HubSpotの契約を稟議に上げると、経営会議で「いつから使えるのか」と聞かれます。販売担当からは「早ければ数日で使い始められます」と説明を受けたのに、社内で話を進めると、営業部長は「期初までに切り替えたい」と言い、情シスは「連携の審査に1か月はほしい」と言う。どれを信じて工程を引けばいいのか分からないまま、契約日だけが先に決まっていきます。
HubSpotの導入期間は、ツールの設定作業の量ではなく、どこまでの業務を切り替えるかという導入範囲と、データ移行・連携・社内決裁・営業の巻き込みという4つの要因で決まります。設定そのものは数日から数週間で終わりますが、営業が毎日使い、旧ツールを解約できる状態になるまでには、範囲によって1か月から4か月以上の差が出ます。
HubSpotの導入を任されて工程表を作る立場なら、何週間を見込むかは、Sales Hubまで使うかどうかと、既存のMAやCRMからデータを移すかどうかで見当が付きます。範囲を小さく切って導入プロジェクトを組まないで使い始めたほうがよい会社もあるため、期間を延ばすか削るかの判断も含めて工程を決められます。
目次
HubSpotの導入期間は、導入範囲によって4週間から4か月以上まで開く
HubSpotの導入期間とは、契約してから、決めた業務をHubSpotだけで行える状態に切り替えるまでの期間のことです。実務上の目安では、Marketing Hubだけの新規導入なら4〜8週間、Sales Hubも使うなら8〜12週間、既存ツールからの移行を伴うなら12〜16週間を見込みます。
検索すると「1〜3日で導入できる」という説明と「半年かかった」という話が並びますが、両者は別のものを数えています。前者はトラッキングコードの設置やフォームの作成など設定作業の日数で、後者は営業の入力が定着し、旧ツールの契約を止めるまでの日数です。経営会議で答えるべきなのは後者で、工程表もそこを終点にして引きます。
導入範囲ごとの目安は次のとおりです。いずれも統計ではなく、BtoB企業の導入に関わってきた実務上の目安で、社内の決裁や連携の数によって前後します。
| 導入範囲 | 期間の目安 | 終点にする状態 | 期間が延びる主な要因 |
|---|---|---|---|
| Marketing Hubのみ(既存データが少ない新規導入) | 4〜8週間 | フォームとメール配信がHubSpotに移り、問い合わせがコンタクトとして記録される | ドメイン認証のDNS変更、Webサイト側の改修 |
| Marketing Hub+Sales Hub(営業も取引を管理する) | 8〜12週間 | 営業が取引をHubSpotで更新し、営業会議の数字がHubSpotから出る | 取引ステージの合意、営業の試用期間 |
| 既存のMA・CRMからの移行あり | 12〜16週間 | 旧ツールでの作業がなくなり、解約できる | データの量と履歴の扱い、連携の作り直し、並行稼働 |
| 複数事業部・基幹システム連携あり | 4〜6か月以上 | 事業部ごとに順番に切り替わる | 事業部間の定義の統一、情シスの審査、連携の開発 |
範囲を決めるときは、「HubSpotで何ができるか」から考えず、「本番切り替えの日に、どの業務をHubSpotだけで行っているか」を先に書き出します。「問い合わせの受付と一次対応メール」なのか、「営業の取引管理と週次の営業会議」まで含むのかで、上の表のどの行に当たるかが決まり、関わる人の数も変わります。プランの選び方で迷っている段階なら、StarterとProfessionalの違いで範囲に合うプランを決めてから工程を引きます。
期間の幅はデータ移行・連携・社内決裁・営業の巻き込みの4つで決まる
同じ導入範囲でも期間に倍の差が出るのは、データ移行の量、連携の数、社内決裁の段数、営業を巻き込むタイミングの4つが会社ごとに違うからです。見積もりの段階でこの4つを確認すれば、工程表の幅を狭められます。
