WordPressで運用している example.com/blog/ のブログをHubSpotに移すと、多くの場合、記事のURLは blog.example.com のようなサブドメインに変わります。HubSpotの記事を同じ /blog/ の位置に表示するにはリバースプロキシの構築が必要で、HubSpotのサポートはその設定を支援していません。
HubSpotのブログ機能は、無料ツールでも1つのブログを公開でき、記事のCTAやフォームがそのままCRMにつながります。一方で、記事とCRMをつなぐだけなら、WordPressにHubSpotのトラッキングコードとフォームを入れれば大半は実現でき、ブログ自体を移す理由になるのは、編集と分析をHubSpotにまとめたい場合、WordPressの保守を手放したい場合、Professional以上のSEO機能を使いたい場合に限られます。
HubSpotを契約済みで、既存のWordPressブログを移すか迷っているなら、判断はURLが変わることを受け入れられるかと、移したあとに使う機能がWordPressのままでは得られないものかどうかで決まります。記事数が多く、検索からの流入で商談が生まれている会社では、ブログをWordPressに残してHubSpotとつなぐ構成のほうが失うものが少ない場合もあります。
目次
HubSpotのブログでできることと、プランで変わる範囲
HubSpotのブログは無料ツールでも1ブログ・100記事まで公開でき、Content Hub Starter以上でHubSpotのロゴ表示を外せます。複数ブログ、トピック(トピッククラスター)、高度なSEO推奨事項はProfessional以上の機能です。
HubSpotのブログとは、HubSpotのCMS(Content Hub)上で記事を作成・公開し、閲覧や問い合わせの記録をHubSpotのCRMと同じデータベースで扱える機能のことです。記事の作成、著者とタグの管理、予約公開、ブログの分析は、公式ヘルプ上「すべての製品とプラン」で使えます。プランで変わるのは、ブログの数、記事数の上限、ブランディングの表示、SEO機能の範囲です。公式の価格ページと製品・サービスカタログで確認できた範囲を次の表にまとめます。
| 項目 | 無料ツール | Content Hub Starter | Content Hub Professional/Enterprise |
|---|---|---|---|
| ブログの数 | 1つ | 1つ | 複数作成できる |
| 記事数 | 100記事まで | 無料より上限が上がる | 上限が大きい |
| HubSpotのロゴ表示 | 表示される | 外せる | 外せる |
| SEO推奨事項 | 基本的な推奨事項 | 基本的な推奨事項 | 高度な推奨事項とサイト全体の監査 |
| トピック(トピッククラスター) | 使えない | 使えない | 使える |
| URLリダイレクト | 使えない | 使える | 使える |
| CTA(ポップアップ・埋め込み) | 使えない | 使える | 使える |
| コンテンツリミックス | 使えない | 使えない | 使える |
表のうち、トピック、URLリダイレクト、CTAは、Marketing Hubの契約でも使える場合があります。トピックはMarketing HubまたはContent HubのProfessional以上、URLリダイレクトはContent Hub Starter以上かMarketing Hub Professional以上、CTAはMarketing HubまたはContent HubのStarter以上が条件です。Marketing Hubだけを契約している会社が「ブログを始めたらロゴが消えない」と気づくのは、ロゴの非表示がContent Hub側の条件だからです。記事数の上限は、公式の価格ページとカタログで記載が一致しなかったため、契約前に製品・サービスカタログの最新版で確認してください。
プランを上げるかどうかをブログだけで決めることはおすすめしません。Content Hub Professionalで増えるのは複数ブログとSEO機能の範囲で、記事を書いて公開するだけならStarterで足ります。メール配信やワークフローなどブログ以外の機能と合わせた比較は、StarterとProfessionalの違いを見て判断します。
WordPressのまま続けるか、HubSpotに移すかを決める条件
