営業がCRMに入力しない理由と定着させる方法|入力する側の損得で原因を切り分ける

営業会議の前日の夕方にCRMの更新がまとめて入り、会議が終わると次の前日まで誰も開かない。マネージャーが「入力を徹底してほしい」と言うたびに、営業は「商談で手一杯です」と返す。導入から半年たっても、案件の状況はExcelと口頭で確認している。

営業がCRMに入力しないのは、意識やITの得手不得手の問題ではなく、入力に払う手間に対して、本人に返ってくるものが少ないという損得の結果です。損の中身が項目の多さなのか、二重入力なのか、誰も見ていないことなのかで、やるべきことは変わります。

導入したのに入力がそろわない状況なら、項目を減らすか、入力を次の行動の前提にするか、自動記録に置き換えるかは、営業から見た損の種類で判断できます。営業の人数や売り方によってはCRMへの入力を求めない運用のほうが合う場合もあり、ツールを変えるかどうかも同じ基準で見極められます。

営業がCRMに入力しないのは、入力が本人にとって損だから

CRMの定着とは、営業が指示されなくても日々の業務の中でCRMを更新し、その情報で自分とチームの次の行動を決めている状態のことです。定着しないときは、入力の手間が見返りを上回っています。

営業の1日で考えると分かりやすくなります。午前に2件の商談を終えた営業が、移動中にCRMを開くかどうかを決めるとき、頭の中で比べているのは「いま入力する手間」と「入力して自分に返ってくるもの」です。項目が20個あって1件に10分かかり、しかも入力した内容を誰も見ないなら、入力は夕方に回り、夕方には翌日の商談準備が優先されて、さらに先送りになります。

手間の側にあるのは、項目の多さと、Excelや日報に同じことを書く二重入力です。見返りの側で欠けやすいのは、入力しても自分の仕事が楽にならないことと、上司が見ていないことです。営業から見た損は、この4つのどれか、または組み合わせで起きています。

営業から見た入力の損得 入力で払う手間 ・項目が多く、1件の入力が重い ・Excelや日報と同じことを二重に書く 入力で返ってこないもの ・入力しても自分の仕事が楽にならない ・上司が見ず、口頭で聞き直される 手間が見返りを上回ると 入力は後回しになる 対策は、手間を減らすか、見返りを作るか
図1:営業から見た入力の損得。4つのうちどれが起きているかで対策が変わる

研修や入力ルールの説明会は、操作が分からないという問題には役立ちますが、損得が逆転している状態は変えません。使い方を覚えた営業が、損だと分かったうえで入力しないのであれば、次に必要なのは説明ではなく、手間か見返りのどちらかを動かす設計です。見たいレポートを決めずに項目を作ったなど、導入時の設計の順番に問題がある場合は、レポートから逆算するCRMの設計に戻ってやり直すほうが早く済みます。

入力しない理由を4つに分け、自社で起きているものを見分ける

4つの原因は、営業に「なぜ入力しないのか」と聞いても区別できません。CRMのデータと営業の日々の動きから、どれが起きているかを判定します。

営業に理由を聞くと、ほぼ全員が「忙しいから」と答えます。忙しさは4つの原因のどれでも起きる結果なので、判定には使えません。次の表の「現場で見える兆候」を、CRMのデータと会議の様子から確かめます。

原因営業から見た損現場で見える兆候最初にやること
入力しても自分に返ってこない入力は上への報告で、自分の商談には使われない営業が自分の案件を手帳や個人のExcelで別に管理している営業本人が朝に開く画面(今日の連絡先、期日の来た次回アクション)を作る
項目が多く1件の入力が重い商談の合間に入力が終わらない必須項目に「未定」「その他」やダミーの値が多い判断に使われない項目を必須から外す
Excelや日報との二重入力同じ内容を2か所以上に書く週報や会議用Excelの提出が残っている。見積書が別のシステム報告の経路をCRMに一本化し、Excelの廃止日を決める
上司が見ていない入力しても反応がなく、結局口頭で聞かれる会議資料がCRM以外で作られている。マネージャーがCRMをほとんど開かないマネージャー側の運用を先に変える

