HubSpotのチャットボット設定|BtoBサイトで置くページ、営業時間外の受け方と担当者への振り分け

HubSpotを入れたあと、無料で使えるならとサイト全体にチャットを出してみたものの、届くのは営業メールと「採用は募集していますか」ばかり。本来受けたい見込み客からの質問は、誰も気づかないまま翌日の昼に既読になる。原因はボットの文面ではなく、置く場所と、受けた会話を誰がいつ見るかを決めないまま公開したことにあります。

BtoBサイトのチャットは、全ページに出すより料金ページやサービスページのように比較検討中の人が読むページに絞り、答えられる時間帯と答える人を先に決めてから公開したほうが、商談につながる会話の割合が上がります。HubSpotの設定画面は、この2つを決めてあれば迷うところがほとんどありません。

問い合わせフォームはすでに動いていて、チャットを足すかどうかを検討している段階なら、判断材料になるのは、平日の日中に返信できる人がいるかと、フォームでは拾えていない質問が実際にあるかです。どちらかが欠けているなら、チャットを置かずにフォームや日程予約の導線を整えるほうが、問い合わせの質は保てます。

HubSpotのチャットは「ライブチャット」と「ルールベースのチャットボット」の2種類

HubSpotのチャットフローは、人がその場で答えるライブチャットと、決めた順番で質問と案内をするルールベースのチャットボットの2種類です。どちらも受信トレイにつながり、会話は同じ画面で担当者が引き継げます。

チャットフローとは、サイトに表示するチャットウィジェットの「どのページで、誰に、何を話しかけ、会話を誰に渡すか」を1つにまとめた設定のことです。HubSpotの公式ヘルプでは、ライブチャットもルールベースのチャットボットも「すべての製品とプラン」で使える機能として案内されています。無料のアカウントでも作成できますが、会話の分岐や一部のテンプレートは有料プランが必要です。プランによる差は後半の表で比べます。

ライブチャットは人が答える前提の入口

ライブチャットは、訪問者が入力したメッセージがそのまま受信トレイに届き、担当者が返信する形式です。ウェルカムメッセージと、返信が遅れたときにメールアドレスを尋ねる設定を決めれば公開できます。営業担当が日中に受信トレイを開いている会社なら、ライブチャット1本から始めても運用が止まりません。

ルールベースのチャットボットは質問の順番を決めておく形式

ルールベースのチャットボットは、「質問をする」「簡単なメッセージを送信」「チームメンバーに送信」「ミーティングを予約」などのアクションを並べて会話を組む形式です。テンプレートには「リードの適格判定ボット」「ミーティングボット」「チケットボット」などがあり、Professional以上では「コンシェルジュボット」「オフラインボット」も選べます。BtoBサイトでは、用件と会社のメールアドレスを聞いてから担当者に渡す構成が扱いやすく、会話の途中で担当者に切り替えられるため、ボットだけで完結させる必要はありません。

生成AIが回答するカスタマーエージェントは、ルールベースのボットとは別の機能で、HubSpotクレジットを消費します。回答の元になるコンテンツの量や上限の決め方はHubSpotのAI機能をクレジットの上限と社内ルールから決める手順で確認できます。

どのページに置くか|料金・サービスページに絞る

BtoBサイトでは、チャットを料金ページとサービス・機能ページに絞って出します。ブログや採用ページに出すと、営業メールや検討初期の質問が増え、担当者が本来の見込み客に返信するまでの時間が延びます。

料金ページを読んでいる人は、見積もりの条件や自社の規模で使えるかを確かめたい段階にいます。「利用人数が50人を超える場合の料金は変わりますか」のような質問は、フォームに書くほどではないがその場で聞きたい内容で、チャットに向いています。反対に、ブログ記事から入ってきた人は情報収集の段階にいることが多く、チャットを開いても質問が定まっていません。料金ページそのものの作り方はBtoBの料金ページで価格を出すかどうかの判断で決めておくと、チャットで受ける質問の種類も絞れます。