記事とCRMをつなぐことだけが目的なら、WordPressのままで足ります。HubSpotに移す理由になるのは、編集・公開・分析を1つの画面にまとめたい、WordPressのプラグインやサーバーの保守をやめたい、トピックやSEO監査をブログと同じ画面で使いたい、のいずれかです。
HubSpotを入れた会社でブログの移行が話題になるのは、たいてい「HubSpotにブログ機能があるのだから、全部まとめたほうがよいのでは」という経営者の一言がきっかけです。まとめることで得られるものと失うものを並べると、判断は次の表のように分かれます。
| 状況 | 向く選択 | 理由 |
|---|---|---|
| ブログをこれから始める。WordPressのサイトはない、または会社案内だけ | HubSpotで始める | URLの変更が起きず、フォームとCTAが最初からCRMにつながる |
| 記事が数十本以下で、検索からの流入がまだ少ない | HubSpotに移してよい | URLが変わっても失う評価が小さく、移行作業も数日で終わる |
| WordPressのプラグイン更新やサーバー保守を担当できる人がいない | HubSpotに移す理由になる | ホスティングとセキュリティをHubSpot側に任せられる |
| 記事が100本を超え、検索経由の問い合わせが毎月ある | WordPressに残す | URL変更の影響が大きく、移しても得られる機能はWordPress側でほぼ代わりがきく |
| カスタム投稿タイプや独自の検索・絞り込み機能で記事を出している | WordPressに残す | HubSpotの取り込み機能はカスタム投稿タイプに対応せず、同じ機能をテンプレートで作り直す必要がある |
| サービスサイトがWordPressで、ブログだけHubSpotに移したい | 原則WordPressに残す | ブログだけ別サブドメインになり、デザインと計測が2か所に分かれる |
判断を分ける最初の問いは、移したあとに使いたい機能が、WordPressのままでは得られないものかどうかです。HubSpotのWordPressプラグインを入れると、トラッキングコードが自動で全ページに入り、HubSpotのフォームやチャットをWordPressの記事に置けます。記事の閲覧履歴がコンタクトに残る、フォーム送信でコンタクトが作られる、ワークフローでフォローメールを送る、といったCRM側の働きは、ブログがWordPressにあっても変わりません。
WordPressのままでは得にくいのは、記事の編集画面の中でSEO推奨事項を見ながら直す作業、ブログ分析とCRMの数字を同じ画面で見ること、プラグインの更新やサーバー障害への対応が不要になることの3つです。記事を書く人がマーケティング担当者1人で、WordPressの保守も同じ人が抱えているなら、保守を手放せることは移行の理由として十分です。
移すかどうかは、HubSpotのブログ機能が優れているかではなく、移したあとに使う機能がWordPressにHubSpotのプラグインを入れた状態では得られないかどうかで決めます。
WordPressに残すと決めた場合でも、サービスサイトとは別の用途、たとえば広告の遷移先やウェビナー申込のページをHubSpotで作る選択はあります。その置き分けはHubSpotランディングページとWordPressの置き分けの基準で決め、ブログとは切り離して考えます。
ブログをどこに置くかより先に、どの検索に答える記事を書くかを決めておくと、移すかどうかの判断もしやすくなります。BtoBのSEOで書くテーマの決め方に沿って、着手するテーマと記事から商談までの導線を決めてから置き場所を選びます。
ブログのURLをどこに置くか
HubSpotでブログを公開する場合、URLは blog.example.com のようなサブドメインにするのが標準の構成です。WordPressサイトと同じドメインの /blog/ に置くにはリバースプロキシが必要で、その構築と保守は自社か制作会社が担います。
ブログのURLの置き方は、次の3通りです。
多くの会社が選ぶのはBのサブドメインです。HubSpotの[ドメインとURL]の設定でサブドメインを接続し、DNSにCNAMEレコードを追加すれば公開できます。既存のブログを移すときは、転送を正しく設定しても、WordPress時代の記事が持っていた評価がすぐにそのまま引き継がれるとは考えず、公開後の数か月は検索の表示回数を記事ごとに追います。