データ移行の量は、件数より「オブジェクトの種類」と「履歴を持ってくるか」で決まる
コンタクトが3万件あっても、項目が揃ったリスト1本なら、インポートは数日で終わります。時間がかかるのは、コンタクト・会社・取引の関連付けを保ったまま移す場合と、過去のメール開封や商談メモなどの履歴を持ってくる場合です。旧CRMから取引の履歴を移すなら、ステージの対応表を作り、テスト用のデータで関連付けが崩れないかを確かめる工程が入り、2〜3週間を見込みます。移行前の重複や表記揺れの整理はHubSpotデータ整備の進め方の手順で行いますが、誰がどのデータを残すと判断するかを決める時間も工程に入れておきます。
連携の数は、1本ごとに「同期の向き」と「正のデータ」を決める打ち合わせが要る
Googleカレンダーやメールの接続のように、公式のアプリをつなぐだけで済む連携は、工程の長さをほとんど変えません。期間が延びるのは、会計システムや基幹システム、自社サービスのデータベースとつなぐ場合です。どちらのシステムを正とするか、どの項目をどちら向きに同期するかを決め、テスト環境で動作を確かめるまでに、1本あたり2〜4週間かかることがあります。連携方法の選び方と同期の向きの決め方は、HubSpot連携の進め方に沿って連携ごとに決めます。
社内決裁は、承認の段数と承認者の予定で決まる
設計の承認を部長1人が当日に出せる会社と、情報システム部門のセキュリティ審査、法務の契約確認、役員会での承認が順番に必要な会社では、同じ作業量でも1か月以上の差が出ます。とくに見落とされるのが、メール送信のためのドメイン認証です。DNSの変更を外部の制作会社やサーバー管理者に依頼している会社では、依頼から反映までに1〜2週間かかり、それが終わるまでメール配信のテストに入れません。
営業の巻き込みは、始める週が遅いほど後半に作り直しが出る
取引ステージや必須項目をマーケティング担当だけで決め、完成してから営業に見せると、「このステージは現場では区別していない」「この項目は商談の初回では聞けない」という指摘が出て、構築の後半で作り直しになります。営業代表を1週目の設計レビューから参加させ、8週目前後に実際の商談で2週間試してもらう工程を入れておくと、切り替え後に営業が入力しなくなる事態を防げます。ステージを買い手側の出来事で区切る考え方は取引パイプラインの設計で確認できるため、営業代表との打ち合わせの前に共有しておきます。
データ移行の工程を見積もるときは、ExcelやCRMからHubSpotへデータを移す手順に沿って、移す範囲と取引の履歴を移すかどうかを先に決めると、期間の幅が絞れます。
Marketing HubとSales Hubを使う場合の12週間の工程表
Marketing HubとSales Hubを使い、既存データの移行が中程度の会社なら、設計に2週間、構築と連携に6週間、営業の試用と本番切り替えに4週間を割り当てる12週間の工程が組めます。旧ツールを使っている場合は、切り替え後も一定期間は並行して残します。
次の図は、営業が10名前後で、旧CRMからコンタクトと取引を移し、連携を2本作る会社を想定した工程の例です。設定作業そのものの順番はHubSpot初期設定チェックリストの順で進め、この工程表ではその作業を誰がいつまでに承認するかを管理します。
週ごとの内容と、各期間の終わりに誰が何を承認するかは次のとおりです。承認者の欄が空いている週があると、その週の作業は終わっても次に進めず、工程が止まります。
| 週 | やること | 承認する人 | 終わった状態 |
|---|---|---|---|
| W1〜2 | 本番切り替えの日に行う業務の確定、見たいレポートの決定、プロパティとステージの設計案、ドメイン認証の依頼 | プロジェクト責任者 | 設計書の初版に責任者と営業代表が合意している |
| W3〜4 | ユーザーと権限、プロパティ、取引パイプラインの構築、連携の仕様確認 | 実務担当、情シス | テスト用のデータで取引を作り、ステージを動かせる |