ページチャットを置くか理由と、ボットの最初の問いかけの例
料金ページ置く見積もりの条件を確かめたい人が多い。「料金について確認したいことはありますか」
サービス・機能ページ置く自社の用途に合うかを確かめたい人が多い。「どの業務で使う予定ですか」
導入事例ページ問い合わせ件数を見て判断読み終えた人が次に聞く内容は事例ごとに違う。まずはCTAで資料や相談に案内する
ブログ・コラム原則置かない情報収集の段階の人が多く、会話が商談につながりにくい
採用ページ置かない応募者の質問が営業の受信トレイに混ざる。採用の窓口は別に案内する
問い合わせフォームのページ置かないフォームの入力中にチャットが開くと、どちらで連絡すべきか迷わせる

ページの役割ごとにCTAを使い分ける考え方は検討段階ごとのオファーとページ別のCTAの置き方と共通で、チャットはそのうち「その場で聞きたい」人向けの入口として位置づけます。置き場所は、チャットフローの「対象」タブで設定します。

最初の公開は料金ページとサービスページだけに絞り、会話の中身を見てから対象を広げます。対象を狭く始めれば、担当者1人でも返信の遅れが出にくく、どのページの会話が商談になったかも追いやすくなります。

HubSpotでチャットを公開するまでの設定手順

設定は、受信トレイにチャットチャネルをつなぐ、チャットフローを作る、対象・表示・オプションを決める、の順に進めます。HubSpot以外で作ったサイトには、トラッキングコードの設置が別に必要です。

受信トレイにチャットチャネルをつなぐ

チャットの会話は受信トレイ(またはヘルプデスク)に届きます。設定画面の受信トレイから「チャネルを接続」を選び、チャットを追加します。ここで「アクセント色」や「チャット見出し」のほか、担当者の空き状況をどう判定するかを決めます。空き状況の判定方法によって、営業時間外に訪問者に見える表示が変わります。

チャットフローを作る

チャットフローは「サービス」>「チャットフロー」から「チャットフローを作成」で作ります。種類で「ウェブサイト」を選び、会話を届ける受信トレイと言語を指定したあと、「ライブエージェント」か「ルールベースのチャットボット」を選びます。ボットの場合はテンプレートを選ぶか「ゼロから始める」を選び、「作成」タブでウェルカムメッセージとアクションを組みます。

対象・表示・オプションの各タブで決めること

「対象」タブでは、「ウェブサイトURL」「クエリーパラメーター」「訪問者の情報および行動」の条件で表示するページと相手を決めます。料金ページとサービスページだけに出すならURLの条件を2つ作り、採用ページやブログは除外の条件に入れておくと、URLの構成が変わったときに意図しないページに出る事故を防げます。

「表示」タブでは、デスクトップで「歓迎メッセージをポップアップで開く」か「チャット起動メニューのみを表示」かを選び、ポップアップを出す場合のきっかけを「離脱の意思があるとき」「ページでの滞在時間(秒)」「ページのスクロールの割合」から選びます。料金ページでは、読み始めてすぐに吹き出しが開くと料金表を読む邪魔になるため、スクロールの割合か滞在時間をきっかけにするほうが読者の妨げになりません。

「オプション」タブでは、言語、Cookieの同意、訪問者確認(CAPTCHA)、マーケティングコンタクトとして扱うかを設定します。営業メールや自動送信の書き込みが多い場合は、訪問者確認を有効にしておきます。

WordPressなど外部のサイトにはトラッキングコードを入れる

HubSpotのCMS以外で作ったサイトにチャットを出すには、表示したいすべてのページにHubSpotのトラッキングコードが入っている必要があります。フォームの埋め込みのためにすでにコードを入れている場合も、チャットを出すページまで入っているかを確認します。フォームの埋め込み手順とあわせて確かめる場合は、HubSpotフォームのWordPressへの埋め込み手順の確認項目がそのまま使えます。

ボットの会話は、担当者に渡す前に聞くことだけに絞る

BtoBのボットで聞くのは、用件と会社のメールアドレス程度にとどめます。質問を重ねるほど訪問者は途中で閉じ、担当者に渡る前に会話が終わります。

「リードの適格判定ボット」のテンプレートには会社規模や役職を順に聞く流れが入っていますが、そのまま使うと質問が多すぎることがあります。料金ページのボットなら、用件をクイック返信で選んでもらい、会社のメールアドレスを聞き、担当者に渡す、という3段で足ります。会社名や規模は、メールアドレスのドメインと会話の中身から担当者が判断できます。