Cのリバースプロキシは、メインサイトのサーバーやCDNで /blog/ へのアクセスをHubSpotに転送する構成です。HubSpotの開発者向けドキュメントでは、構築はHubSpotのサポート対象外とされ、キャッシュの設定や、単一サーバーで転送しないことなどの条件が挙がっています。社内にインフラを見られる人がいない会社では、制作会社が抜けたあとに誰も直せない構成になりやすいため、URLを維持したいという理由だけでは選びません。
Aのサイト全体の移行は、ブログの判断ではなくサイトリニューアルの判断です。サービスサイトの作り直しを検討している時期なら、BtoBサイトリニューアルの進め方に沿って、CMSの選択とURLの対応表を要件定義の段階で決めます。
HubSpotでブログ記事を作成して公開するまでの流れ
最初にブログ設定で公開先のドメインとテンプレートを決め、そのあと記事ごとに本文、[設定]のスラッグとメタディスクリプション、[最適化]の推奨事項を確認して公開します。
ブログ設定で公開先とテンプレートを決める
記事を書く前に、設定アイコンから[コンテンツ]の[ブログ]を開き、ブログ名、ブログのURL(ドメインとスラッグ)、記事と一覧ページのテンプレートを決めます。同じ画面で、日付の表示形式、コメントの有効化、購読者へのメール通知の頻度、RSSフィード、ソーシャル共有ボタンも設定できます。URLはこの時点で確定させます。公開後にブログのURLを変えると全記事のURLが変わり、転送の設定が記事数だけ必要になるためです。
著者とタグを先に作っておく
著者は記事ページに表示され、タグは記事の一覧ページとして公開されます。タグを記事ごとに思いつきで作ると、1記事しか属さないタグページが増えます。WordPressのカテゴリーに当たる分類を5〜10個程度に絞ってから作り始めると、一覧ページが薄いまま検索エンジンに登録される状態を避けられます(数は実務上の目安です)。
記事を作成し、[設定]でURLとメタ情報を入れる
[コンテンツ]の[ブログ]で[作成]を押し、ブログと言語を選んで本文を書きます。エディターの[設定]では、著者、タグ、コンテンツスラッグ(記事のURL)、メタディスクリプション、アイキャッチ画像を入れます。[詳細]の項目では正規URL(canonical)も指定できます。スラッグは英単語で短くし、記事のテーマが変わっても使える語にします。URLの付け方の考え方はテクニカルSEOで最低限やることと同じです。
[最適化]で推奨事項を確認し、予約公開する
エディターの[最適化]には、その記事のSEO推奨事項と、トピックを使っている場合の紐づけが表示されます。確認が終わったら[公開]の横のメニューから日時を指定して予約するか、そのまま公開します。公開前にプレビューで、記事下のCTAとフォームが表示されるか、スマートフォン幅で表が崩れないかを確かめます。
SEO推奨事項とトピックは、どこまで使えばよいか
SEO推奨事項は、インデックスやタイトル、画像の代替テキストなど、記事を公開する前に直せる項目を確認するために使います。トピックは、記事同士のリンクの抜けを見つける台帳として使い、キーワード選定の根拠にはしません。
HubSpotのSEO推奨事項は、アクセシビリティ、クロールとインデックス、モバイル表示、ページ内のSEO、パフォーマンス、セキュリティ、ユーザー体験の7分類で問題を表示します。サイト全体の一覧でも、記事ごとの[最適化]でも確認できます。無料ツールとStarterは基本的な推奨事項まで、Professional以上はサイト全体の監査を含む高度な推奨事項が使えます。
推奨事項をすべてゼロにしようとすると、記事を書く時間が削られます。記事を公開する担当者が確認するのは、タイトルとメタディスクリプションの欠落・重複、画像の代替テキスト、見出しの構造、リンク切れの4つで足ります。表示速度やセキュリティに関する項目はテンプレートやドメイン設定の問題であることが多く、記事単位では直せません。月に1回、サイト全体の一覧を開き、テンプレート起因の項目だけを制作担当にまとめて依頼します。
トピックは、Marketing HubまたはContent HubのProfessional以上で使える機能で、[マーケティング]の[SEO]にある[トピッククラスター]から作ります。トピック名を入れると月間検索数と難易度が表示され、トピックごとにピラーページと、最大100個のサブトピックキーワードを登録できます。サブトピックに記事を紐づけると、ピラーページとの間にリンクがあるかどうかが一覧で分かります。
