HubSpotとSalesforceの連携設定|SFAはそのままMAをHubSpotにするときの同期ルールと運用

Salesforceで商談と顧客を管理している会社が、メール配信やフォームのためにHubSpotを入れると、最初の数週間で似た相談が出てきます。営業が直した電話番号がHubSpotの古い値で上書きされた。展示会で集めた名刺がすべてSalesforceのリードになり、営業の未対応リストが埋まった。営業からは「HubSpotの情報をどこで見ればいいのか分からない」と言われる。どれもコネクタの不具合ではなく、接続したあとに決めることを決めないまま同期を始めたことが原因です。

SFAをSalesforceのまま残し、HubSpotをMAとして使うなら、項目ごとに値が生まれる側を決めて同期ルールに写し、Salesforceに渡すコンタクトを同期対象リストで絞ってから同期を始めると、上書きと重複の問題の大半は起きません。インストールの操作は数画面で終わり、時間をかけるべきなのはその前後の設計です。

Salesforceの運用はすでに固まっていて、MAだけをHubSpotに任せる段階なら、連携がうまくいくかどうかは、どの項目をどちらの値で正とするかと、どのコンタクトを営業に渡すかの2つで判断できます。営業がHubSpotを開く予定がないなら専用の表示画面を入れずに数項目の同期だけで済ませる判断も、併用そのものをやめてどちらかに寄せる判断もあり得ます。

SFAはSalesforce、MAはHubSpotという併用で、連携が受け持つこと

HubSpotのSalesforce連携とは、HubSpotのコンタクト・会社・取引と、Salesforceのリード・取引先責任者・取引先・商談を、項目ごとに決めたルールで自動同期する公式アプリのことです。受け持つのはデータの受け渡しだけで、どちらで何を管理するかは導入する側が決めます。

よくある役割分担は、HubSpotがフォーム、メール配信、Web上の行動、スコア、MQLの判定を持ち、Salesforceがリードの対応状況、取引先、商談を持つ形です。連携を通る流れは、育てた見込み客を営業に渡す流れと、商談の結果をマーケティングに返す流れの2本です。

2本目の流れが切れていると、マーケティング責任者が月次の会議で「先月のMQLのうち何件が商談になったか」を出そうとしたときに数字が出ません。商談はSalesforceにあり、MQLになった日はHubSpotにあるためです。HubSpotで見たいレポートと、Salesforceで営業が見たい情報を先に書き出すと、同期する項目の候補が決まります。

Salesforce連携の設定は、HubSpot連携で同期の向きと正のデータを決める手順を設定画面の選択肢に落とす作業です。これからどちらか一方を選ぶ段階なら、併用の設定より先にHubSpotとSalesforceのどちらを選ぶかを決めたほうが、費用も運用も軽くなります。

接続の前に確認する前提条件:Salesforceのエディション、API権限、HubSpotのプラン

前提条件は、HubSpotがProfessional以上であること、SalesforceがAPIを使えるエディションであること、接続するSalesforceユーザーがシステム管理者で必要な権限を持っていることの3つです。HubSpotの管理者だけでは確認できない項目が多いため、Salesforceの管理者と一緒に表を埋めます。

確認する項目公式ヘルプに書かれている条件確認する人
HubSpotのプランMarketing Hub、Sales Hub、Service Hub、Data Hub、Content Hub、Smart CRMのいずれかがProfessionalまたはEnterpriseHubSpot管理者
HubSpotのユーザー権限アカウントアクセス権限を持つユーザーが接続するHubSpot管理者
SalesforceのエディションAPIアクセスのあるエディション、またはSalesforce Professional。Group Editionは対象外Salesforce管理者
接続するSalesforceユーザーシステム管理者であることSalesforce管理者
プロファイルの権限API Enabled、View Setup and Configuration、同期するオブジェクトへのModify All、Download AppExchange PackagesSalesforce管理者
HubSpot Embedや取引の同期を使う場合Modify Metadata、Customize ApplicationSalesforce管理者
接続できる数HubSpotアカウント1つにつき、Salesforce環境は1つ両方の管理者

HubSpotがStarterのままであれば、Salesforce連携は使えません。この場合は連携の設計より先に、StarterとProfessionalの違いを見て、Professionalに上げる費用が併用の目的に見合うかを判断します。

