MA導入支援の費用は、ツールの料金表からは読み取れません。支援会社の見積もりは、要件定義から運用代行までのどの工程を頼むかと、フォームの数、移行するデータの状態、シナリオの本数といった前提条件で決まり、同じ「導入支援一式」という名前でも、会社ごとに含まれる作業がまったく違います。
支援会社を比べる前に、社内で持つ工程と外に出す工程を分けておくと、見積もりの金額を同じ条件で比べられるようになり、導入後に配信が止まる事態も避けられます。支援会社は規模や認定の有無より、自社が詰まっている工程を担えるかで選び、見積もりは工程ごとの作業量と前提条件をそろえて比べます。
MAツールの候補が絞れてきたものの、社内に設定を担える人がいるかどうかがはっきりしないなら、支援会社に何をどこまで頼むかは、営業に渡すリードの条件が決まっているかと、移行するデータがどれだけ整っているかが分かれ目です。リストが少なく連携するシステムもない会社では、ツール会社の操作説明だけで始めて、支援会社には頼まないほうが費用に見合う場合もあります。
目次
MA導入支援は、ツール代とは別に払う設計・設定・定着の外部作業
MA導入支援とは、MAツールの契約とは別に、外部の会社が要件定義・初期設定・データ移行・シナリオ設計・操作の定着を請け負うサービスのことです。ツール会社に払う費用と、支援会社に払う費用と、どの見積書にも載らない社内の工数は、分けて予算を組みます。
MAの導入でかかるお金は、払う相手で3つに分かれます。1つ目はツール会社に払うライセンス費と、ツール会社が提供する有償の導入支援(オンボーディング)です。2つ目は、支援会社に払う設計・設定・運用の費用です。3つ目は、承認や素材の用意、営業との調整に使う社内の時間で、これは誰の見積書にも載りません。
ツール会社の有償の導入支援は、料金ページに金額が書かれていることがあります。たとえばHubSpotの料金ページには、2026年9月時点で、Marketing Hub Professionalには必須で1回限りの導入支援(360,000円)、Enterpriseには同じく840,000円が、表示されている月額とは別にかかると記載されています。ツール会社の導入支援に、自社の営業の流れに合わせたシナリオの設計や、毎月の配信作業まで含まれるかどうかは、ツールとプランで違います。含まれる範囲を契約前にツール会社に確認し、含まれない工程だけを支援会社に頼む候補にします。
ライセンス費や初期費用の内訳、3年でかかる総額の出し方はMAツール導入費用の相場と見積もりの見方に沿って組み、支援会社の費用はその外側に別の行で積みます。稟議の段階で、マーケ責任者が経営者から「ツールの見積もりに入っていない支援費は何か」と聞かれて答えられないと、承認が一度差し戻されます。
支援会社に頼める範囲は6つの工程に分かれる
支援会社に頼める作業は、要件定義、初期設定、データ移行と連携、シナリオ設計と制作、運用代行、内製化支援の6つの工程に分かれます。工程ごとに納品物と社内に残る作業を決めておくと、「一式」の中身が会社ごとに違っても比べられます。
支援会社の提案書では、工程の名前が同じでも中身が違います。ある会社の「初期設定」はドメイン認証とフォーム1つの作成で終わり、別の会社の「初期設定」にはプロパティの設計とスコアリングの設定まで入っています。工程ごとに、何が納品され、何が社内に残るかを表で並べてから見積もりを読みます。
| 工程 | 支援会社がやること | 受け取る納品物 | 社内に残る作業 |
|---|---|---|---|
| 要件定義 | 目的と対象リードの整理、営業に渡す条件の案、使う機能の範囲決め | 要件定義書、導入範囲の一覧 | 営業に渡す条件の合意、優先順位の決定 |
| 初期設定 | ドメイン認証、トラッキングコード、項目(プロパティ)、フォーム、権限の設定 | 設定一覧、項目の定義表 | サイトへのタグ設置の承認、権限を持つ人の決定 |