| W5〜6 | フォーム・通知・メールテンプレートの作成、移行データのクレンジングと対応表の作成 | 実務担当 | 移行するデータとしないデータの線引きが決まっている |
| W7〜8 | テストインポート、連携の動作確認、営業用のビューとレポートの作成 | 実務担当、情シス | テストインポートで関連付けと重複に問題がない |
| W9〜10 | 本番インポート、営業代表による実際の商談での試用、指摘の修正 | 営業代表 | 営業代表が2週間、商談をHubSpotだけで記録できた |
| W11〜12 | 全営業への研修、本番切り替え、旧ツールへの入力停止、並行稼働中の差分確認 | プロジェクト責任者 | 営業会議の数字がHubSpotのレポートから出ている |
Marketing Hubだけの導入なら、この表から取引パイプラインと営業の試用の工程が抜け、W1〜2の設計、W3〜5の構築とメール配信のテスト、W6〜8の切り替えという流れで6〜8週間に収まります。既存ツールからの移行がある場合は、W5〜9の移行と連携に4週間ほど足し、並行稼働の期間も長めに取ります。
自社の範囲に当てはめて週ごとの工程を引き直したい場合は、現在のツール構成と切り替えたい日をもとに工程表の作成を相談できます。
責任者・実務担当・営業代表・情シスが担うことと週あたりの時間
導入プロジェクトには、決める人、作る人、使う側の代表、社内システムを管理する人の4つの役割が必要です。1人が兼ねてもかまいませんが、役割ごとに週あたりの時間を先に確保しておかないと、構築の中盤で作業が止まります。
| 役割 | 主な担当 | 週あたりの時間の目安 | 不在のときに起きること |
|---|---|---|---|
| プロジェクト責任者(マーケ責任者・営業責任者・CEO) | 導入範囲と終点の決定、設計の承認、部門間の対立の裁定 | 1〜2時間 | マーケと営業で定義が割れたまま構築が進む |
| 実務担当(HubSpotの管理者) | 構築作業、外部パートナーとの窓口、データ移行、研修資料の作成 | 10〜15時間 | 設定がパートナー任せになり、切り替え後に誰も直せない |
| 営業代表 | ステージと必須項目のレビュー、試用、営業チームへの説明 | 2〜3時間 | 切り替え後に営業が入力せず、旧来のExcelが残る |
| 情シス(または社内のIT担当) | DNS変更、シングルサインオン、セキュリティ審査、連携の接続承認 | 1〜3時間 | ドメイン認証と連携が止まり、メール配信のテストに入れない |
時間は実務上の目安で、実務担当の時間は構築期間中の数字です。実務担当を他の業務と兼任させる場合、週10時間を確保できないなら、工程を1.5倍に延ばすか、構築の作業を外部パートナーに寄せるかのどちらかを先に決めます。切り替え後の運用にかかる工数と体制の組み方は、HubSpot運用の工数の目安と体制の決め方で業務ごとに見積もれます。
プロジェクト責任者に求められるのは、設定の中身を理解することではなく、決めるべき日に決めることです。たとえばW2の終わりに、マーケティング担当は「資料請求をMQLに含める」と言い、営業部長は「資料請求は商談につながらない」と言って意見が割れたとします。責任者がその場で「最初の3か月は含め、商談化の件数を見て見直す」と決めれば工程は止まりませんが、持ち帰って2週間後の会議へ持ち越すと、その間ライフサイクルステージとワークフローの構築が進みません。
責任者との定例は、構築期間中は週1回30分を固定で入れておきます。承認が必要な論点を実務担当が前日までに1〜3個に絞って送り、定例ではその可否だけを決めると、承認待ちで止まる日数が減ります。
遅れやすい箇所と、契約前に前倒しできる準備
導入が遅れる箇所は、HubSpotの設定画面の中よりも社内外の人の待ち時間にあります。DNSの変更、旧ツールのデータ抽出、営業との定義の合意の3つは、契約前から着手できます。