表にない確認事項として、どのSalesforceユーザーで接続するかも決めます。特定の社員のアカウントで接続すると、その人の退職でユーザーを無効にしたときに同期が止まるため、連携専用のユーザーを用意できるかをSalesforce管理者と相談します。IPアドレスによるログイン制限があると接続できない場合がある点も、公式ヘルプに書かれています。

インストールの流れと、接続しただけでは同期が始まらない理由

インストールは、HubSpotのマーケットプレイスでSalesforceアプリを選び、Salesforceにログインしてパッケージを入れる操作です。接続しただけでは既存のレコードは同期されないため、設定を決めてから少数のレコードで試す順番にします。

  1. HubSpotのマーケットプレイスで「Salesforce」を検索し、アプリを選んでインストールをクリックします。
  2. Salesforceのsandboxに接続する場合は、その旨を選ぶ画面で指定します。
  3. Salesforceのシステム管理者ユーザーでログインし、HubSpotのパッケージのインストールとアクセスの許可を進めます。
  4. HubSpotに戻り、設定の[連携]>[接続されたアプリ]>[Salesforce]を開くと、「データ同期」タブと「同期の健全性」タブで以降の設定ができます。

公式ヘルプには、インストールと設定を終えただけではレコードは自動で同期されないと書かれています。Salesforceにある既存のリードと取引先責任者はインポートでHubSpotに取り込み、HubSpot側のコンタクトは同期のきっかけ(フォーム送信、プロパティの更新など)があったときに、同期対象リストの条件を満たす人から送られます。インポートの時点で同期されるのはメールアドレスだけで、ほかの項目は続けて行われる同期で埋まります。

そのため、接続後すぐに全件を取り込まず、同期ルール、作成先(リードか取引先責任者か)、同期対象リスト、マーケティングコンタクトの扱いを決め、社内メンバー数名分のレコードで作成・更新・削除を試してから対象を広げます。

Salesforceから同期されたコンタクトは、初期設定ではマーケティング対象外のコンタクトとして作られます。メールを送る相手として扱うには設定の[連携]>[マーケティングコンタクト]でSalesforceをオンにしますが、反映されるのはオンにしたあとに作られたコンタクトだけです。

同期するオブジェクトの対応と、削除が片方向になる点

対応はコンタクトとリードまたは取引先責任者、会社と取引先、取引と商談、アクティビティとToDoの4組です。作成と削除の向きがオブジェクトごとに違うため、表で確認してから同期を有効にします。

HubSpotとSalesforceの同期の対応 HubSpot Salesforce コンタクト リード 取引先責任者 双方向 HubSpot→Salesforceは同期対象リストで絞る 会社 取引先 双方向 会社の同期をオンにしてから取引先を取り込む 取引 商談 双方向 同期するパイプラインの取引が商談になる アクティビティ ToDo・行動 主にHS→SF コンタクトの同期後に起きた分だけ送られる 削除は片方向(取引は商談の削除だけが連動)
図1:HubSpotとSalesforceで同期されるオブジェクトの対応と向き
HubSpotSalesforce作成の向き削除の扱い
コンタクトリード/取引先責任者HubSpotからは同期対象リストの条件を満たした人が、選んだほう(リードか取引先責任者)で作られるSalesforceでの削除に連動させるかは選べる。HubSpotで削除してもSalesforce側は残る
会社取引先同期をオンにすると、新しい取引先がHubSpotの会社になる。逆は関連コンタクトが条件を満たすときだけ同期をオンにする前に取り込んだ取引先は会社にならない
取引商談双方向。同期するパイプラインの取引が商談として作られるSalesforceで商談を削除するとHubSpotの取引も削除される。HubSpotで取引を削除してもSalesforceの商談は残る
アクティビティToDoなどフォーム送信やメール開封などは片方向。ToDo・通話・ミーティングなどは双方向にできるコンタクトの同期前の分は送られない

削除の向きは運用ルールに直結します。営業が見込みのなくなった商談を削除するとHubSpotの取引も消え、マーケティング側の商談化の件数が減って見えます。商談は削除せず失注に移す、というルールを営業と合意しておきます。

取引の同期を有効にすると、HubSpot側に「Salesforce – [レコードタイプID]」という名前のパイプラインが作られます。ステージはSalesforce側で管理し続けるため、HubSpot側でステージを一から設計し直す作業は要りません。会社の同期を先に有効にしておかないと、取引と会社の関連付けは作られません。