入力しても自分に返ってこない

見落とされやすいのがこの原因です。CRMの画面がマネージャーの案件一覧のためだけに作られていると、営業にとっての入力は報告書の作成と同じになります。営業本人が朝に開いて「今日連絡すべき相手」「次回アクションの期日が来た案件」が分かる画面があれば、入力した情報は翌朝の自分に返ってきます。個人のExcelで案件を管理している営業がいたら、そのExcelの列は、本人が仕事で実際に使っている情報です。CRMの項目と見比べると、CRMに何が足りないかが分かります。

項目が多く、1件の入力が重い

必須項目が多いと、営業は分からない項目にダミーの値を入れて先に進みます。「未定」や「その他」の割合が高い項目は、入力されているように見えて判断には使えません。空欄とダミーの多い項目を並べると、そのまま削る候補の一覧になります。

Excelや日報との二重入力

CRM導入前から続く週報や、経営会議用のExcelが残っていると、営業は同じ商談の状況を2回書きます。どちらか一方しか書く時間がないとき、営業は上司が実際に読むほうを選びます。読まれているのがExcelなら、CRMは後回しになります。見積書を別のシステムで作っている場合も、金額と日付を2か所に入れる二重入力が起きています。

上司が見ていない、口頭で聞き直される

営業が入力した翌日に、マネージャーから「あの案件どうなった?」とチャットで聞かれると、営業は入力しても意味がなかったと受け取ります。入力しない営業と、入力しても聞き直される営業の手間が同じなら、入力しないほうが合理的です。

4つが同時に起きている会社では、上司が見ていない問題から手を付けます。項目を減らしても、読む人がいなければ入力する理由は生まれないためです。

入力項目は「その項目で誰が何を決めるか」で残すものを選ぶ

項目を減らすときの基準は、入力の手間ではなく、その項目を読んで判断する人がいるかどうかです。読む人と判断が言えない項目は、必須から外すか削除します。

項目数の上限だけを決めて削ると、残すべき項目まで消え、半年後に「あの情報がない」と言って復活させることになります。削る前に、現在の項目を一覧にして、項目ごとに次の3つを書き出します。

  1. この項目を読むのは誰か(営業本人、マネージャー、マーケ、経営)
  2. その人はこの項目を見て何を決めるか(追客の優先順位、予算の配分、見込みの報告など)
  3. いつ見るか(毎日、週次会議、月次、四半期)

3つとも答えられる項目は残します。読む人はいるが判断が曖昧な項目は、自由記述を選択肢の形に直すと使えるようになる場合があります。誰も答えられない項目は、「いつか分析に使うかもしれない」という理由で残っていることが多く、必須から外すか削除します。

場面で考えます。営業マネージャーが週次会議の前に案件一覧を開き、「受注予定日が今月で、次回アクションが未設定の案件」を探しているとします。この判断に使っているのは、受注予定日、次回アクションの期日、金額、ステージの4つで、業種や従業員規模は使っていません。業種や規模はマーケが月次でセグメント別の受注率を見るときに使う項目なので、フォームや企業データから自動で入る形にすれば、営業の入力から外せます。

必須にする項目を、ステージを進めるときの根拠になるものに限ると、営業が入力する理由と項目が一致します。ステージごとの必須項目は取引パイプラインの出口条件と必須項目の絞り方、項目を新しく作るときの基準はプロパティの作成基準と棚卸しのルールと同じ考え方で決められます。

自由記述の「商談メモ」を必須にすると、「特になし」「打ち合わせ実施」のような一行が並びます。メモは任意にして、必須にするのは次回アクションの内容と期日にしたほうが、後から読める情報が残ります。

入力しないと次の行動に進めない状態を作る

入力をお願いする運用から、入力しないと営業自身の次の仕事が始められない運用に変えます。見積の作成、社内への支援依頼、会議の議題を、CRMのレコードを起点にします。

1 商談が終わる 面談の予定と送受信のメールは 連携で自動に残る(手入力なし) 2 見積・提案書を出す CRMの取引から作成する 金額と受注予定日が取引に残る 3 社内に支援を頼む 依頼はCRMのレコードから出す 経緯のない依頼は受け付けない 4 週次の営業会議 CRMの画面を映して進める 更新のない案件は古い情報のまま映る
図2:営業が必ず通る行動を、CRMへの記録の起点にする