工程表の上で遅れが出やすい箇所と、その前倒しの方法を並べると次のようになります。
| 遅れやすい箇所 | 遅れる理由 | 契約前にできる準備 |
|---|---|---|
| ドメイン認証 | DNSの管理者が社外にいて、依頼の窓口が分からない | DNSの管理者と依頼の手順、反映までの日数を確認しておく |
| 旧ツールのデータ抽出 | エクスポートの権限がない、履歴が出力できない形式だった | 旧ツールで出せる項目と形式を試しに出力して確かめる |
| 取引ステージの合意 | 営業ごとに商談の進め方が違い、会議で結論が出ない | 直近の受注案件を数件並べ、どの出来事で次に進んだかを営業代表と書き出す |
| 連携の仕様確認 | 相手側のシステムの担当者やベンダーの回答が遅い | つなぎたいシステムの一覧と、それぞれの担当者を決めておく |
| セキュリティ審査 | 社内のチェックシートの提出と回答に時間がかかる | 契約の検討段階で情シスに審査の要否と必要書類を聞いておく |
| 研修日程の確保 | 営業の予定が埋まっていて全員が集まれない | 切り替え予定の週に、全営業が参加できる1時間を先に押さえる |
もう1つ、契約前に確認しておくのが旧ツールの契約満了日と解約の申出期限です。旧MAの更新日が6月末で、解約の申し出が3か月前までなら、HubSpotの本番切り替えは遅くとも6月の中旬に置き、そこから逆算して契約日を決めます。逆に契約日を先に決めてしまうと、旧ツールの更新に間に合わず、1年分の二重契約になる場合があります。解約の申出期限やデータ抽出期限の確認の仕方はMAツール乗り換えの手順の棚卸しの工程と同じです。
期初や年度の切り替えに合わせて本番切り替えを置く場合は、その前月に営業の繁忙期や大型の展示会が重なっていないかを確かめます。営業の試用期間が繁忙期と重なると、試用が形だけになり、切り替え後に指摘がまとめて出て修正に追われます。
外部パートナーとHubSpot公式の導入支援に頼む範囲
外部に頼むと期間を縮められるのは、構築作業、データ移行、連携の実装のように手順が決まっている工程です。導入範囲の決定、定義の合意、営業への展開は社内でしか進められないため、外部に頼んでも期間は縮みません。
HubSpotの価格表によると、Marketing HubとSales HubのProfessionalとEnterpriseでは、1回限りの導入支援(オンボーディング)の購入が必須です。2026年9月時点の料金は、Marketing Hub Professionalが360,000円、Enterpriseが840,000円、Sales Hub Professionalが180,000円、Enterpriseが420,000円と表示されています。Marketing Hubの価格表の質問と回答の欄では、Starterは導入支援の購入を求められないと案内されています。公式のサービス紹介ページでは、導入支援は企業の目標や組織の規模、利用する製品、既存ツールとの連携に合わせて個別の計画を作り、設定の技術的な案内と戦略面の助言を行うものと説明されています。
公式の導入支援の回数や期間は契約内容によって変わるため、契約前に担当者へ確認し、自社の工程表のどの週にどのセッションを入れるかを決めておきます。公式の導入支援は設定の進め方を案内する形が中心になるため、データ移行や連携の実装、設計書の作成まで外部に任せたい場合は、パートナーや設定代行を別に検討します。社内と外部の分担の目安は次のとおりです。
| 工程 | 外部に頼める範囲 | 社内に残す判断 |
|---|---|---|
| 設計 | 設計書のたたき台、他社での構成例の提示 | 導入範囲、MQLの定義、ステージの区切り |
| 構築 | プロパティ、パイプライン、フォーム、ワークフローの作成 | 作ったものの確認と承認 |