項目ごとの同期ルールは、その値が生まれる側で決める

同期ルールは「空白でない限りSalesforceを優先」「常にSalesforceを使用」「双方向」「同期しない」の4つから項目ごとに選びます。営業が入力する項目はSalesforceの値、Webの行動から生まれる項目はHubSpotの値が残るように選ぶと、上書きの事故は起きません。

同期ルールHubSpotからSalesforceへSalesforceからHubSpotへ値を消したとき
空白でない限りSalesforceを優先Salesforceが空欄のときだけ渡すSalesforceに値があれば上書きするSalesforceで消すとHubSpotでも消える
常にSalesforceを使用Salesforceが空欄でも渡さないSalesforceに値があれば上書きするSalesforceで消すとHubSpotでも消える
双方向新しい値で上書きする新しい値で上書きするどちらで消しても両方で消える
同期しない渡さない渡さない連動しない

選ぶ基準は、値が最初にどこで生まれ、その後誰が直すかです。フォームで入った電話番号を営業が商談で直すなら、「空白でない限りSalesforceを優先」で最初はフォームの値が入り、直したあとは営業の値が残ります。

項目の例値が生まれる場所と直す人選ぶルールの例
氏名、会社名、電話番号フォームで入り、営業が商談で直す空白でない限りSalesforceを優先
リード所有者、リードの状況Salesforceで営業が決める常にSalesforceを使用
役職、部署フォームでも商談でも更新される双方向
初回の流入元、最終コンバージョン、スコアHubSpotが記録・計算する双方向(Salesforce側は営業が編集できない項目にする)
片方の社内でしか使わないメモどちらか一方同期しない(マッピングを作らない)

4つのルールには、HubSpotの値を常に優先する選択肢がありません。スコアや流入元のようにHubSpotで生まれる値は「双方向」でマッピングし、Salesforce側でその項目を営業が編集できない設定(項目レベルのセキュリティやページレイアウトでの読み取り専用)にして、HubSpotの値だけが入る状態を作ります。営業が誤ってスコアの欄を書き換えると、双方向のルールでは書き換えた値がHubSpotにも戻るためです。

マッピングでは項目の型も合わせます。HubSpotのドロップダウンはSalesforceの選択リスト、複数チェックボックスは複数選択リストに対応し、HubSpotユーザー型のカスタムプロパティはマッピングできません。上限は1オブジェクトにつき500です。選択リストは表示名ではなく内部の値を揃えないと、同期エラーになります。

対応表は、項目名、HubSpotの内部名、SalesforceのAPI参照名、値が生まれる側、同期ルールの5列で作ります。この5列があれば、Salesforce管理者と項目の権限や選択リストの値を1回の打ち合わせで確認できます。

連携を機にHubSpotへ項目を足すときは、プロパティを作る基準に沿って既存のプロパティで足りないかを先に確かめます。新しく作ったマッピングは既存の値を遡って同期しないため、途中で項目を足したら該当レコードの再同期が必要です。

同期対象リストで、Salesforceに渡すコンタクトを絞る

同期対象リスト(インクルージョンリスト)は、HubSpotのコンタクトのうちSalesforceに送ってよい人を条件で決める設定です。営業が対応する段階の人だけを入れると、Salesforceのリードが名刺や資料ダウンロードだけの人で埋まることを防げます。

設定は「データ同期」タブのコンタクトにある「同期される内容を制限」でリストを選びます。選べるのは条件を満たした人が自動で入るアクティブリストだけで、同じ画面の「+同期対象リストを作成」から新しく作れます。

このリストが絞るのは、HubSpotからSalesforceへの流れです。Salesforceでリードや取引先責任者が作られたときにHubSpotでコンタクトを作る設定にしている場合、その人はリストの条件を満たしていなくてもHubSpotにコンタクトとして作られます。SalesforceからHubSpotへ送るレコードを絞るには、連携ユーザーが参照できるレコードだけが同期される仕組みを使い、共有ルールなどで見える範囲を狭めます。HubSpotの案内では、この選択型同期にはSalesforceのEnterprise Edition以上が必要とされています。

リストの条件は、営業が受け取ったときに対応する理由がある人に絞ります。実務でよく使う条件は次のとおりです。

  • ライフサイクルステージがMQL以上になった人
  • 問い合わせ、見積依頼、デモ依頼のフォームを送信した人
  • 競合他社のドメインや、個人向けフリーメールのアドレスではない人