| データ移行・連携 | 既存リストの重複整理と項目の統一、取り込み、CRM・SFAとの連携設定 | 移行手順と結果、連携の同期ルール | 移行元データの提供、残すデータと捨てるデータの判断 |
| シナリオ設計・制作 | 配信シナリオとスコアリングの設計、メール・LP・フォームの制作と設定 | シナリオ設計書、配信テンプレート | 訴求内容の確認、資料や事例などの素材の提供 |
| 運用代行 | 毎月の配信、リストの更新、シナリオの改修、レポートの作成 | 月次レポート、作業記録 | 配信内容の承認、結果を見た次の施策の判断 |
| 内製化支援 | 操作研修、手順書の作成、定例での設定レビューと相談対応 | 手順書、研修資料 | 日々の配信と改修の作業そのもの |
要件定義が見積もりにない提案は、設定の作業量が後から増える
要件定義の工程がない見積もりは、支援会社が「言われたとおりに設定する」前提で組まれています。営業に渡すリードの条件が決まらないまま設定に入ると、スコアリングやライフサイクルの設定を途中で作り直すことになり、その分が追加の作業として請求されます。営業に渡す条件はMQLとSQLの定義として、営業責任者と一度合意してから支援会社に渡すと、要件定義の期間が短くなります。
データ移行の作業量は、件数よりデータの状態で決まる
データ移行の見積もりは、移すリストの件数だけでは決まりません。展示会の名刺、過去の問い合わせ、営業が個人で持っているExcelが別々の形式で残っている場合、会社名の表記ゆれと重複の整理に時間がかかります。支援会社から「件数を教えてください」とだけ聞かれたら、移行元のファイルの数と項目のそろい方も伝えます。重複を残したまま取り込むと、同じ人に同じメールが2通届き、配信停止が増えます。取り込む前の整理の範囲はリードの名寄せと重複管理の考え方で決めておくと、支援会社への依頼範囲がはっきりします。
運用代行と内製化支援は、目的が逆になる
運用代行は、支援会社が作業を持つ契約です。内製化支援は、社内の人が作業できるようになることを目的に、支援会社が教える側に回る契約です。月額の支援を契約するときは、1年後に作業を持っているのが支援会社か社内かを先に決め、その答えでどちらの契約にするかを選びます。
導入支援の費用は、工程ごとの作業量と前提条件で決まる
導入支援の費用は、工程ごとの作業量に単価を掛けた積み上げで決まります。見積書に工程別の作業量と前提条件が書かれていれば、金額が違う理由を説明でき、比較できる見積もりになります。
導入支援の費用について、支援会社をまたいで確認できる公開の相場はありません。各社の料金ページの金額は、含まれる工程と前提条件がそれぞれ違うため、並べても比べられないからです。代わりに、見積もりがどの要素で組まれているかを分解して読みます。
導入支援の見積もりは、多くの場合「工程ごとの作業量 × 単価 + 管理費」で組まれています。作業量は人日や時間で出され、単価は担当者の役割(設計する人か、設定作業をする人か)で変わります。見積書に「導入支援一式」としか書かれていない場合は、工程ごとの作業量の内訳を依頼します。内訳を出せない会社は、作業範囲を決めずに金額を出している可能性があり、途中で追加費用が発生しやすくなります。
作業量を大きく動かすのは次の5つです。
- 移行するデータの状態:ファイルの数、項目のそろい方、重複の多さ
- 連携の有無と方法:CRM・SFAとの標準の連携で済むか、個別の開発が要るか
- 作るものの数:フォーム、メールテンプレート、LP、シナリオの本数
- 制作物の有無:メール本文や資料を支援会社が書くか、社内が用意するか
- 関わる部署の数:営業やインサイドセールスとの調整の会議が何回要るか
このうち、見積もりの金額を大きく変えるのは連携と制作物です。標準の連携で足りるところに個別の開発を入れると、開発の費用に加えて、ツールの仕様が変わったときの改修費も毎年かかります。制作物は、社内で書ける人がいるなら支援会社の見積もりから外し、設計と設定だけを頼むと費用が下がります。