| データ移行 | 対応表の作成、クレンジング、インポート作業 | どのデータを残し、どれを捨てるか |
| 連携 | 連携アプリの設定、APIを使う連携の実装 | どちらのシステムを正とするか |
| 展開 | 研修資料と操作マニュアルの作成、研修の実施 | 営業に入力を求めるルールと、守られないときの対応 |
パートナーに依頼する場合は、見積もりの工程表に「承認する人」の欄があるかを確認します。工程表が作業だけで組まれていると、社内の承認待ちで止まった期間がそのまま延長になり、追加費用の対象になることもあります。設定代行の費用の相場と見積もりの見方はHubSpot設定代行の費用相場で、依頼先の比べ方はHubSpotパートナーの選び方で確認できます。
導入プロジェクトを組まないほうがよい場合と、範囲を削る判断
営業が数名で、既存データがExcelに少しある程度の会社なら、12週間の工程表を組むより、無料プランかStarterで問い合わせの記録から使い始めたほうが早く成果を確かめられます。範囲を広げるのは、使い始めてから足りない機能が分かった後で間に合います。
次の条件が揃っている会社では、導入をプロジェクトとして管理する手間のほうが大きくなります。
- 営業が5名以下で、取引の管理方法をその場で決められる
- 既存のMAやCRMがなく、移すデータが問い合わせの一覧程度
- 基幹システムや会計システムとつなぐ予定がない
- メール配信を始めるのは数か月先で、まずは問い合わせと取引を記録したい
この場合は、トラッキングコードとフォームの設置、取引ステージの作成までを1〜2週間で済ませ、あとは毎週の営業会議でHubSpotの画面を開くところから始めます。3か月使って、取引が記録されていること、問い合わせから商談になった件数が数えられることを確かめてから、Professionalへの切り替えや自動化の範囲を検討します。
反対に、規模の大きい会社でも範囲を削る判断が必要になる場面があります。複数の事業部に同時に導入しようとして、事業部ごとに取引ステージの定義が合わず設計が進まないなら、1つの事業部で先に切り替え、その運用を見本にして次の事業部に広げます。全員の合意を待つより、1つの事業部で3か月使った結果を見せたほうが、次の事業部の合意も得やすくなります。導入の初期に失敗が表れる条件はHubSpot導入が失敗する7つの理由で確認し、範囲を削るかどうかの判断材料にします。
導入後の最初の90日は、成果よりもデータが揃っているかの数字を見る
本番切り替えから90日の間は、商談数や受注額が増えたかではなく、営業が取引を記録しているか、問い合わせが漏れなくコンタクトになっているかを数字で確かめます。データが揃っていない状態で成果の数字を見ても、増えたのか記録が増えただけなのかを区別できません。
切り替え後の定例で見る数字は、たとえば次のとおりです。目安の値は商材や営業の人数で変わるため、切り替えの前に責任者と実務担当で決めておきます。
| 見る数字 | 見る頻度 | 数字が悪いときに見る場所 |
|---|---|---|
| 新しく始まった商談のうち、HubSpotに取引が作られている割合 | 週1回 | 営業がExcelや旧ツールに記録を続けていないか |
| 取引の金額・クローズ予定日・ステージが空欄の件数 | 週1回 | 必須項目が多すぎないか、入力の時点が商談の実態と合っているか |
| Webサイトの問い合わせ件数と、HubSpotで作られたコンタクトの件数の差 | 週1回 | フォームの差し替え漏れや、通知の設定漏れがないか |
| 移行したリストへの配信でのバウンスと配信停止の件数 | 配信ごと | 移行前のクレンジングで古いアドレスが残っていないか |
| 旧ツールやExcelで続いている作業の数 | 月1回 | 並行稼働を終えられない理由が機能不足か、習慣か |
