展示会から戻ると、段ボールに入った名刺と主催者から届く来場者データ、営業それぞれのメモが手元に残ります。これをHubSpotに入れようとした段階で、どの展示会で会った人かを残す欄がない、既存顧客の役職が名刺の表記で書き換わる、配信してよい相手かどうか分からない、といった問題が一度に出てきます。お礼メールが3日後になり、営業への引き渡しが1週間後になるのは、多くの場合この取り込みの段階で止まっているからです。
展示会の名刺の取り込みは、会期が終わってから考える作業ではありません。出典・温度感・配信の同意を記録するプロパティとインポート用のテンプレートを会期前に用意しておけば、取り込みは翌営業日の午前中に終わり、お礼メールと営業への引き渡しをその日のうちに始められます。
すでにHubSpotを使っていて、展示会のたびに名刺の処理が担当者の手作業になっている会社なら、どこまでHubSpotに入れるかは、名刺の枚数、既存顧客がどれだけ混ざるか、配信の同意を確認できるかの3つで判断できます。枚数が少なく既存の取引先が中心の展示会なら、全件は取り込まないで営業の個別対応に任せるほうが合う場合もあります。
目次
会期前にHubSpot側で用意する4つの受け皿
会期前に作っておくのは、展示会名を残すプロパティ、温度感の区分、配信の同意の区分、インポート用のテンプレートの4つです。会期後に作り始めると、名刺のデータ化と並行して項目の定義を決めることになり、取り込みが数日遅れます。
HubSpotの設定を触れる担当者が、出展の2週間ほど前に営業責任者と30分の打ち合わせを持つ場面を想定してください。そこで決めるのは、ブースで何を聞いて何を記録するか、その記録をHubSpotのどの項目に入れるかです。ブースでの聞き方そのものはブースの声かけと、名刺に残らない情報を1行で残す方法で決めておき、HubSpot側はその記録を受け取れる形にしておきます。
展示会名と取得経路を残すプロパティ
インポートで作られたコンタクトは、HubSpotが自動で付けるレコードソースのプロパティに「インポート」と記録され、詳細にはインポート名が入ります。ただし、インポート名は担当者がその都度付ける文字列なので、展示会ごとの集計やセグメントの条件には使いにくい値です。展示会名は自社で作るプロパティで持ちます。
展示会名のプロパティは、複数チェックボックスの型で「接触した展示会」として作るのが扱いやすい形です。同じ人が春と秋の展示会の両方に来た場合、単一のドロップダウンでは後から取り込んだ展示会名で前の値が消えます。HubSpotのインポートは、複数チェックボックスの値の先頭にセミコロンを付けると既存の値に追加する仕様なので、「;2026-10_製造業DX展」のように書けば過去の展示会名を残したまま追記できます。選択肢の値は「年-月_展示会名」の形で統一しておくと、並べたときに時系列で読めます。
取得経路は、ブースで名刺交換した人、ブース内のミニセミナーを聞いた人、主催者のバーコード読み取りだけの人を分ける項目です。同じ展示会の名刺でも、ミニセミナーを最後まで聞いた人とバーコードを読み取っただけの人では、翌日に電話をかけるかどうかの判断が変わります。
温度感の区分は、次の行動が変わる単位で切る
温度感は「A:商談の打診あり」「B:課題を具体的に話した」「C:情報収集」「D:対象外(競合・学生・営業目的など)」の4区分程度にします。5段階評価や100点満点のスコアにすると、ブースに立った人ごとに付け方がずれ、区分ごとに次の行動を変える運用が成り立ちません。区分の数は、会期後にやることの種類の数に合わせます。温度感をどう分類するかの考え方は展示会リードのフォロー設計と共通で、HubSpotでは単一のドロップダウンとして「展示会温度感」を作ります。
配信の同意の区分
配信の同意は、HubSpotの購読状態とは別に「配信同意の確認方法」というドロップダウンで持っておくと、あとから確認できます。選択肢は「アンケートで同意」「名刺交換のみ」「主催者データ(規約で出展者への提供に同意)」「不明」のように、どうやって確認したかで分けます。同意の確認の考え方は後のセクションで書きます。