HubSpotを使う場合の設定代行の費用の決まり方と依頼先ごとの違いは、HubSpot設定代行の費用と依頼先の選び方で、Hubの範囲やワークフローの本数といったHubSpot固有の要素まで分けて確認できます。
契約形態で、追加費用が出る場面が変わる
同じ作業範囲でも、契約形態によって、途中で範囲が変わったときの扱いが変わります。導入支援は範囲を決めた一括の見積もり、運用代行は月額固定か時間制で組まれることが多く、成果報酬は商談の定義を契約で固めないと成立しないため、MAの導入では向く場面が限られます。
| 契約形態 | 向く場面 | 追加費用が出やすい場面 |
|---|---|---|
| 一括(プロジェクト型) | 導入範囲と納品物が決まっている初期構築 | 要件定義のあとに対象の機能や連携先が増えたとき |
| 月額固定 | 毎月の作業量が読める運用代行・定例支援 | 月の作業上限を超える依頼が続いたとき |
| 時間制(チケット・時間単価) | 作業量が月ごとに変わる改修や相談 | 依頼の粒度が細かく、打ち合わせの時間まで積み上がるとき |
| 成果報酬 | 商談の定義と数え方を契約前に合意できる場合 | 商談の定義が曖昧なまま契約したとき |
マーケ責任者が経営会議で導入支援の予算を説明するときは、一括の導入費と月額の運用費を別の行に分け、月額については何か月で社内に移すかまで書いておくと、翌年度の予算で支援費がそのまま残り続けることを防げます。
MA運用代行の費用は、毎月の作業の本数と制作の有無で決まる
MA運用代行の月額は、毎月の配信本数、改修するシナリオの数、レポートの回数、メール本文や資料の制作を含むかどうかで決まります。月額だけで比べず、月に何をどれだけやる契約かを数で書いてもらいます。
運用代行の見積もりは、月額の総額だけが書かれていることが多く、その中に何本の配信と何回の定例が入っているかが見えません。月額の内訳は、定例の打ち合わせ、配信やリスト更新の作業、シナリオの改修、レポートと改善提案、コンテンツの制作、管理費に分けて書いてもらいます。
| 月額の内訳 | 見積書に数で書いてもらうこと | 書かれていないと起きること |
|---|---|---|
| 定例の打ち合わせ | 月の回数と1回の時間 | 定例が報告だけで終わり、次の施策が決まらない |
| 配信・リスト更新 | 月の配信本数、対象リストの更新回数 | 配信本数を増やしたい月に追加費用になる |
| シナリオの改修 | 月に改修できるシナリオやワークフローの数 | 改修の依頼が次月に回され、止まったままになる |
| レポート・改善提案 | レポートの頻度と、見る指標 | 開封率とクリック率だけが報告され、商談の数が出てこない |
| コンテンツ制作 | メール本文、LP、資料の月の本数 | 制作が別見積もりになり、月額の比較が崩れる |
運用代行でもっとも差が出るのは、レポートで何を見るかです。開封率やクリック率を毎月報告する契約と、MAから営業に渡したリードが何件商談になったかまで追う契約では、支援会社が見ている数字が違い、改善の提案の中身も変わります。契約前に、最初の月次レポートの見本を見せてもらい、商談の数が載っているかを確認します。
HubSpotの運用代行に絞った月額の内訳と委託先のタイプごとの違いは、HubSpot運用代行の費用と月額の内訳で、定例・実装・分析・戦略提案に分けて見られます。
見積もりを比べる前に、前提条件と除外事項をそろえる
複数の支援会社の見積もりは、前提条件と除外事項をそろえるまで比べられません。依頼の段階で同じ条件表を各社に渡し、条件から外れた作業をどう扱うかまで書いてもらいます。