MQLを条件にするなら、MQLに上げる条件とライフサイクルステージの自動更新を先に決めます。「直近30日に訪問した人」のように出入りが激しい条件は、どの人がいつ届くかを営業に説明できなくなるため避けます。

全コンタクトを同期対象にする設定はおすすめしません。ウェビナーを申し込んだだけの人までリードになると、インサイドセールスの責任者は、未対応リストに並んだ大量のリードから優先順位を付け直すことになります。公式ヘルプでは1件のコンタクトの同期に最大4回程度のAPI呼び出しを使うとされ、対象が増えるほどAPIの上限にも近づきます。

Salesforce側に、同じメールアドレスのリードと取引先責任者が両方ある状態で接続すると、重複のエラーが出やすくなります。接続前にリードの名寄せをどこまでやるかを決め、少なくともメールアドレスが重なるレコードは片方に寄せておきます。

同期対象を決めるときは、Salesforce由来のコンタクトのマーケティングステータスも合わせて決め、配信の同意がない相手まで請求の件数に入らないようにします。

リードで作るか、取引先責任者で作るか

HubSpotのコンタクトをSalesforceで作るときの作成先は、「リードの作成または更新」と「コンタクトの作成または更新」のどちらか一方をアカウント全体で選びます。Salesforceでインサイドセールスがリードを評価し、商談化するときに取引先責任者へ変換する運用なら、リードを選びます。

Salesforceの運用選ぶ作成先設定するときの注意
リードを評価してから取引先責任者に変換しているリードの作成または更新関連するコンタクトがすべてリードと同期している会社は、取引先として作られない
リードオブジェクトを使わず、取引先単位で営業しているコンタクトの作成または更新HubSpotで自動作成された会社が取引先として作られるため、取引先の重複を先に整理する
新規はリード、既存顧客は取引先責任者で分けたいどちらか一方しか選べない既存顧客は取引先責任者から取り込み、新しく作る人は一方に寄せる

リードを選ぶと、HubSpotの会社はSalesforceの取引先として作られにくくなります。取引先は営業がリードを変換するときに作る、と決めている運用なら問題ありません。

テストでは作成だけで終わらせず、Salesforce上でテスト用のリードを取引先責任者に変換し、商談を作るところまで通します。そのうえで、HubSpot側のコンタクトに商談の情報が返ってくるか、ライフサイクルステージがどう変わるかを確認します。コンタクトの設定にある「ライフサイクルステージの調整」で「HubSpotのコンタクトのライフサイクルステージを更新する」を選ぶと、商談との関連付けに合わせてHubSpot側のステージが調整されます。MQLから商談化までの転換率をHubSpotのレポートで見るなら、この設定をオンにしておきます。

営業が見送ったリードをマーケティングに戻す流れも、この段階で決めます。Salesforceのリードの状況を「常にSalesforceを使用」でHubSpotに同期しておけば、「見送り」や「時期未定」になった人をHubSpot側でナーチャリングに戻す条件として使えます。戻すときは差し戻しの理由コードと戻し先を決めておきます。

営業にHubSpotの情報をどう見せるか

営業に見せる方法は、Salesforceのレコード画面にHubSpotの情報を埋め込むHubSpot Embedと、必要な項目とアクティビティだけをSalesforceの項目やToDoとして同期する方法の2つです。HubSpot Embedは見る営業全員がHubSpotのユーザーである必要があるため、営業がHubSpotのシートを持たないなら項目の同期で見せます。

見せ方Salesforceで見えるもの必要なこと向く場合
HubSpot Embedタイムライン、関連レコード、プロパティと履歴。ワークフローやシーケンスへの登録、ミーティングの予約もできる閲覧者がHubSpotにログインしていること。ページレイアウトへの追加。モバイルは非対応営業もHubSpotのシートを持ち、シーケンスやミーティングを使う
項目の同期最終コンバージョン、初回の流入元、スコア、MQLになった日など、選んだ項目Salesforceにカスタム項目を作りマッピングする営業がHubSpotを開かない
アクティビティの同期フォーム送信、メールの開封、ミーティング予約などがToDoとして並ぶコンタクトが同期済みであること商談前に見込み客の行動の順番を知りたい