インポート用のテンプレートを列名ごと作っておく
テンプレートはExcelかCSVで、1行目の列名をHubSpotのプロパティ名と同じにしておきます。HubSpotのインポートは列名とプロパティを対応付ける画面を通りますが、列名が一致していれば自動で対応付けられ、確認だけで済みます。名刺管理ツールや主催者データから出力したファイルは列名がそれぞれ違うため、テンプレートに貼り付け直す手順を挟みます。
| 列名(プロパティ) | 型 | 入れる値の例 | 決めておくこと |
|---|---|---|---|
| メール | 標準 | 名刺のアドレス | 重複判定に使う。空欄の行は別ファイルに分ける |
| 姓・名・会社名・役職 | 標準 | 名刺の表記 | 既存顧客の値を上書きするかどうか |
| 接触した展示会 | 複数チェックボックス | ;2026-10_製造業DX展 | 選択肢を会期前に追加しておく |
| 取得経路 | ドロップダウン | ブース名刺交換/ミニセミナー/主催者データ | 主催者データの扱い |
| 展示会温度感 | ドロップダウン | A/B/C/D | 付けるのは誰か(ブースに立った本人) |
| 配信同意の確認方法 | ドロップダウン | アンケートで同意/名刺交換のみ/不明 | 社内で配信対象とする区分 |
| 展示会メモ | 複数行テキスト | 来期の予算化を検討中。現行は紙の日報 | 1行で書く。長文は営業の活動記録へ |
プロパティを増やしすぎると、次の展示会で誰も入力しなくなります。展示会のためだけに作る項目は上の表の範囲にとどめ、作る基準はHubSpotプロパティの作成基準に合わせます。
名刺をデータにする手段は、枚数と翌営業日までの時間で選ぶ
名刺のデータ化の手段は、主催者のリード提供データ、名刺管理ツールとの連携、HubSpotモバイルアプリの名刺スキャン、手入力の4つです。どれが優れているかではなく、枚数と、翌営業日の午前中にデータがそろうかで選びます。
主催者が来場者バッジのバーコードを読み取る仕組みを用意している展示会では、会期後に来場者データがファイルで届きます。項目が統一されていて手入力が要らない反面、届くまでに日数がかかる場合があり、ブースでの会話の内容は入っていません。温度感とメモは、ブース側で別に記録して後から結合する必要があります。
名刺管理ツールをすでに全社で使っていて、HubSpotとの連携を設定済みなら、会期中にスキャンした名刺がそのままHubSpotに入ります。この場合は、連携で作られたコンタクトに展示会名や温度感をどう付けるかを先に決めておきます。連携の設定によっては、展示会の名刺と日常の商談で受け取った名刺が区別なく同じ経路で入ってくるためです。名刺管理ツールを展示会のためだけに新しく契約するかどうかは、年に何回出展するかと、展示会以外で名刺を使う場面の多さで判断します。
HubSpotのモバイルアプリには名刺スキャンの機能があり、撮影した名刺からメール、氏名、役職、電話番号、Webサイト、住所などを読み取ってコンタクトを作れます。読み取った値は保存前に確認・修正する画面を通ります。公式ヘルプではAndroidとiOS 16以上で使え、iPadには対応していないとされています。ブースで名刺交換の直後に1枚ずつ登録できるので、数十枚程度の展示会で、ブースに立つ人がHubSpotのユーザーであれば、会期後のデータ化の作業がほぼなくなります。
手入力は、枚数が少ない場合と、ほかの手段で読み取れなかった名刺の補完に使います。手書きの追記がある名刺や、メールアドレスが載っていない名刺は、どの手段でも最後は人が見て入力することになります。
| 手段 | 向く条件 | 向かない条件 | 別に用意するもの |
|---|---|---|---|
