです。社内の時間には、定例への出席、スクリプトの確認、リストの提供、営業が商談の判定を入力する手間が入ります。

計算の例を置きます(金額と時間は仮の数字です)。A社は月額固定で月60万円、アポが月8件でそのうち有効商談が6件とします。B社はアポ1件3万円の成果報酬で、アポが月20件、そのうち有効商談は5件とします。定例と確認に使う社内の時間はどちらも月10時間、有効にならなかった商談には営業が1件1.5時間を使い、社内の時間を1時間5,000円で換算します。A社は(60万円+5万円+1.5万円)÷6件で約11.1万円、B社は(60万円+5万円+11.25万円)÷5件で約15.3万円です。請求書の単価ではB社のほうが安く見えても、営業が空振りの商談に使う時間を足すと順番が入れ替わります。

1有効商談あたりの総費用が、自社で許容できる金額に収まるかは、受注単価と受注率から逆算します。逆算の手順は商談1件にかけられる費用から許容単価を出す考え方と同じで、代行の場合は「有効商談」を分母にして計算します。見積もりの比べ方で迷ったら、条件表と成果の定義の作り方から相談いただければ、代行会社に渡す前の前提をそろえます。

代行会社は、担当者の固定と記録の残し方で比べる

代行会社を比べる軸は、実績の数字より、自社の案件を誰が何時間担当するか、通話と結果をどこにどう記録するか、スクリプトを何を根拠にどの頻度で直すかの3つです。提案面談でこの3つに具体的に答えられる会社なら、運用が始まった後も中身を確かめられます。

比べる軸面談で聞くこと答えが曖昧なときに起きること
担当者の体制担当者は専任か兼任か、途中で交代するときの引き継ぎ方数か月ごとに担当者が入れ替わり、商材の理解が毎回ゼロに戻る
記録の場所自社のCRMに直接入力できるか、代行会社のツールにだけ残るか解約すると通話の履歴が手元に残らない
通話の確認録音や録画を発注側が聞けるか、どの範囲まで共有されるか無効な商談の原因が、話し方かリストかを切り分けられない
改善の頻度と根拠スクリプトを何を見て、どの頻度で直すか数か月たっても初回と同じ台本のまま運用される
業界と商材の経験似た価格帯・検討期間の商材を担当した経験があるか商材の説明に時間がかかり、立ち上げが遅れる
再委託架電を別の会社や個人に再委託するか話している相手がどこの誰か、発注側が把握できない

業界の実績や「アポ獲得率」のような数字は、提案書に載っていても、どの商材でどう数えたかが分からなければ比較に使えません。面談では、自社と似た条件の案件で、最初の3か月に何が起きたかを具体的に話してもらいます。立ち上げ月の稼働の大半がリスト整備とスクリプトの調整に使われた、といった話が出てくる会社のほうが、運用の中身を把握しています。

小さく始める場合は、対象を1つの業種や1つのリードの種類に絞り、最低契約期間の範囲で試します。複数の業務を同時に任せると、成果が出たときも出なかったときも、どの業務の結果かを切り分けられません。

契約前に決める、リスト・トーク・通話記録の持ち主と引き継ぎ

代行の契約で後から困るのは、金額より、リストと通話記録とスクリプトの改善履歴が誰の持ち物か、どのCRMに記録するか、解約時に何を受け取れるかの3点です。どれも契約の段階でしか決められないため、見積もりの比較と同じ時期に業務仕様書に書き込みます。

リストの出所を分け、個人データの扱いを確認する

架電リストには、自社のCRMにあるリードを渡す場合と、代行会社が用意するリストを使う場合があります。自社のリードを渡すのは、個人情報保護法でいう個人データの取扱いの委託にあたり、委託元には委託先を監督する義務があります(法第25条)。委託した個人データは、委託された業務の範囲でしか使えません。

委託で渡した個人データを、代行会社が独自に持つリストと本人ごとに突き合わせることは、重複を除く目的でも認められないと個人情報保護委員会のQ&Aは示しています。代行会社のリストと自社のリードを合わせて使う場合は、突き合わせを誰がどこで行うかを契約前に確認します。

代行会社が用意するリストを使う場合は、どこから取得した情報か、他の発注者にも同じリストを使っているかを確認します。新規開拓の相手を絞る考え方は、アウトバウンドのリストを既存顧客の共通点から作る手順と同じで、代行会社任せにすると、商談化条件に合わない会社が大量に含まれます。