営業部長から「このリードは何を見て問い合わせてきたのかを、電話の前に知りたい」と言われたときに見せるべき情報は、多くありません。どのフォームをどのページから送ったかが分かる最終コンバージョンと、スコアの2つをリードのページ上部に置くだけで、初回の電話で聞く内容が変わります。スコアを見せるなら、リードスコアの配点を営業と合意してからにします。

アクティビティの同期は、量に注意が必要です。公式ヘルプでは、同じメールを複数回開封・クリックするとSalesforce側でToDoが重複して作られることがあると書かれています。営業の活動件数をSalesforceのToDoで集計している会社では、メールの開封までToDoとして送ると活動レポートの数字が変わるため、送る種類を営業と決めてから有効にします。

HubSpot Embedは、閲覧する人がHubSpotのユーザーとしてログインしていないと中身が表示されません。営業にHubSpotのシートを配らないまま入れると、Salesforceのレコード上に空の枠だけが並びます。

HubSpot Embedを使うためにシートを配る場合は、営業がHubSpotでどこまで見られるか、エクスポートできるかを役割別の権限設定で先に決めます。営業に何をどこで見せるかが決まらず設定が止まっている場合は、現在の項目と営業の画面を見たうえで、見せる項目の候補を一緒に絞ることもできます。

同期エラーが出たときの確認順

同期エラーは「同期の健全性」タブで、エラーの種類ごとに件数と対象レコードを確認できます。API呼び出しの上限、連携ユーザーの権限、選択リストと個別の値の順に見ると、原因の切り分けが短く済みます。

同期エラーの確認順 ① 同期の健全性でエラーの種類を見る 種類ごとの件数と対象レコードを開く ② API呼び出しの使用量を確かめる 上限に近ければ割り当ての割合を見直す ③ 連携ユーザーの権限を確かめる 項目とオブジェクトの参照・編集権限 ④ 選択リストと個別の値を直す 内部値の一致、必須項目、入力規則 ⑤ 直したレコードを再同期する 一度に100件まで選んで再同期
図2:同期エラーが出たときに見る順番

最初にAPI呼び出しを見るのは、上限に達していると、ほかの原因がなくても同期がまとめて止まるためです。「同期の健全性」のAPI呼び出しの使用状況には、直近24時間に使った回数と、Salesforceの設定で決まる上限が表示されます。連携に使ってよい割合は「HubSpotに割り当て」の欄で変えられます。ほかのシステムもAPIを使っているなら、割合を上げる前にSalesforce管理者と配分を相談します。

エラーの種類起きていること直す場所
関連付け関連する取引先が未同期、または関連付けの上限取引先のインポート、関連付けの見直し
カスタムコードSalesforceの自動化、フロー、入力規則で更新が拒否されているSalesforce管理者
重複同じメールアドレスが既にある、またはSalesforceの重複ルール重複レコードの整理、重複ルールの見直し
権限連携ユーザーが項目やオブジェクトにアクセスできない連携ユーザーの参照・編集権限
選択リスト選択肢の値の不一致、無効なユーザーの所有者内部の値を揃える、所有者を有効なユーザーに変える
プロパティのマッピング項目の型が合わない、参照先の項目がない対応表の型と参照先
プロパティの値メールアドレスの形式、必須項目の空欄、文字数の上限個別のレコードの値

件数が多くなりやすいのは、Salesforce側の必須項目と入力規則です。Salesforceで「業種」を必須にしているのにフォームで聞いていなければ、リードの作成が止まります。フォームに項目を足すか、連携ユーザーを入力規則の対象から外すかを決め、直したら一度に100件まで選んで再同期します。

エラーに気づくのが遅れると、営業に届くはずのリードが数日止まります。「通知を管理」でエラー通知を即時・毎日・毎週から選べるので、毎日にして受け取る担当者を1人決め、週に1回はタブを開いて件数の推移を見ます。

併用をやめて、どちらかに寄せたほうがよい場合

Salesforceの管理者が社内にいない、営業全員がHubSpotの画面も日常的に見ている、同期エラーの対応が毎月の定例作業になっている、のどれかに当てはまるなら、併用を続けるより片方に寄せる検討を始めます。反対に、商談管理にSalesforceの独自の作り込みがある会社は、併用を続けるほうが負担は小さくなります。