| 主催者のリード提供データ | 来場者の多い大型展示会で、バーコード読み取りが中心 | 翌営業日にお礼メールを送りたいのに、データの到着日が読めない | 温度感とメモを記録する別シート |
| 名刺管理ツールとの連携 | 全社で導入済みで、HubSpot連携の設定が済んでいる | 展示会のためだけに新規契約する | 展示会名・温度感を後から付ける手順 |
| HubSpotモバイルアプリの名刺スキャン | 数十枚程度で、ブース担当者がHubSpotユーザー | 数百枚をブースの混雑時間に処理する | スキャン後にプロパティを入力する手順 |
| 手入力 | 枚数が少ない、読み取れなかった名刺の補完 | 数百枚を翌営業日までに処理する | テンプレートと入力担当者 |
複数の手段を組み合わせる展示会では、最終的にすべての行を同じテンプレートにそろえてから取り込みます。主催者データを受け取ったあとでブースのメモと結合する場合、結合のキーはメールアドレスにします。氏名と会社名で結合すると、表記の違いで結合されない行が出ます。
展示会以外の名刺も日々HubSpotに入れたい場合は、Sansan・EightとHubSpotを常時つなぐ方法を比べ、同期の範囲とマーケティングコンタクトの設定を決めてからつなぎます。
既存顧客と商談中の相手を分けてからインポートする
展示会の名刺には、既存顧客、商談中の相手、過去に失注した相手が必ず混ざります。取り込む前にHubSpotの既存データと突き合わせ、新規と既存でファイルを分けてインポートすると、既存レコードの値を壊さず、既存顧客にお礼メールを誤送信することも防げます。
取り込む前に既存データと突き合わせる
突き合わせは、HubSpotのコンタクトをメールアドレス、ライフサイクルステージ、コンタクト担当者、関連する取引の有無の列でエクスポートし、名刺のファイルとメールアドレスで照合します。照合の結果は、テンプレートに「区分」の列を作って「新規」「既存(顧客)」「既存(商談中)」「既存(その他)」と書き込みます。この列はHubSpotには取り込まず、ファイルを分けるためだけに使います。会社名の表記ゆれや、同じ人が別のアドレスで登録されている重複の整理まで展示会の後に始めると取り込みが止まるので、会期後はメールアドレスの一致だけを見ます。名寄せをどこまでやるかはリードの名寄せと重複管理の範囲の決め方に沿って、平時に進めます。
既存(商談中)に入った人は、取り込みより先に担当営業へ連絡します。展示会で既存の商談相手と会ったことを営業が知らないまま、マーケティングからお礼メールと資料案内が届くと、商談中の相手には手違いに見えます。
インポート画面で決めること
HubSpotのインポートでは、メールアドレス(またはレコードID)を重複判定のキーとして既存のコンタクトを更新します。インポートの方法は「作成と更新」「新規作成のみ」「既存の更新のみ」の3つから選べます。ファイル形式はCSV、XLSX、XLSで、シートは1つだけにします。これらの仕様は変更されることがあるので、インポートの前に公式ヘルプの「インポートファイルの形式」を確認してください。
新規のファイルは「新規作成のみ」で取り込みます。このときインポート画面の「このインポートからコンタクトのセグメントを作成」にチェックを入れておくと、取り込んだ人だけのリストができ、お礼メールの送信先にそのまま使えます。インポート名は「2026-10_製造業DX展_新規_同意あり」のように、展示会名とファイルの区分が分かる名前にします。インポート名はレコードソースの詳細に残るので、後から誰がどのファイルで入ったかを追えます。
既存のファイルは「既存の更新のみ」で取り込み、姓・名・会社名・役職の列は対応付けの画面で「上書きしない」にチェックを入れるか、列ごとファイルから外します。公式ヘルプでは、「上書きしない」は一度も値が入ったことのないプロパティだけを更新する動作とされています。既存顧客の会社名が正式名称で登録されているところに、名刺の略称が上書きされるのを防げます。既存のファイルで更新するのは、接触した展示会、取得経路、展示会温度感、展示会メモの4列だけにします。