会議はCRMの画面で進める

週次の営業会議で、別に作った資料ではなくCRMの案件一覧をそのまま映すと、更新していない案件は古い情報のまま議題に上がり、担当者がその場で説明することになります。会議でCRMの画面を使い始めるときは、会議資料の作成をやめてCRMで報告を完結させる運用を同時に始めないと、営業は資料とCRMの両方を更新することになります。

会議の前日に営業が慌てて更新するようになったら、第一段階は通過です。そこから先、会議の直前ではなく商談の直後に入力されるようにするには、会議以外の起点を足します。マーケと営業が合同で見る月次の会議でも、判断案と決定ログを事前に共有する定例にCRMの商談データを持ち込むと、営業は自分の入力がマーケの予算判断に使われる場面を会議で見ることになります。

見積・提案書はCRMの取引から出す

見積書をCRMの取引レコードから作成する運用にすると、見積を出したい営業は、先に取引を登録して金額と受注予定日を入れる必要があります。見積を出す行為とパイプラインの金額が更新される行為が1つになるため、マネージャーが見込み金額を聞き直す必要もなくなります。CRMに見積の機能がない場合でも、見積番号を取引に記録しないと見積書を発行できないという社内ルールで、同じ状態に近づけられます。HubSpotを使っているなら、商品ライブラリの整え方と日本の見積書とのずれの割り切り方を先に決めておくと、見積の書式をめぐって現場と揉めずに移せます。

社内への依頼はCRMのレコードから出す

技術担当の同行、インサイドセールスへの追客依頼、値引きの承認といった社内への依頼を、CRMの取引や顧客のレコードから出すルールにします。依頼を受ける側は、レコードに経緯が書かれていれば背景を聞き直さずに済み、依頼する営業は、経緯を書かないと依頼が通らなくなります。失注や保留になった案件をマーケやインサイドセールスに戻すときも同じで、差し戻しの理由コードと戻し先のルールをCRM上で決めておくと、戻した後の追客が途切れません。

入力を条件にする場面を増やしすぎない

入力を前提条件にする場面は、2つか3つにとどめます。承認や依頼のたびに入力項目が増えると、営業は必要な欄だけを形式的に埋めるようになり、手間が見返りを上回る状態に戻ります。条件を置くのは、営業が必ず通る行動で、かつその入力を誰かが読む場面に限ります。

見積や承認の流れは会社ごとに違うため、どの行動を起点にするかも変わります。現在の営業フローを見ながら、入力の起点をどこに置くかを一緒に決めることもできます。

手入力の代わりに、メールとカレンダーの連携で自動記録する

顧客とのメールのやり取りと面談の予定は、手で書かせるのではなく、メールとカレンダーをCRMに接続して自動で残します。営業が手で入れるのは、機械では記録できない判断の情報だけにします。

メールやカレンダーとの接続機能を持つCRMでは、営業個人のメールアカウントやカレンダーをつなぐと、顧客との送受信や面談の予定が顧客の記録に残ります。面談の日時、参加者、送ったメールの件名と本文が自動で残れば、「いつ誰と何回接触したか」を営業が報告する必要はなくなります。

自動で残るのは、接触の事実です。顧客の検討の温度感、決裁者が誰か、競合がどこか、次に何をするかは、メールがいくら残っても項目としては埋まりません。手入力を求める項目をこの判断の情報に絞ると、1件の入力は数項目で終わります。

自動記録を入れる前に営業と決めること

自動記録には仕組み上の条件があります。たとえばHubSpotの公式ヘルプでは、接続したカレンダーから作成した会議は、すでに登録されているコンタクトのタイムラインにだけ記録され、参加者のメールアドレスがコンタクトのメールアドレスと一致している必要があると説明されています。非公開の予定や社内の予定も同期されません。こうした仕組みでは、初めて会う相手を先に登録しないと面談が記録されないため、接続の前に次の3つを営業と決めます。

  • 新しい相手を、誰がいつ登録するか(名刺の取り込み時、初回面談の予約時など)
  • 私用や社内のメールをどう扱うか(接続するアカウントを業務用に限る)
  • 記録されたメールを誰が閲覧できるか