30日目に営業会議を開いたとき、新規商談のうちHubSpotに取引がある割合が半分程度なら、成果を議論する前に、残り半分がどこに記録されているかを営業代表に聞きます。たいていは特定の営業が旧来のExcelを使い続けているか、商談の初回では取引を作らない運用になっているかのどちらかで、前者なら責任者から入力のルールを改めて伝え、後者なら取引を作る時点を工程の定義ごと見直します。
90日目までにこの5つの数字が落ち着けば、そこから商談化率や受注までの日数といった成果の数字をHubSpotのレポートで追えるようになります。受注や売上の数字を経営会議に出すのは、記録の漏れがほぼなくなった後に置きます。
まとめ
HubSpotの導入期間は、Marketing Hubだけなら4〜8週間、Sales Hubも使うなら8〜12週間、既存ツールからの移行があれば12〜16週間が実務上の目安で、その幅はデータ移行・連携・社内決裁・営業の巻き込みで決まります。
工程表は設定作業ではなく、本番切り替えの日にどの業務をHubSpotだけで行っているかを終点にして引きます。期間を縮められるのは、DNSの管理者の確認、旧ツールのデータ抽出、営業代表との定義の書き出しを契約前に始めることと、構築作業を外部に寄せることです。営業が少なく移すデータもない会社は、工程表を組まずに小さく使い始め、3か月後に範囲を広げるかを判断します。
次にやることは、旧ツールの契約満了日と解約の申出期限を確認し、そこから本番切り替えの週を決めることです。そのうえで、責任者・実務担当・営業代表・情シスの4人の名前と週あたりの時間を1枚に書き出すと、上の目安のどの期間に収まるかが見えてきます。
導入範囲の切り方や工程表の引き方を自社の状況に合わせて決めたい場合は、現在のツール構成と社内の体制をもとにご相談ください。
無料相談
切り替えたい日から逆算して、HubSpot導入の工程表を引きます
どの業務から切り替えるか、旧ツールのデータをどこまで移すか、社内の誰がいつ承認するか。Ampelは外部CMOとして、HubSpotの導入をマーケティングと営業の業務に合わせて設計し、構築から定着まで支援しています。現在のツール構成と切り替えたい時期をうかがったうえで、導入範囲の案と週ごとの工程、社内で先に始められる準備を整理してお返しします。
よくある質問
- HubSpotの導入は何ヶ月かかりますか
- 実務上の目安では、Marketing Hubだけの新規導入なら1〜2か月、Sales Hubも使うなら2〜3か月、既存のMAやCRMから移行するなら3〜4か月です。基幹システムとの連携や複数事業部への導入があると、4〜6か月以上かかることもあります。
- HubSpotの導入支援(オンボーディング)は必須ですか
- Marketing HubとSales HubのProfessionalとEnterpriseでは、1回限りの導入支援の購入が必須と価格表に記載されています。Marketing Hubの価格表の質問と回答の欄では、Starterでは購入は求められないと案内されています。
- HubSpotの導入期間を短くするにはどうすればいいですか
- 契約前に、DNSの管理者の確認、旧ツールのデータの試し出力、営業代表との取引ステージの書き出しを始めておくと、構築期間中の待ち時間が減ります。構築やデータ移行の作業を外部に任せる方法もありますが、導入範囲や定義を決める社内の承認が遅れると期間は縮みません。
- 旧ツールとHubSpotの並行稼働はどれくらいの期間にすべきですか
- 並行稼働は、切り替え後に旧ツールでしかできない作業がなくなるまでの期間とし、2〜4週間を目安に終了日を先に決めておきます。終了日を決めないと、営業が旧ツールへの入力を続け、データが2か所に分かれたままになります。
- 社内に専任の担当者がいなくても導入できますか
- 専任でなくても導入できますが、構築期間中は実務担当が週10〜15時間を使える状態にしておく必要があります。確保できない場合は、工程を長めに引くか、構築作業を外部パートナーに任せ、社内は承認と営業への展開に集中します。