日本語のBtoB商材の専門的な語では、トピック画面の検索数が小さく表示され、比べる材料にならないこともあります。どのキーワードで記事を書くかは、商談から逆算するキーワード選定で決め、トピック画面には決めた結果を登録します。ピラーとクラスタ記事の役割分担やリンクの張り方は、HubSpotの機能に関係なくトピッククラスタとカテゴリーを破綻させない内部リンク設計の手順で設計できます。トピック機能の役割は、設計したリンクが実際に張られているかを確かめることです。
トピックでは既存ページの検索に加えて、外部URLも紐づけられます。WordPressに記事を残したままProfessionalを契約している会社でも、トピックの登録自体はできますが、記事ごとの[最適化]パネルでの確認はHubSpot上の記事に限られます。トピック機能のためだけにブログを移す必要はありません。
記事のCTAとフォームで、CRMに何が残るか
HubSpotのブログでは、記事に置いたCTAとフォームの結果がコンタクトの記録に直接つながり、フォーム送信の前に読んでいた記事も履歴として残ります。営業が商談前に「どの記事を読んでから問い合わせたか」を確認できることが、記事とCRMがつながる一番の価値です。
記事に置けるCTAは、ページ上部や下部に固定するバナー、時間やスクロールで表示するポップアップ、画面の隅から出るスライドインのポップアップ型と、本文に埋め込むボタンや画像の埋め込み型です。CTAはMarketing HubまたはContent HubのStarter以上が必要です。フォームは無料ツールでも作成でき、記事の本文やテンプレートに埋め込めます。フォームの項目と通知の設定はHubSpotフォームの作り方と同じ手順です。
フォームが送信されると、その人がそれまでにトラッキングコードのあるページで見ていた閲覧履歴がコンタクトに紐づきます。資料請求をした人のコンタクトを開くと、「料金比較の記事を2回、導入事例の記事を1回見てから送信した」といった経緯が分かります。インサイドセールスが初回の電話で「比較記事をご覧になっていましたが、他社と比べている段階ですか」と聞けるのは、この履歴があるからです。
ブログの分析画面では、記事ごとの閲覧数、直帰率、CTAのクリック数とクリック率、流入元を見られます。記事の評価は閲覧数ではなく、その記事を経由したフォーム送信と、その後の商談で見ます。どの記事に何のCTAを置くかは、記事を読む人の検討段階で変えます。比較や料金の記事には相談の申込、ノウハウの記事には資料のダウンロードを置く、といった組み合わせの決め方は検討段階ごとのCTA設計で決めます。
フォームを送信していない訪問者についても、会社単位でどの記事を見ていたかを確認できる機能があります。営業がどの時点で連絡するかの条件はHubSpotで訪問企業を把握する方法で決めます。ここまでの働きは、WordPressにトラッキングコードとHubSpotのフォームを入れた場合もほぼ同じです。記事とCRMの連携を理由にブログを移すかを考えている場合は、いまのWordPressの構成のままで得られる範囲を確認したうえで、移すかどうかを一緒に判断します。
WordPressから移すときの作業と手間
記事本文の取り込みはHubSpotのインポート機能で数時間で終わります。手間がかかるのは、テンプレートの作り直し、旧URLからの転送、本文内のリンクと画像の確認、WordPress側で動いていた機能の置き換えの4つです。
HubSpotには、WordPressのブログを取り込む方法が4つあります。ブログのトップページのURLを入れてREST API経由で取り込むWordPress connect、公開中の記事のURLからテンプレートの構造を読み取るスマートコピー、CSVファイルのアップロード、WordPressから書き出したXMLファイルのアップロードです。WordPressの場合は、公式ヘルプでもWordPress connectを最初に試すことが案内されています。
WordPress connectで取り込まれるのは、タイトル、SEOタイトル、著者、公開日、アイキャッチ画像、カテゴリーとタグ、メタディスクリプション、本文です。カスタム投稿タイプには対応していません。REST APIを止めているサイトや、セキュリティ用のプラグインがAPIへのアクセスを制限しているサイトでは取り込めないため、その場合はXMLかCSVに切り替えます。取り込みには、ブログの編集・公開・インポートの権限が必要です。