3社から見積もりを取ったら、金額が3倍違っていたという場面では、多くの場合、安い見積もりから何かが抜けています。フォームの数、移行する件数、シナリオの本数、テストの有無、修正の回数のどれかが、高い見積もりにだけ入っています。金額を比べる前に、各社の見積書の前提条件を同じ表に書き写し、抜けている行を探します。
依頼するときは、次の条件を1枚にまとめて各社に同じものを渡します。
- 導入する機能の範囲と、最初に動かすシナリオの本数
- 移行するデータの件数、ファイルの数、移行元のツール
- 連携するシステム(CRM・SFA・Webサイト・広告アカウントなど)
- 作るフォーム、メールテンプレート、LPの数
- 社内で用意するもの(メール本文、資料、事例)と、支援会社に書いてほしいもの
- 引き渡し後に質問できる期間と、その間の対応範囲
見積書で読み落としやすいのは、除外事項の欄です。「コンテンツ制作は含まない」「連携先の設定変更は別途」「修正は2回まで」と書かれていれば、その作業が発生したときに追加費用になります。除外事項が一行も書かれていない見積もりは、範囲を広く約束しているのではなく、範囲の境目を決めていないと読みます。
安い見積もりで契約し、要件定義のあとに「その作業は契約に含まれていません」と言われて追加の見積もりが出ると、最初に高い見積もりを出した会社と同じ金額かそれ以上になります。契約前に、範囲外の作業が出たときの単価と承認の手順を確認しておきます。
ツールそのものの選び直しや、既存のMAから別のMAへの移行を含む場合は、データ移行と並行運用の期間が見積もりに入っているかも確認します。旧ツールの解約日と新ツールでの配信開始日の間が空くと、その間の配信が止まります。
支援会社の4つのタイプと、自社の詰まりに合わせた選び方
MAの導入を支援する会社は、ツールベンダー、代理店・認定パートナー、コンサル・外部CMO型、制作会社の4つのタイプに分かれます。どのタイプが合うかは、会社の規模や認定の有無ではなく、自社がどの工程で詰まっているかで決めます。
| タイプ | 得意な工程 | 手薄になりやすい工程 | 合う会社 |
|---|---|---|---|
| ツールベンダー(公式の導入支援) | 機能の使い方、初期設定の進め方、操作研修 | 自社の営業の流れに合わせた設計、毎月の運用 | 設計は社内でできて、操作を早く覚えたい会社 |
| 代理店・認定パートナー | 初期設定、データ移行、連携、運用代行 | MAより手前の、誰に何を届けるかの設計 | ツールが決まっていて、設定と移行の作業量が多い会社 |
| コンサル・外部CMO型 | 要件定義、営業との引き渡し条件、KPIの設計、内製化 | 大量の設定作業や制作物の量産 | 何をMAで自動化するかがまだ決まっていない会社 |
| 制作会社 | メール、LP、資料、フォームの制作 | スコアリングや連携の設計、データ移行 | 設計と設定は決まっていて、配信するコンテンツが足りない会社 |
営業責任者から「MAから来るリードは質が低い」と言われている会社が、設定作業の得意な代理店に導入を頼むと、設定は予定どおり終わっても、営業に渡すリードの条件が決まらないまま配信が始まります。この場合に先に要るのは、引き渡し条件とKPIを決める工程で、コンサル・外部CMO型か、要件定義から入れる代理店が合います。反対に、引き渡し条件は社内で決まっていて、移行するデータが多い会社がコンサル型だけに頼むと、設定作業の量に対して費用が割高になります。
1社にすべての工程を頼む必要はありません。要件定義と引き渡し条件の設計はコンサル型、設定と移行は代理店、メール本文は制作会社と分けると、各社の得意な工程だけを買えます。その場合は、設計書を誰が持ち、各社の作業をどこで突き合わせるかを社内で決めておかないと、会社の間で作業が抜け落ちます。外部CMO型の支援が、実行を担う会社とどう役割を分けるかはマーケティング顧問・外部CMOの役割で比べられます。