インポートの最後に、取り込むコンタクトが自社からの連絡を想定している相手であることへの同意を求めるチェックがあります。購入したリストの取り込みはHubSpotの利用規約上認められていません。主催者から受け取ったデータを取り込む場合も、来場者が主催者の規約で何に同意しているかを確認してから取り込みます。
インポート後に確認すること
インポートが終わったら、インポートの一覧画面でエラーの行数を確認します。エラーになりやすいのは、ドロップダウンの値が選択肢と一致しない行と、日付の形式が崩れている行です。ドロップダウンの値は、選択肢のラベルか内部値のどちらかと一致している必要があります。展示会温度感の「A」を全角で入力した行は取り込まれません。
取り込んだコンタクトの一覧を、接触した展示会で絞り込み、件数が名刺の枚数と合うかを見ます。合わない場合は、メールアドレスのない名刺か、既存のファイルに振り分けた名刺の数を差し引いて確認します。初めてこの手順で取り込む場合は、10件程度のテストファイルで一度取り込み、値の入り方を確認してから本番のファイルを入れます。テストの手順とワークフローへの影響の確認は、HubSpot初期設定のインポートの節と同じ手順です。
取り込んだ名刺は、インポートした名刺から静的セグメントを作る方法で展示会ごとにまとめておくと、あとで商談化をレポートで比べられます。
配信の同意は取り込む前に確かめ、確認方法をプロパティに残す
展示会の名刺を取り込んだ人すべてにメールマガジンを送ってよいわけではありません。同意をどう確認したかをインポートの時点で区分し、配信対象にする人だけをマーケティングコンタクトに設定します。
特定電子メール法では、広告宣伝のメールは原則として事前の同意を得た相手に送ることになっています。例外として、名刺などの書面で自分のメールアドレスを通知した相手への送信が認められていますが、その範囲には解釈の幅があります。名刺交換だけの相手に、展示会と関係のない商材の案内を毎週送り続けることが例外の範囲に入るかどうかは、社内の法務や顧問弁護士と確認しておく事項です。配信停止を申し出た人に送らないこと、メールに送信者名と配信停止の方法を表示することは、同意の取り方にかかわらず必要です。
確実なのは、ブースのアンケートに「今後、製品やセミナーの案内をメールでお送りしてよいか」の項目を設け、チェックした人を「アンケートで同意」として記録する方法です。紙のアンケートでもタブレットのフォームでも、同意の文面と取得した日付を残しておきます。主催者データの場合は、来場登録の規約に出展者への情報提供と出展者からの連絡についての記載があるかを確認し、その記載を根拠にする場合は「主催者データ(規約で出展者への提供に同意)」と記録します。
HubSpotのマーケティングコンタクトの設定は、配信対象を決める操作であると同時に、契約上の課金対象を決める操作です。インポート画面で「マーケティングコンタクトとして設定」を選ぶと、そのファイルの全員がまとめて設定されます。同意ありの新規と同意未確認の新規でファイルを分けるのはこのためで、同意未確認のファイルはマーケティングコンタクトに設定せずに取り込みます。同意未確認の人は、営業が個別に連絡して反応があった時点で、個別にマーケティングコンタクトへ切り替えます。公式ヘルプでは、非マーケティングからマーケティングへの切り替えは即時に反映されるとされています。
過去に自分で配信停止を選んだ人が展示会で名刺を渡してくれても、インポートや一括操作でその購読を戻すことはできません。本人が改めて同意した場合も、コンタクトのレコードから個別に再購読の操作を行い、同意の根拠を記録します。
同意が確認できない名刺は、同意がない名刺を非マーケティングで保存する判断をすれば、名簿を捨てずに請求の件数だけを抑えられます。
お礼メールは翌営業日に、温度感で送り方を分ける