閲覧範囲は、導入後に反発が出やすい部分です。自分のメールが上司にすべて読まれると感じた営業は、顧客とのやり取りを個人の携帯や別のアドレスに移し、記録がかえって減ります。接続する前に、閲覧範囲と、記録を人事評価の材料にしないことを説明しておきます。HubSpotの場合、閲覧範囲は役割別の権限設計と合わせて決めます。

自動記録が向かない場合

顧客との連絡の大半が電話や対面で、メールをほとんど使わない業態では、メールとカレンダーの連携で残る情報は限られます。この場合は、商談直後に入力する項目を次回アクションの内容と期日の2つにまで減らし、スマートフォンから入力できる画面を用意するほうが、入力がそろいます。

HubSpotを使っている場合は、受信トレイを接続した時点で登録済みの顧客とのメールが記録され始めます。社内ドメインの除外と記録ルールは、HubSpotとGmail・Outlookの連携手順と記録ルールの選び方に沿って接続前に決めます。

マネージャーが守る運用ルールは3つに絞る

営業の入力は、マネージャーの行動で決まります。マネージャー自身が守るルールを3つに絞り、CRM以外の経路で案件の状況を聞かないことから始めます。

案件の状況はCRMを開いてから聞く

1on1やチャットで「あの案件どうなった?」と聞く代わりに、マネージャーがCRMの取引を開き、記録を読んだうえで「次回アクションが先週の日付のままだけど、先方の返事は来た?」と聞きます。入力された情報を前提にした質問を受けると、営業は入力しておけば同じ説明を繰り返さずに済むことを経験します。記録が空の案件については、その場で一緒にCRMを開いて埋めます。

Excelと日報の廃止日を決めて告知する

移行期間を決めずに「CRMにも入れて」と頼むと、二重入力がいつまでも続きます。廃止日を決め、その日以降はExcelでの報告を受け取らないと告知します。経営会議用の資料がExcelで必要な場合は、CRMのレポートから出力する形に変え、営業には追加で何も書かせません。

入力の量ではなく中身にコメントする

入力件数や更新回数を評価の指標にすると、活動の記録だけが増え、中身のない更新が並びます。評価に入れるのは受注や商談の成果にとどめ、マネージャーは入力された内容に対して「この決裁者は確認できた?」「競合が入っているなら提案の順番を変えよう」とコメントします。入力した情報がマネージャーの助言になって返ってくると、入力は報告ではなく相談の手段に変わります。

マネージャー自身も、同行した商談や顧客との会話をCRMに記録します。部下にだけ入力を求めて自分は書かないマネージャーの下では、ルールは長続きしません。朝のタスク確認や商談直後の記録といった日々の習慣をHubSpotの機能で支える場合は、Sales Hubで最初に設定する機能と日常運用と組み合わせます。

定着したかは、入力率より更新のタイミングで見る

入力率が上がっても、会議の前日にまとめて入力されているなら、CRMは業務の流れに入っていません。更新がいつ起きているかと、次回アクションの期日が生きているかで定着を判断します。

進行中の商談がどれだけ登録され、どれだけ最近更新されているかは、入力率と更新の鮮度で見る定着の判定で最低ラインを確認できます。ただ、この2つを満たしていても、営業が会議のためだけに入力している状態とは区別できません。次の現象を合わせて見ます。

見る現象読み方手当て
更新が会議の前日・当日に集中している入力が会議の準備作業になっている見積や社内依頼など、会議以外の起点を足す
次回アクションの期日が過去の日付のまま残る案件が多い営業が自分の予定管理にCRMを使っていない営業本人用の「今日やること」の画面を作り、期日切れを1on1で扱う
ステージが一度に2つ以上飛んで進む商談の途中経過が記録されていないステージの出口条件と必須項目を見直す
必須項目の「未定」「その他」が多い項目が判断に使われていないか、選択肢が実態に合っていない項目を必須から外すか、選択肢を作り直す
マネージャーが会議でCRM以外の資料を使う上司がCRMのデータを信用していない欠けているデータを特定して直し、別資料を廃止する