いまの状態検討する方向判断の理由
Salesforceの管理者が不在で、項目の追加や権限の変更を毎回外部に頼んでいるHubSpotに寄せる権限、選択リスト、入力規則のエラーはSalesforce側でしか直せず、直すたびに依頼が発生する
営業全員にHubSpotのシートを配り、Embedで情報を見ているHubSpotに寄せる同じ人に2つのCRMの費用を払い、入力先だけがSalesforceに残っている
施策がメール配信とフォームにとどまっているSalesforce側で完結できないか比べる連携の維持の手間に対して、使っている機能が少ない
承認フロー、見積、基幹システムとの連携など、商談管理がSalesforceの作り込みの上で動いている併用を続ける商談管理を移すと作り直しの範囲が大きく、連携の維持より費用がかかる

判断の材料として、同期エラーの件数と対応に使った時間を記録しておくと、経営会議で連携の維持にかかる手間を数字で示せます。寄せる先は、組織の規模と、社内でどちらのツールを管理できる人がいるかで決めます。

寄せると決めた場合も、移行期間は両方のツールが同じ項目に書き込みます。どの項目をいつHubSpotの書き込みに切り替えるかは、MarketoからHubSpotへの移行でSalesforce同期を切り替える順番と同じ考え方で、項目ごとに同期ルールを変えていきます。併用を続けるか寄せるかの判断がつかない場合は、いまの同期設定とエラーの状況を見て、続ける場合と寄せる場合の作業量を比べるところからお手伝いできます。

営業の画面がSalesforceではなくkintoneの場合は、kintoneとHubSpotを併用するときの連携方法と寄せる判断で、使える連携の方法と契約の条件を確認します。

HubSpotとSalesforceの連携設定のまとめ

SFAをSalesforceのまま残してHubSpotをMAとして使う場合、連携の成否は、項目ごとにどちらの値を残すかと、どのコンタクトを営業に渡すかを同期の前に決めたかどうかで決まります。

次にやることは、Salesforceで営業が使っている項目の一覧をSalesforce管理者から受け取り、項目名、内部名、API参照名、値が生まれる側、同期ルールの5列の対応表を埋めることです。この表が埋まらない項目は、同期せずに始めても困りません。

無料相談

SalesforceとHubSpotの同期ルールを、接続する前に一緒に決めます

「営業が直した値が上書きされる」「Salesforceのリードが資料ダウンロードの人で埋まる」「同期エラーを誰も見ていない」。こうした問題の多くは、項目の対応表と同期対象リストの条件を決めることで防げます。Ampelは外部CMOとして、SalesforceとHubSpotの現在の設定を確認し、同期ルールの設計から併用を続けるかの判断まで一緒に進めます。

よくある質問

HubSpotの無料プランやStarterでSalesforceと連携できますか?
できません。公式ヘルプでは、Salesforce連携はMarketing Hub、Sales Hub、Service Hub、Data Hub、Content Hub、Smart CRMのいずれかのProfessionalまたはEnterpriseで使えるとされています。Salesforce側もAPIが使えるエディションまたはProfessionalが必要で、Group Editionでは使えません。
HubSpotとSalesforceの同期はどのくらいの間隔で行われますか?
HubSpotはおよそ15分ごとに新しい情報や更新を確認し、必要に応じて同期します。すぐに反映させたいレコードは、HubSpotのレコードにあるSalesforce同期のカードから手動で再同期できますが、同期対象リストの条件を満たしていることが前提です。
HubSpotでコンタクトを削除すると、Salesforceのリードも削除されますか?
削除されません。反対にSalesforceで削除したときHubSpotのコンタクトも削除するかは、設定で「コンタクトの削除」か「何もしない」を選べます。
1つのSalesforceに複数のHubSpotアカウントをつなげられますか?
つなげられます。HubSpotアカウント1つにつき接続できるSalesforce環境は1つですが、複数のHubSpotアカウントから同じSalesforceに接続することはできます。その場合、公式ヘルプでは、Salesforceのレコードが意図しないHubSpotアカウントにコンタクトとして作られないよう、HubSpotのコンタクトを自動で作らない設定を選ぶことが勧められています。
SalesforceのリードはすべてHubSpotに取り込むべきですか?
メールを送る予定のある人に絞るほうが扱いやすくなります。Salesforceから同期されたコンタクトは初期設定でマーケティング対象外になるため、取り込んでもすぐには配信の対象になりません。

BtoBマーケティングの戦略設計から施策実行、運用定着までを一気通貫で支援します。