お礼メールは会期当日の夜から翌営業日の午前に送ります。温度感AとBは営業の個人メールで送り、Cはマーケティングメールでまとめて送り、既存顧客と商談中の相手には送りません。
温度感Aの人には、ブースで話した営業本人が、会話の内容に触れた個別のメールを送ります。「先日お話しした紙の日報の件、他社でどう切り替えたかの資料をお送りします」のように、定型文ではなく相手の状況を1文入れます。HubSpotの受信トレイ連携やセールス拡張機能を設定していれば、Gmail・Outlookから送ったメールもコンタクトの活動記録に残るので、マーケティング側は誰に連絡済みかをHubSpotで確認できます。
温度感Cの人には、マーケティングメールをインポートで作ったセグメントに送ります。送信先は「接触した展示会が今回の展示会名」かつ「展示会温度感がC」、除外は「区分が既存」のセグメントと、温度感AとBです。マーケティングメールは非マーケティングコンタクトには送れないため、同意未確認で取り込んだ人は自動的に送信先から外れます。差出人は会社名だけでなく、ブースにいた担当者の名前にします。本文は来場へのお礼、ブースで紹介した資料やデモ動画へのリンク、問い合わせ先の3つに絞り、製品の機能説明を並べません。送信前の設定と見る数字はHubSpotマーケティングメールの配信設定と同じです。
温度感Dの人には送りません。競合他社、学生、営業目的の来訪者をまとめてマーケティングコンタクトにすると、課金対象が増えるだけでなく、開封率やクリック率の数字も実態より下がります。
ワークフローでインポート直後にお礼メールを自動送信する設定もできますが、初回の展示会では勧めません。区分や同意の列に入力の誤りがあったとき、自動送信では誤った相手に送信されてから気づくことになります。手動で送信先の件数を確認してから送る運用を2回ほど続け、テンプレートと入力のルールが安定してから自動化を検討します。
営業にすぐ渡す人とナーチャリングに入れる人を、温度感で分ける
温度感Aは翌営業日中に担当営業を割り当て、Bはインサイドセールスの電話、Cはナーチャリングのメールに回します。どの区分を誰がいつまでに対応するかは、会期前に営業と合意しておきます。
| 区分 | 渡し先 | HubSpotでの操作 | 対応期限の例 |
|---|---|---|---|
| A:商談の打診あり | ブースで話した営業 | コンタクト担当者を設定し、タスクを作成 | 翌営業日中に日程調整の連絡 |
| B:課題を具体的に話した | インサイドセールス | 担当者を割り当て、架電タスクを作成 | 3営業日以内に電話 |
| C:情報収集 | マーケティング | ナーチャリングのリストに追加 | お礼メール後、月1〜2通の配信 |
| D:対象外 | なし | 非マーケティングのまま保存、または取り込まない | 対応しない |
| 既存(商談中) | 担当営業 | 活動記録に展示会での接触を残す | 取り込み前に営業へ連絡 |
対応期限は例であり、自社の営業の人数と展示会の名刺の枚数で決めます。Aの人数が営業1人あたり10件を超えるような展示会では、翌営業日中の連絡は現実的ではないので、Aの中でも日程調整を先に行う人を営業が選びます。担当者を決めるルールと、期限を過ぎたときの再割り当てはリードの割り当てルールと同じ仕組みで組めます。
温度感Aの人をマーケティングの判断でMQLやSQLに進めるかどうかは、平時のライフサイクルステージの定義に合わせます。展示会の名刺だからといって一律にMQLにすると、営業が通常の問い合わせと同じ優先度で対応しようとして、ほかのリードの対応が遅れます。ステージの自動更新の組み方はHubSpotのMQL設定に合わせます。
温度感Cのナーチャリングは、ワークフローで配信を自動化するならMarketing Hub Professional以上が前提です。公式ヘルプでは、Starterはフォームなどのトリガーごとに作る簡易的なワークフローに限られ、アクションの数にも上限があります。Starterで運用する場合は、展示会ごとのセグメントに月1〜2回、手動でマーケティングメールを送るだけでも、半年後に商談になった人を追えます。