料金ページに置くボットの流れ(例) ① ウェルカムメッセージ 料金で確認したいことを尋ねる ② 質問をする(クイック返信) 見積もり依頼/機能の確認/その他 選んだ用件をプロパティに保存 ③ 質問をする(メールアドレス) 入力された時点でコンタクトを作成 担当者は対応できるか 対応できる ④ チームメンバーに 送信して担当者へ 不在・営業時間外 ④ 翌営業日の返信を 伝えて会話を残す 会話と回答がコンタクトに残り 受信トレイで担当者に通知される 対応可否での分岐はIf/then分岐(Professional以上) 無料版ではチームメンバーに送信の不在時メッセージで代える
図1:料金ページのボットは、用件とメールアドレスを聞いたら担当者に渡す

「質問をする」アクションでは、回答をコンタクトのプロパティに保存できます。メールアドレス、電話番号、日付、URLは入力形式の確認ができ、すでにプロパティに値が入っている人には質問を飛ばす設定もあります。保存先に新しいプロパティを作る前に、フォームで使っている「相談内容」などの既存プロパティに入れられないかを確かめます。チャット専用のプロパティが増えると、フォームとチャットで同じ情報が別々の項目に入り、レポートで合算できなくなります。項目を増やすかどうかの基準はHubSpotプロパティの作成基準と棚卸しのルールに合わせます。

日程の相談までボットで進めたい場合は「ミーティングを予約」アクションで日程調整リンクを出せます。ただし、訪問者がまだ用件を話していない段階で予約画面を出すと閉じられやすいため、用件を聞いたあとに「担当者と30分話しますか」と選択肢を出す位置に置きます。予約ページ側の空き時間や予約後に記録される内容はHubSpotミーティングの日程調整リンクの設定で先に決めておきます。

営業時間外の受け方|不在時の表示と、翌営業日の返信を約束する文面

営業時間外は、チャットを隠すか、メッセージだけ受け付けて翌営業日に返すかのどちらかに決めます。BtoBでは、メッセージを受け付けてメールアドレスを聞き、返信の目安を表示するほうが、夜に料金を調べている決裁者を取りこぼしません。

チャットチャネルの空き状況は、「ユーザーの空き状況に基づく」「チャット営業時間に基づく」「チャットは24時間無休で利用可能」から選びます。営業担当が外出や商談で受信トレイを開けない時間が長い会社は、ユーザーの空き状況に合わせると日中でもほとんど「不在」の表示になるため、平日の決まった時間帯を営業時間として設定するほうが表示が安定します。

不在のときと営業時間外のときの動作は、それぞれのタブで決めます。「訪問者にメッセージの送信を許可する」をオンにして不在時のメッセージを表示すれば、訪問者は担当者がいなくても質問を残せます。「チャット起動メニューを非表示」を選ぶと、その時間帯はチャットの入口自体が消えます。受けた質問に翌営業日の午前中までに返せる体制がないなら、非表示を選ぶほうが、返事のない質問を積み上げずに済みます。

営業時間外に受け付ける場合は、ライブチャットの「Eメールキャプチャー」で「訪問者にメールアドレスを尋ねる」タイミングを設定し、返信の手段を確保します。ボットを使う場合、担当者の対応可否で会話を分ける「If/then分岐」と、営業時間外用の「オフラインボット」のテンプレートはProfessional以上が必要です。無料版でも「チームメンバーに送信」アクションは担当者が対応可能なとき、不在のとき、割り当て先がいないときで表示するメッセージを分けられるため、不在時の文面に「明日の10時までにメールでお返事します」のような返信の目安を書いておけば足ります。

営業時間外や休日に届いた問い合わせを誰が翌朝に拾うかは、チャットに限らずフォームや電話と同じ規則で決めます。当番の決め方や返信までの目標時間は問い合わせの初動を担当者不在でも止めない受け皿の作り方に沿って決め、チャットの不在時メッセージにはその目標時間をそのまま書きます。