HubSpotを導入する場合、認定パートナーのティアは、パートナー会社が獲得・管理している顧客の月額契約額から計算される点数で決まるもので、担当者の設計力や自社の業種での経験を示すものではありません。パートナーを選ぶときの見方はHubSpotパートナーの選び方で、ティアとは別の基準で確かめます。
支援会社のタイプを選ぶ前に、導入が止まりそうな工程を1つだけ挙げます。引き渡し条件が決まらないならコンサル型、設定と移行の作業が多いなら代理店、配信する中身が足りないなら制作会社が、その工程を担えます。
契約前の打ち合わせと契約書で確かめること
契約前の打ち合わせでは、実際に作業する担当者、支援会社が最初に聞いてくる内容、設計書の納品の有無を確かめます。契約書では、管理者権限と契約名義、成果物の帰属、解約時の引き継ぎを決めます。
初回の打ち合わせで分かること
初回の打ち合わせで支援会社が何を聞いてくるかで、その会社がどの工程から考えるかが分かります。ツールの機能の説明から始まり、フォームの数とリストの件数だけを聞いて終わる会社は、設定作業を中心に見積もります。営業がリードを受け取ったあとに何をしているか、商談になったリードとならなかったリードの違いは何かを聞いてくる会社は、引き渡し条件から設計します。
打ち合わせでは、次の質問を支援会社に投げます。
- 提案書を書いた人と、実際に設定する人は同じか。違う場合、設定する人の経験はどのツールでどれくらいか
- 要件定義書と設定一覧を納品物に含めるか。含める場合、どの形式で渡すか
- 自社と同じ商流(営業が商談で受注する、代理店経由で売るなど)での導入経験があるか
- 引き渡しのあと、社内の担当者が設定を変えたいときに、どこまで質問に答えてもらえるか
契約書に書いておくこと
MAツールの契約名義と管理者権限は、自社で持ちます。支援会社の名義でツールを契約したり、支援会社の担当者だけが管理者権限を持っていたりすると、支援会社を変えるときにアカウントの引き継ぎから交渉が始まり、配信が止まります。導入の段階から、自社の担当者を管理者にし、支援会社にはユーザー権限を付与する形にしておきます。
作成したシナリオ、テンプレート、設計書を誰が持つか、解約するときに何をいつまでに渡してもらうかも、契約書に書きます。準委任と請負のどちらで契約するかによって、成果物の完成を約束するのか、作業の遂行を約束するのかが変わります。業務委託の契約で決める項目はマーケティング業務委託の契約で、範囲・権利・解約の順に確認できます。
支援を頼まない判断と、範囲を小さく切る頼み方
リストが少なく、連携するシステムがなく、営業に渡す条件が決まっている会社は、支援会社に頼まずに自社で導入を進められます。頼む場合も、詰まっている工程だけを切り出して頼むと、費用を抑えたまま導入を止めずに済みます。
次の条件がそろう会社は、ツール会社の公式の導入支援やヘルプ記事だけで初期設定まで進められます。
- 配信対象のリストが少なく、ひとつのファイルにまとまっている
- CRM・SFAとの連携がない、またはツールの標準の連携で足りる
- 営業に渡すリードの条件が、営業責任者と合意できている
- 社内に、週に数時間を設定と配信に使える担当者がいる
そもそもMAが要るかどうかから迷っている段階なら、支援会社を探す前に、メール配信システムで足りないかを確かめます。配信先が少なく、行動に応じてメールを出し分ける必要がまだない会社では、メール配信システムの選び方の条件に当てはまれば、MAも導入支援も不要です。
MAを入れる前に決めることが残っている会社は、導入支援を頼んでも、要件定義の打ち合わせで決まらない項目が積み上がります。目的、対象リード、営業との役割分担のどれも決まっていない場合は、MA導入の進め方の準備の段階を社内で終えてから、支援会社に見積もりを依頼したほうが、見積もりの前提条件が固まります。
範囲を小さく切るときの分け方