記録は自社のCRMに、自社の項目で残す

通話の結果を代行会社のツールにだけ残し、発注側には月次のレポートで要約を渡す、という運用は避けます。解約すると、どの会社に何回連絡し、何を理由に断られたかが手元から消えるためです。自社のCRMに代行会社用のアカウントを発行し、架電の結果、断りの理由、次に連絡する時期を、自社で決めた選択式の項目で入力してもらいます。記録項目が自社のものなら、内製に切り替えた後も同じ項目で集計を続けられます。

指示は代行会社の責任者を通す

業務委託で代行会社に任せた場合、代行会社の担当者に、発注側の社員がチャットで直接細かな作業指示を出し続ける運用は避けます。厚生労働省の「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」(昭和61年労働省告示第37号)では、業務の遂行方法の指示を受託側が自ら行うことが請負の要件とされ、発注側からの直接の指揮命令は偽装請負と判断されるおそれがあるためです。トークや対象の変更は、代行会社の責任者に伝え、週次の定例で決めます。

解約時に受け取るものを、納品物として書いておく

解約時に受け取るものは、契約書の納品物の一覧に書いておかないと手元に残りません。最低限、スクリプトの最新版と改訂の履歴、断りの理由の集計、通話録音のうち共有を受ける範囲、リストの最終状態(連絡済み・再連絡予定・対象外の区分)を入れます。範囲・成果・解約の条文の書き方は、マーケティング業務委託の契約で範囲と解約の条件を決める方法に沿って詰めます。

代行に任せても社内に残すのは、条件の決定と営業からの結果の返却

代行に任せても社内に残すのは、誰を狙い何を商談と呼ぶかの決定、営業が商談を受けて結果を返す運用、そして代行の結果を見て方針を変える判断です。電話をかける作業は外に出せても、この3つを外に出すと、代行会社は自社の営業が求める商談を学べません。

社内に残す作業は、具体的には次のとおりです。

  • 狙う業種・規模と、商談化条件・対象外条件の決定
  • 営業が商談を受ける枠の確保と、商談の判定の入力
  • 営業が戻したリードを、再び代行会社に渡す条件の決定
  • 週次の定例での、無効商談の理由とスクリプトの修正内容の確認
  • 顧客からの苦情や、「今後連絡しないでほしい」という申し出の受け付けと記録

このうち抜けやすいのが、営業から結果が返ってこない状態です。代行会社は、渡した商談がその後どうなったかを知らないまま、同じ基準で商談を作り続けます。社内でインサイドセールスを置いた場合と同じく、営業に渡した後の結果が戻ってこない状態は、代行でも成果が伸びない原因になります。営業部長の評価項目に、代行経由の商談の判定を期限内に入力することを入れておくと、判定の遅れが起きにくくなります。

インサイドセールス代行を使わないほうがよい条件

対応するリードが少ない、商談化の条件が決まっていない、営業に商談を受ける余力がない、の3つのどれかに当てはまるなら、代行は使わないか、使う前に社内の準備を先に済ませます。この状態で代行に出すと、費用を払って成果の出ない理由を外部に確かめてもらう形になります。

状態代行に出すと起きること代わりにやること
反響リードが少なく、新規リストも作れていない月額固定の稼働に対して、連絡する相手がすぐに尽きる営業かマーケが兼務で初回対応し、リードを増やす施策に予算を回す
商談化の条件を営業と合意していない代行会社の基準でアポが作られ、営業が無効と判断し続ける社内で条件を決め、数十件を自分たちで対応して基準を固める
営業に商談を受ける枠がない設定した商談の日程が先に延び、相手の関心が冷める営業の体制を先に整え、商談の受け入れ枠を決める
初回の会話に専門的な判断が要る商材代行の担当者が質問に答えられず、相手の評価が下がる初回の連絡から営業か技術担当が対応する
受注単価が低く、1有効商談あたりの総費用を回収できない商談は増えても、受注の粗利で代行費用を回収できないメールや自動化で初回対応を済ませ、人が話す相手を絞る

商談化の条件がまだない会社が代行に頼むと、代行会社は一般的なアポの基準で動くしかありません。3か月後に「商談が営業の求める質ではない」と分かった時点で、支払った費用の多くは、条件を決めるための試行に使われたことになります。社内で数十件に対応して、どんな相手が商談になり、どんな相手がならないかを営業と確認してから発注するほうが、代行会社との最初の打ち合わせから条件を渡せます。