展示会の名刺をどこまでHubSpotに入れて、どこから営業の個別対応に任せるか迷う場合は、展示会の取り込みと引き渡しのルールを一緒に決める相談も受け付けています。
キャンペーンとマーケティングイベントで束ね、展示会ごとに成果を比べる
展示会ごとの成果を比べるには、来場案内からお礼メール、取り込んだセグメントまでを1つのキャンペーンに関連付けます。キャンペーン機能のないプランでは、接触した展示会のプロパティで取引を絞り込むレポートで代わりにします。
HubSpotのキャンペーン機能には、マーケティングメール、コンタクトのセグメント、マーケティングイベント、ワークフロー、日程調整ページなどを関連付けられます。展示会の場合は、事前の来場案内メール、インポートで作ったセグメント、お礼メール、ナーチャリングのワークフローを同じキャンペーンに入れます。キャンペーンに関連付けた後のデータだけが成果に入るため、キャンペーンは来場案内メールを送る前に作ります。キャンペーンの切り方と命名、影響を受けた取引の読み方はHubSpotのキャンペーン機能の使い方で決めた規則に合わせます。
マーケティングイベントは、展示会そのものをHubSpot上の1件の記録として作る機能です。展示会をマーケティングイベントとして手動で作成し、名刺を取り込んだ人を「参加」として登録すると、コンタクトのレコードに展示会への参加が残り、「マーケティングイベントに参加した」という条件でセグメントも作れます。公式ヘルプでは、イベント参加者のインポートはMarketing Hub Starter以上で使える機能とされ、ファイルにはメールアドレスと参加・登録・キャンセルの列が必要です。接触した展示会のプロパティと役割が重なるため、キャンペーン機能を使っていない会社は、プロパティだけで運用しても集計には困りません。
キャンペーン機能はMarketing Hub ProfessionalとEnterpriseの機能です。Starter以下で運用する場合は、取引のレポートを作り、関連するコンタクトの「接触した展示会」で絞り込めば、展示会ごとに何件の取引が作られ、いくら受注したかを確認できます。展示会の費用と受注を突き合わせて次回の出展を判断するのは半年後になるので、会期直後、1か月後、半年後に何を見るかは展示会の振り返りと効果測定の3つの時点に合わせます。
展示会ごとの成果を比べられるかどうかは、会期後のレポート作成ではなく、取り込みの時点で接触した展示会の値が全員に入っているかで決まります。値が入っていないコンタクトは、後からどの展示会で会ったかを復元できません。
名刺をすべてHubSpotに入れなくてよい場合
枚数が少なく既存の取引先が中心の展示会、配信の同意を確認できない主催者データ、営業個人の人脈として続けたい相手は、全件を取り込まない判断があります。取り込まない名刺も、どの展示会で誰と会ったかだけは営業の活動記録に残します。
業界団体の小規模な展示会で、名刺の大半が既存の取引先という場合、新規と既存を分けるための照合とファイル分割の作業のほうが、新規の数件に対応する作業より大きくなります。この場合は、新規の数件だけを手入力で登録し、既存の取引先との接触は担当営業がコンタクトの活動記録にメモとして残せば足ります。
主催者から受け取った来場者データのうち、自社のブースに立ち寄っていない人まで含むリストを受け取った場合、同意の根拠が確認できないならマーケティングコンタクトには設定しません。取り込むかどうか自体も、主催者の規約と社内の方針で判断します。バーコードを読み取っただけで会話をしていない人に、展示会のお礼として一律にメールを送ると、相手にはどこで接点があったのか分からないメールになります。
営業が個人的な関係で名刺を交換した相手で、マーケティングメールを送ると関係が崩れると営業が判断する相手もいます。その相手はコンタクトとして登録しても非マーケティングのままにし、コンタクト担当者を営業本人にしておけば、マーケティング側の配信から外れたまま、HubSpot上で接点の記録だけを残せます。