自社で進められる条件がひとつ欠けている場合は、欠けている工程だけを頼みます。データ移行が重いなら移行と連携だけ、引き渡し条件が決まらないなら要件定義だけ、設定の手が足りないなら初期設定だけを切り出します。スタートアップのCEOが自分でMAを契約したものの、設定が途中で止まっている場面では、要件定義と設定のレビューだけを数回のスポットで頼み、作業は社内で続けると、月額の運用代行を契約せずに済みます。
運用代行を頼む場合も、最初から期間を区切り、何か月目から社内に作業を移すかを契約時に決めておきます。期限のない運用代行は、支援会社が作業を持ち続けるため、担当者の異動や支援会社の変更のたびに、設定の意図が分からなくなります。
どの工程を外に出し、どの工程を社内に残すかを見積もりの前に決めたい場合は、MA導入の範囲の切り分けを相談いただければ、支援会社に渡す条件表の作成から一緒に進めます。
まとめ
MA導入支援の費用は、要件定義、初期設定、データ移行と連携、シナリオ設計と制作、運用代行、内製化支援のどこを頼むかと、その前提条件で決まります。ツール会社に払う費用と支援会社に払う費用を分け、支援会社の見積もりは工程別の作業量と除外事項をそろえてから比べます。
支援会社のタイプは、自社が詰まっている工程で選びます。契約前には、実際に作業する担当者と設計書の納品を確かめ、管理者権限と契約名義は自社で持ちます。リストが少なく連携もなく、引き渡し条件が決まっているなら、支援会社に頼まずに自社で進めます。
次にやることは、導入が止まりそうな工程を1つ挙げ、同じ条件表を2〜3社に渡して見積もりを取ることです。
無料相談
MA導入で外に出す工程と社内に残す工程を、見積もりを取る前に決めます
「支援会社の見積もりが3社でまったく違う」「営業に渡すリードの条件が決まらないまま設定が進んでいる」「運用代行をやめどきが分からない」。Ampelは外部CMOとして、営業への引き渡し条件と要件定義を担当者の方と一緒に決め、支援会社に渡す条件表の作成と、見積もりの前提条件の読み合わせまで支援します。
よくある質問
- MA導入支援の費用相場はいくらですか?
- 支援会社をまたいで比べられる公開の相場はなく、どの工程を頼むかと、移行するデータの状態、連携の有無、作るフォームやシナリオの数で決まります。ツール会社の有償の導入支援は料金ページに金額が載っている場合があり、たとえばHubSpotの料金ページには2026年9月時点で、Marketing Hub Professionalの必須の導入支援として360,000円が月額とは別に記載されています。
- MA導入支援とMA運用代行の違いは何ですか?
- MA導入支援は、要件定義から初期設定、データ移行、最初のシナリオの設定までを一度きりで請け負う作業で、一括の見積もりが多くなります。MA運用代行は、導入後の毎月の配信、リストの更新、シナリオの改修、レポートを継続して請け負う作業で、月額固定か時間制の契約が多くなります。
- MAは支援会社に頼まず自社だけで導入できますか?
- 配信対象のリストが少なく、CRM・SFAとの連携がないか標準の連携で足り、営業に渡すリードの条件が決まっていて、設定と配信に時間を使える担当者がいるなら、自社だけで導入できます。どれかが欠けている場合は、欠けている工程だけを支援会社に頼みます。
- MA運用代行はどこまで任せられますか?
- 配信の作業、リストの更新、シナリオの改修、レポートの作成、メール本文や資料の制作までは任せられます。誰をターゲットにするか、どの条件で営業に渡すか、配信内容を承認するかは、自社の事業と営業の判断なので社内に残します。
- 支援会社を途中で変えることはできますか?
- MAツールの契約名義と管理者権限が自社にあり、要件定義書と設定一覧を受け取っていれば、支援会社を変えても設定を引き継げます。支援会社の名義で契約している場合や設計書がない場合は、引き継ぎに時間がかかり、設定の意図を調べ直す作業が発生します。