担当者への振り分けと通知|割り当てルールとシートの条件

チャットの会話は、チャットフローの割り当て設定で特定のユーザーやチームに自動で振り分けます。振り分けの対象になるのはセールスシートかサービスシートを割り当てられたユーザーだけで、通知は受信トレイを一度開いたユーザーにしか届きません。

割り当ては、ライブチャットのチャットフローで割り当てをオンにし、「特定のユーザーとチーム」または「コンタクト担当者」を選びます。複数人に振り分ける場合は、負荷分散、ラウンドロビン、ランダムの配分方法を選べます。既定では対応可能なユーザーにだけ割り当てられ、誰も対応できないときは未割り当てのまま受信トレイに残ります。この挙動は「対応可能なユーザーにのみ割り当てる」のチェックで変えられます。

HubSpotの公式ヘルプには、割り当てルールの対象になるにはセールスシートかサービスシートが必要と明記されています。シートのないマーケ担当者を割り当て先に入れても会話は振り分けられないため、公開前に担当者のシートの割り当てを確認してください。

通知は、会話が自分に割り当てられたとき、再割り当てされたとき、返信があったとき、受信トレイに未割り当ての会話が入ったときなどに受け取れます。通知の方法はメール、デスクトップ、モバイルアプリから選べます。ただし、通知をオンにしていても、そのユーザーが一度も受信トレイを開いていなければ通知は届きません。チームに届く未割り当ての通知も、チームのメインメンバーにだけ送られます。公開前に、割り当て先の全員が受信トレイを一度開き、テスト用の会話で通知が届くかを確かめておきます。

担当者が1〜2人の会社で、同時に複数の会話を受ける場面が少ないなら、配分方法は気にせず「特定のユーザーとチーム」で営業責任者と担当者を指定すれば十分です。同時対応数に上限を設けるキャパシティ設定はService Hub Enterpriseの機能で、BtoBのリード獲得用チャットで必要になる場面は多くありません。

割り当てや通知の設定まで含めて、自社の人数で返信が遅れない形にしたい場合は、チャットを置くページと受け手の決め方をご相談ください。

既存顧客からの会話を見込み客のチャットと同じ受信トレイで受けると、営業担当の画面にサポートの会話が混ざります。既存顧客向けのチャットは既存顧客の問い合わせをチケットで受ける設定に合わせてヘルプデスク側で受けるように分けます。

チャットの会話がコンタクトに記録される条件

チャットを始めただけでは、訪問者はコンタクトとして登録されません。メールアドレスを入力してもらうか、担当者が手動でコンタクトに紐づけたときに、会話がコンタクトの記録として扱えるようになります。

HubSpotの公式ヘルプでは、訪問者はチャットを始めただけではコンタクトに追加されず、メールアドレスを受け取るか手動で追加するまでは匿名のトラッキングCookieに紐づいたままと説明されています。メールアドレスを入力してもらう方法は、ライブチャットのEメールキャプチャーか、ボットの「質問をする」でメールアドレスを聞く方法の2つです。入力されたメールアドレスに一致するコンタクトがなければ、新しいコンタクトが自動で作られます。

訪問者がメールアドレスを書かずに会話を終えた場合は、担当者が受信トレイの右側のパネルから既存のコンタクトを探して紐づけるか、新しいコンタクトを作ります。会話の中で「御社名とメールアドレスをお知らせください」と聞き、その場で担当者が登録する運用でも構いません。記録を残さないまま会話を閉じると、どのページのチャットが商談になったかを後から数えられなくなります。

商談につながったかを追うには、チャット経由のコンタクトを見分けられるようにしておきます。ボットで用件を保存したプロパティを使うか、チャットから作られたコンタクトをワークフローで判定してライフサイクルステージや流入の記録を更新します。ボットの「ワークフローに登録」アクションはProfessional以上が必要なため、無料版やStarterでは、保存したプロパティの値を条件にした一覧で確認します。自動化の組み方はHubSpotワークフローの構築手順と運用ルールの命名や登録条件の決め方に合わせます。