移行作業を順に並べると次の表のようになります。本文の取り込みより前後の作業のほうが時間を使います。
| 順番 | 作業 | 誰が担うか | 確認すること |
|---|---|---|---|
| 1 | 旧URLの一覧を書き出す | マーケティング担当 | 記事、カテゴリー・タグ一覧、著者ページまで含める |
| 2 | ブログのテンプレートを用意する | 制作会社または担当 | 既存のデザインに寄せるか、HubSpotのテーマで作り直すか |
| 3 | 記事を取り込み、下書きで確認する | マーケティング担当 | 表、図版、埋め込み、ショートコードが崩れていないか |
| 4 | 本文内のリンクと画像の参照先を直す | マーケティング担当 | 旧ドメインを指す内部リンクや画像URLが残っていないか |
| 5 | 旧URLから新URLへの301転送を設定する | サーバー管理者 | 全記事が1対1で転送され、転送の連鎖が起きていないか |
| 6 | フォーム、CTA、計測タグを置き換える | マーケティング担当 | WordPressのフォームプラグインや計測タグの代わりが動くか |
| 7 | サイトマップを送信し、表示回数を追う | マーケティング担当 | Search Consoleで新URLがインデックスされているか |
HubSpotのURLリダイレクト機能は、HubSpotに接続してホストしているドメインでしか動きません。example.com/blog/ から blog.example.com へ移す場合、転送はWordPressのサーバー側で設定する必要があり、WordPressの契約を解約すると旧URLからの転送も止まります。
テンプレートは取り込まれないため、既存のデザインに合わせたいなら、HubSpotのテーマを基に作り直します。WordPressのテーマで作り込んだ目次、関連記事、著者ボックス、記事内の装飾クラスは、そのままでは動きません。本文内のショートコードやプラグイン独自のブロックは文字列のまま残るため、下書きの段階で全記事を目で確認します。記事数が多い場合、確認作業の工数は取り込み作業の何倍にもなります。
転送の設定と確認は、移行の中で最も省略してはいけない作業です。旧URLと新URLの対応表を作り、公開後に全行を実際に開いて転送先を確かめます。移行の前後で順位や表示回数が変わった記事を見つけられるよう、移行前の1か月分の記事別の表示回数をSearch Consoleから書き出して残しておきます。
HubSpotに移さないほうがよい場合と、WordPressに残したまま組み合わせる方法
検索経由の問い合わせがすでに毎月ある、記事数が多い、WordPressを保守できる人か制作会社がいる、の3つに当てはまるなら、ブログはWordPressに残し、HubSpotはトラッキングとフォーム、CTAで組み合わせます。
移さない判断が合う1つ目の場面は、検索からの問い合わせが成果として出ている場合です。URLが変わると、評価が新しいURLに移るまでの期間、表示回数が落ちる記事が出ることがあります。問い合わせを生んでいる記事の流入が数か月落ちるリスクは、編集画面が1つになる利便性と釣り合いません。
2つ目は、記事数が多く、テンプレートや記事内の装飾に手をかけてきた場合です。移行の工数の大半は、記事の見た目の確認と修正に使われます。その工数を新しい記事の執筆に使ったほうが、商談につながる記事は増えます。記事を増やすペースと体制の決め方はオウンドメディアの運用体制で決めます。
3つ目は、WordPressの保守を見られる人がいる場合です。保守の負担がないなら、移行で得られる利点の1つが消えます。
WordPressに残す場合は、HubSpotのWordPressプラグインを入れてトラッキングコードを全ページに入れ、問い合わせと資料請求のフォームをHubSpotのフォームに置き換えます。記事内の資料ダウンロードの導線は、Starter以上ならHubSpotのCTAを埋め込めます。外部のページにCTAを置く場合も、トラッキングコードかプラグインが先に入っている必要があります。ここまで設定すれば、記事を読んだ人がフォームを送信したときの閲覧履歴、フォーム送信後のワークフロー、記事経由の商談の数は、HubSpot上のブログと同じように扱えます。