内製への切り替えは、型が固まり対象件数が専任1名分を超えてから

代行から内製に切り替える時期は、商談化率が数か月安定し、スクリプトの分岐が固まり、対応すべき件数が専任1名の処理量を超えたときです。切り替えは一度に行わず、採用した担当者が代行会社の運用に同席する並走期間を置きます。

代行を使う目的は、立ち上げの型を外部の経験で早く作ることと、社内で人を採る前に商談化の条件を検証することの2つに分けられます。前者の目的なら、立ち上げ支援を含む契約を選び、最初から移管を前提にします。社内で立ち上げる場合の順番はインサイドセールスを置く前に満たす条件と最初の3ヶ月と同じで、代行はその順番の一部を外部の人手で進める形です。

切り替えを判断するときは、次の3つを確認します。

  • 有効商談の比率が、数か月続けて大きく動いていないか
  • スクリプトの改訂が、質問の追加ではなく言い回しの調整だけになっているか
  • 月に対応すべき件数が、社内で専任を置いても空き時間が出ない量か

3つがそろっていれば、社内の担当者を採用するか異動させ、代行会社の定例と通話の確認に同席させます。並走の期間は、社内の担当者が同じ項目でCRMに記録し、代行会社と同じ基準で商談を作れているかを、有効商談の比率で確かめます。記録が自社のCRMに自社の項目で残っていれば、切り替えた月から社内の数字と代行時代の数字を並べて比べられます。

反対に、有効商談の比率が安定しないまま代行をやめると、社内の担当者は基準の定まらない運用を引き継ぐことになります。代行を続けるか内製に移すかで迷ったら、代行時代の記録を並べて切り替えの時期を相談いただければ、残すデータと移管の順番を一緒に決めます。

まとめ

インサイドセールス代行の費用は、反響対応・架電・メール・商談設定・ナーチャリング・休眠リードの掘り起こし・立ち上げ支援のどれを頼むかと、月額固定・成果報酬・複合型のどれで払うかで決まります。課金形態の違いは空振りの費用を誰が持つかにあり、どの形でも成果は自社の営業が判定する有効商談で契約に書きます。

見積もりは同じ条件表で取り、社内の時間を足した1有効商談あたりの総費用で比べます。契約前には、リストの出所と個人データの扱い、自社のCRMへの記録、解約時に受け取るものを決め、条件の決定と営業からの結果の返却は社内に残します。リードが少ない、商談化の条件がない、営業に受ける余力がない会社は、代行を使う前に社内の準備を先に済ませます。

次にやることは、営業と商談化の条件を1枚にまとめ、任せたい業務と月の対象件数を書いた条件表を作ることです。

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よくある質問

インサイドセールス代行の費用相場はいくらですか?
1つの相場の数字では判断できません。公開されている相場は、リストやスクリプトの作成、担当者が専任か、CRMへの記録を含むかがそろっていないためです。任せたい業務、月の対象件数、商談化条件をまとめた条件表を2〜3社に渡し、社内の時間を足した1有効商談あたりの総費用で比べます。
インサイドセールス代行は成果報酬と固定報酬のどちらがよいですか?
件数が読めない反響対応やナーチャリングなら月額固定、リストが十分にあり成果の定義を発注側が決められるなら成果報酬が合います。成果報酬を選ぶ場合は、代行会社が数えるアポではなく、営業が判定する有効商談を成果の単位にします。
インサイドセールス代行とテレアポ代行は何が違いますか?
成果を数える地点が違います。テレアポ代行は日程の約束を成果とし、インサイドセールス代行は相手の状況を聞いて商談化の条件に合う相手だけを営業に渡し、合わない相手は時期を改めて連絡する対象として記録します。
インサイドセールスの立ち上げを業務委託で任せることはできますか?
スクリプト、KPI、CRMの記録項目の作成から運用開始までを任せる立ち上げ支援の契約があります。任せる場合も、商談化の条件は社内の営業と決め、スクリプトと記録項目は納品物として受け取り、移管の時期を契約の段階で決めておきます。
代行会社が持っているリストを使ってもよいですか?
取得元と、他の発注者にも同じリストを使っているかを確認したうえで使います。自社のリードを委託で渡した場合、代行会社はそのデータを自社で持つリストと本人ごとに突き合わせられないため、重複の除き方を契約前に決めておきます。

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