Cookieの同意バナーを使っているサイトでは、訪問者が同意するまでHubSpotのスクリプトが読み込まれず、チャットが表示されないことがあります。同意の設計を変えるかどうかは法務の判断も入るため、チャットを出したいページでどの状態になるかを確かめたうえで決めます。

無料版とProfessional以上で変わる範囲

ライブチャット、ボットの基本的なアクション、担当者への送信、日程予約は無料版でも使えます。会話の分岐、ワークフローへの登録、営業時間外用のテンプレートはProfessional以上が必要です。

機能必要なプラン(公式ヘルプの表記に基づく)BtoBサイトでの使いどころ
ライブチャット、ルールベースのチャットボットの作成すべての製品とプラン料金・サービスページの入口
質問をする、簡単なメッセージを送信、プロパティの値を設定プランの条件の記載なし用件とメールアドレスの取得
チームメンバーに送信、ミーティングを予約、チケットの送信プランの条件の記載なし担当者への引き継ぎ、日程調整
静的セグメントに追加Marketing Hub Starter以上チャット経由のコンタクトを一覧にまとめる
If/then分岐、ワークフローに登録Professional以上用件や対応可否で会話を分ける、後続の自動化
コンシェルジュボット、オフラインボットのテンプレートProfessional以上担当部署への振り分け、営業時間外の受付
ナレッジベース検索Service Hub Professional以上既存顧客のサポート窓口
カスタマーエージェントに送信Professional以上とHubSpotクレジットAIによる一次回答
Webhookのトリガー、コードスニペットの実行Data Hub Professional以上外部システムとの連携
同時対応数の上限(キャパシティ)Service Hub Enterprise大人数でのサポート窓口

リード獲得用のチャットを料金ページとサービスページに置くだけなら、無料版の範囲で組めます。有料プランを検討するきっかけになるのは、「見積もり依頼」と「機能の質問」で担当者を分けたい、チャットで受けたリードを自動でフォローしたい、といった分岐と自動化が必要になった時点です。チャットだけを理由にProfessionalへ上げるかどうかは、メールやワークフローの利用予定も含めてStarterとProfessionalの違いと選び方で比べます。

チャットを置かないほうがよい場合

営業時間内に返信できる人がいない会社と、チャットを出したことで問い合わせの質が下がった会社は、チャットを置かないか、止める判断をします。返事のないチャットは、フォームがないよりも訪問者の印象を悪くします。

1つ目は、答える人がいない場合です。担当者が商談や移動で日中ほとんど受信トレイを見られず、返信が翌日以降になるなら、チャットはフォームと同じ速さでしか返せません。訪問者は「チャットならすぐ返事が来る」と期待して書き込むため、同じ翌日の返信でもフォームより不満が大きくなります。この状況なら、フォームの項目を減らし、送信後に日程予約へ案内するほうが商談までの時間は短くなります。

2つ目は、問い合わせの質が下がる場合です。チャットは入力の手間が小さいため、営業メール、サービス対象外の個人からの質問、既存顧客のサポート依頼が混ざります。公開して1か月ほど会話の中身を見て、見込み客からの会話が一部しかなく、残りの対応に担当者の時間が取られているなら、対象ページを絞るか、止めます。フォーム経由とチャット経由で商談化率を比べる場合は、リードの質を営業と数字で合意する測り方の指標をチャットにもそのまま当てはめると、感覚ではなく件数で判断できます。

3つ目は、扱う商材の性質上、チャットで答えられる質問が少ない場合です。個別の要件定義や見積もりが前提の商材では、チャットで聞かれても「詳しくは打ち合わせで」としか返せず、会話が1往復で終わります。この場合は、チャットではなく相談の予約ページを目立たせるほうが、訪問者の手間が1回で済みます。

チャットが表示されないときの確認順

チャットが出ないときは、チャットフローの公開状態、対象のURL条件、トラッキングコード、Cookieの同意とスクリプトのブロック、空き状況の設定の順に確かめます。