逆に、ブログをこれから始める会社、WordPressのサイトを持っていない会社、記事が少なく検索流入もまだない会社は、HubSpotで始めて問題はありません。あとからWordPressに移す場合も、同じ転送の作業が発生することだけは頭に入れておきます。
移す前に、HubSpot CMSをやめるときに必要になる移転を確かめ、プランを下げたときのページとURLリダイレクトの扱いを把握しておきます。
まとめ
HubSpotのブログは無料ツールでも1ブログ・100記事まで公開でき、Content Hub Starter以上でロゴを外せます。複数ブログ、トピック、サイト全体のSEO監査はProfessional以上です。記事のCTAとフォームがCRMにつながり、問い合わせの前に読んだ記事がコンタクトに残ることが、HubSpotで記事を扱う価値です。
ただし、その連携はWordPressにHubSpotのトラッキングコードとフォームを入れても得られます。ブログをHubSpotに移す理由になるのは、編集と分析を1つにまとめたい、WordPressの保守を手放したい、Professional以上のSEO機能を記事の編集画面で使いたい、の3つです。既存のブログを移す場合はURLがサブドメインに変わることが多く、転送はWordPress側のサーバーで設定し続ける必要があります。
次にやることは、Search Consoleで記事別の表示回数と、HubSpotで記事経由のフォーム送信の数を並べ、URLが変わると影響を受ける記事がどれだけあるかを確認することです。影響が小さければ移行の工程表を作り、大きければWordPressにトラッキングコードとHubSpotのフォームが入っているかを先に確かめます。どちらが合うか決めきれないときは、いまのサイト構成と記事の数字を見たうえで、ブログの置き場所と移行の段取りを一緒に決めます。
無料相談
ブログをHubSpotに移すか、WordPressに残すかを一緒に決めます
「HubSpotを契約したので、ブログも移したほうがよいのか迷っている」「移したいが、URLが変わって検索流入が落ちないか心配」「記事は読まれているのに、問い合わせとの関係が見えない」。Ampelは外部CMOとして、いまのサイト構成、記事別の検索流入とフォーム送信、HubSpotの契約プランを確認し、ブログの置き場所、移行する場合の工程と転送の設計、移さない場合のHubSpotとの組み合わせ方を担当者の方と一緒に決めます。
よくある質問
- HubSpotのブログは無料で使えますか?
- 使えます。無料ツールでも1つのブログを作成でき、記事は100本まで公開できます。ただし、HubSpotのロゴ表示が入り、外すにはContent Hub Starter以上の契約が必要です。
- HubSpotのブログとWordPressはSEOでどちらが有利ですか?
- CMSの違いで検索順位が大きく変わることはありません。差が出るのは、既存ブログを移したときにURLが変わるかどうかと、記事の中身です。記事数が多く検索流入がある場合は、移行でURLが変わる影響のほうが大きくなります。
- WordPressのブログをHubSpotに移すとURLはどうなりますか?
- 記事のスラッグは取り込めますが、ブログをサブドメイン(blog.example.com など)に置く場合、ドメイン部分が変わります。旧URLからの301転送はWordPress側のサーバーで設定します。HubSpotのURLリダイレクト機能は、HubSpotでホストしているドメインでしか動かないためです。
- HubSpotのSEO推奨事項はどのプランで使えますか?
- 基本的な推奨事項は無料ツールを含むすべてのプランで使えます。サイト全体の監査を含む高度な推奨事項と、トピック(トピッククラスター)は、Marketing HubまたはContent HubのProfessional以上で使えます。
- ブログはWordPressのままで、HubSpotのフォームやCTAだけ使えますか?
- 使えます。HubSpotのWordPressプラグインを入れるとトラッキングコードが全ページに入り、HubSpotのフォームを記事に置けます。CTAはMarketing HubまたはContent HubのStarter以上で、外部サイトに置く場合もトラッキングコードかプラグインが入っていることが条件です。