名刺の枚数が毎回数百枚を超え、取り込み作業のために毎回担当者の1日が消えている場合は、テンプレートと取り込みの手順を一度整えれば、次の展示会からは作業時間が短くなります。自社の展示会の規模に合わせた手順づくりを外部に頼みたい場合は、相談フォームから現状の枚数と使っているツールを教えてください。
まとめ
展示会の名刺をHubSpotに取り込む作業が遅れる原因の多くは、会期後に項目の定義と振り分けを決め始めることにあります。接触した展示会、取得経路、温度感、配信同意の確認方法の4つを会期前にプロパティとして作り、列名をそろえたテンプレートを用意しておけば、取り込みは翌営業日の午前中に終わります。
取り込みは、既存データとメールアドレスで照合したうえで、新規の同意あり、新規の同意未確認、既存の更新のみに分けて行います。マーケティングコンタクトに設定するのは同意を確認できた人だけにし、既存顧客の氏名や会社名は名刺の表記で上書きしません。お礼メールは温度感AとBを営業の個人メール、Cをマーケティングメールで送り、キャンペーンか接触した展示会のプロパティで展示会ごとの取引を追います。
次の出展が決まっているなら、HubSpotで接触した展示会と展示会温度感の2つのプロパティを作り、ブースに立つ営業と温度感の区分の意味を合わせるところから始めてください。
無料相談
展示会の名刺を、翌営業日に営業へ渡せる状態にします
「名刺の取り込みに毎回数日かかる」「既存顧客にお礼メールを送ってしまった」「どの展示会から受注が出たか答えられない」。Ampelは外部CMOとして、出展の頻度と名刺の枚数、使っているHubSpotのプランと名刺のデータ化の手段を確認し、プロパティとインポートのテンプレート、温度感ごとの引き渡しのルールを担当者の方と一緒に決めます。
よくある質問
- HubSpotに名刺を取り込むとき、重複はどう判定されますか?
- コンタクトはメールアドレス(またはレコードID)で既存のレコードと照合され、一致すれば新規作成ではなく更新になります。メールアドレスのない名刺は照合できないため、同じ人が別のレコードとして作られることがあります。メールアドレスのない行は別ファイルに分け、手作業で既存のレコードを検索してから登録します。
- 展示会で交換した名刺の相手にメールマガジンを送ってもよいですか?
- 名刺で自分のメールアドレスを通知した相手への送信は、特定電子メール法の同意取得の例外とされていますが、送ってよい内容と期間の範囲には解釈の幅があります。ブースのアンケートで配信の同意を取り、その確認方法をHubSpotのプロパティに残しておくと、後から配信対象を判断できます。配信停止の申し出があった相手には送りません。
- インポートした名刺はすべてマーケティングコンタクトにするべきですか?
- 配信の同意を確認できた人だけをマーケティングコンタクトにします。マーケティングコンタクトは課金の対象になり、非マーケティングへ戻しても課金への反映は次の更新日になります。同意が確認できない人は非マーケティングのまま取り込み、営業が連絡して反応があった時点で切り替えます。
- HubSpotのモバイルアプリで名刺をスキャンできますか?
- できます。公式ヘルプでは、AndroidとiOS 16以上の端末で名刺を撮影し、読み取った氏名やメールアドレスなどを確認してからコンタクトとして保存できるとされています。iPadには対応していません。展示会名や温度感は、スキャン後にコンタクトのプロパティとして入力します。
- 展示会のお礼メールはいつまでに送ればよいですか?
- 会期当日の夜から翌営業日の午前が目安です。来場者は同じ日に多くのブースを回っているため、日が空くほど自社のブースで話した内容を思い出してもらいにくくなります。翌営業日に送れるかどうかは、取り込みのテンプレートと送信先のセグメントを会期前に作っておけるかで決まります。