最初に、チャットフローの一覧で対象のチャットフローがオンになっているかを見ます。次に、「対象」タブのURL条件が実際のページのURLと一致しているか、サブドメインや末尾のスラッシュを含めて確かめ、除外の条件に該当していないかも見ます。HubSpot以外のサイトでは、そのページにトラッキングコードが入っているかを確認します。

設定に問題がない場合は、Cookieの同意バナーや広告ブロッカーがHubSpotのスクリプトを止めていないかを確かめます。空き状況で不在や営業時間外に「チャット起動メニューを非表示」を選んでいると、その時間帯はチャットが出ないため、テストは営業時間内に行います。同じページを対象にしたチャットフローが複数ある場合は優先順位の高いものが表示され、訪問者が別のページで会話を始めていると、ページを移っても元の会話が続きます。

まとめ

HubSpotのチャットは無料で始められますが、成果を分けるのは設定画面の操作ではなく、置くページと受け手の決め方です。BtoBサイトでは料金ページとサービスページに絞り、平日の決まった時間帯を営業時間として設定し、営業時間外はメールアドレスを聞いて翌営業日の返信を約束する形が扱いやすい構成です。ボットは用件とメールアドレスを聞いたら担当者に渡すところまでにとどめ、割り当て先にはシートのあるユーザーを指定します。

次にやることは、平日の日中に受信トレイを見られる人を決め、その人の名前で料金ページだけにライブチャットを出してみることです。1か月後に会話の中身と商談の件数を見て、対象ページを広げるか、ボットで用件を分けるか、チャットをやめてフォームと日程予約に戻すかを決めます。自社の体制でどこまでチャットに任せるか判断に迷う場合は、現状のサイトとHubSpotの設定を見たうえで一緒に整理します。

無料相談

HubSpotのチャットを置くページと受け手を、公開前に一緒に決めます

「チャットを出したら営業メールばかり届く」「夜に届いた質問に翌日の昼まで誰も気づかない」「チャット経由のリードが商談になったか追えない」。こうした問題の多くは、対象ページ、営業時間の設定、割り当て先、記録するプロパティを決めることで防げます。Ampelは外部CMOとして、現在のサイトとHubSpotの設定を確認し、チャットを置くかどうかの判断から設定と運用のルールまで担当者の方と一緒に作ります。

よくある質問

HubSpotのチャットボットは無料で使えますか?
使えます。HubSpotの公式ヘルプでは、ライブチャットとルールベースのチャットボットは「すべての製品とプラン」で使える機能とされています。ただし、会話を条件で分けるIf/then分岐、ワークフローへの登録、オフラインボットなどのテンプレートはProfessional以上が必要です。
ライブチャットとチャットボットはどちらから始めればよいですか?
日中に受信トレイを見られる担当者がいるなら、ライブチャットから始めるほうが設定も運用も単純です。担当者が不在の時間が長い場合や、用件を聞いてから担当者に渡したい場合は、用件とメールアドレスだけを聞くルールベースのチャットボットを使います。
チャットの会話はコンタクトに自動で記録されますか?
チャットを始めただけではコンタクトは作られません。訪問者がEメールキャプチャーやボットの質問でメールアドレスを入力したとき、または担当者が受信トレイから手動でコンタクトに紐づけたときに、コンタクトとして扱えるようになります。
WordPressのサイトにHubSpotのチャットを表示するにはどうすればよいですか?
チャットを表示したいすべてのページにHubSpotのトラッキングコードを設置し、チャットフローの「対象」タブでそのページのURLを指定します。表示されない場合は、Cookieの同意バナーやスクリプトのブロックでHubSpotのコードが止まっていないかも確認します。
HubSpotのチャットでAIに自動で回答させることはできますか?
できます。ルールベースのボットとは別に、生成AIで回答するカスタマーエージェントがあり、ボットの「カスタマーエージェントに送信」アクションで会話を渡せます。Professional以上のプランとHubSpotクレジットが必要で、回答の元になるナレッジベースやサイトのコンテンツが少ないと、答えられない質問が担当者に回ります。

BtoBマーケティングの戦略設計から施策実行、運用定着までを一気通貫で支援します。