たとえば営業企画の担当者が月初に、CRMの更新日時を曜日別に並べたところ、火曜の会議に向けて月曜に更新が偏っていたとします。見積や依頼の起点を足した後も偏りが変わらないなら、起点にした行動が実際には使われていないか、CRMを通らない抜け道が残っています。見積書がExcelでも発行できる状態のままになっていないかを確認します。

導入直後やルールを説明した直後は、声かけの反動で入力が一時的に増えることがあります。定着の判断には、運用を変えてから一定期間たった時点の数字を使います。

それでも定着しないとき、ツールを変えるべきか

入力されない原因が損得の設計にあるなら、ツールを変えても同じことが起きます。ツールを変えてよいのは、営業の業務形態とツールの仕様が合っていないと確認できたときだけです。

ツールの乗り換えには、データ移行、画面の作り直し、営業への再説明が伴います。移行直後は新しいツールへの関心で入力が増えることもあり、原因が解消されたように見えますが、4つの損が残っていれば入力は元の水準に戻ります。

状況判断
項目の削減、Excelの廃止、会議での利用を試した後も入力がそろわず、営業が「スマートフォンで入力できない」「画面が遅い」と具体的に指摘しているツールの見直し対象。外出の多い営業にとって、その場で入力できないことは手間そのもの
見積・請求・基幹システムとつながらず、二重入力が仕様上なくせない連携の方法を確認し、仕様上できなければ見直し対象
必要な機能(メール連携、項目の必須化など)が現在の契約プランにない上位プランへの変更と乗り換えを、費用と移行の手間で比べる
項目が多い、上司が見ていない、Excelが残っているツールを変えない。運用を先に直す
営業が誰もツールの設計に関わっていないツールを変えない。現行ツールで、営業と一緒に本人用の画面を作る

二重入力が仕様の問題か運用の問題かは、ツールの組み合わせと同期の向きで決まります。HubSpotと見積・基幹システムをつなぐ場合は、連携方法の選び方と、同期の向き・正のデータの決め方を先に決めると、乗り換えなくても二重入力をなくせるかどうかが分かります。

CRMへの入力を求めない判断

営業が2〜3人で、新規の案件が月に数件、売り方もまだ固まっていない段階(いずれも実務上の目安)では、CRMへの入力を求めるより、共有のスプレッドシート1枚で案件と次回アクションを管理するほうが、手間と見返りの釣り合いが取れます。CRMが必要になるのは、誰がどの顧客に何をしているかを口頭で把握できなくなったときや、マーケが獲得したリードの商談化と受注を追いたくなったときです。その段階で、スプレッドシートで実際に使ってきた列をCRMの項目の候補にすると、現場の業務から離れない設計になります。

乗り換えを決めた場合は、営業の入力負荷を試用で比べる方法に沿って、営業本人に1週間使ってもらい、続けられるかを聞いてから契約します。

まとめ

営業のCRM入力は、お願いや研修ではそろいません。入力の手間を減らすか、入力の見返りを作るか、どちらを動かすかを原因ごとに決めます。

  • 入力しないのは損得の結果。手間(項目の多さ、二重入力)と見返り(自分に返ってこない、上司が見ない)のどれが起きているかを、データと会議の様子から特定する
  • 項目は「誰が何を決めるために読むか」で残し、判断に使われない項目は必須から外す
  • 見積、社内依頼、会議をCRMのレコードから始め、入力しないと次の行動に進めない状態を作る。条件にする場面は2〜3に絞る
  • メールとカレンダーは連携で自動記録し、手入力は判断の情報だけにする。閲覧範囲は接続前に説明する
  • マネージャーはCRMを開いてから状況を聞き、Excelの廃止日を決め、入力の中身にコメントする
  • 定着は更新のタイミングと次回アクションの期日で見る。ツールの変更は、仕様と業務形態の不一致を確認してから

次にやることは、現在の必須項目を一覧にし、項目ごとに読む人と決めることを書き出す作業です。書き出せなかった項目が、営業が払っている手間のうち、誰にも返っていない部分です。

無料相談

営業がCRMに入力しない理由を、項目と運用の両方から特定します

判断に使われていない項目はどれか、二重入力はどこで起きているか、マネージャーの運用のどこを変えるか。Ampelは外部CMOとして、CRMの項目と営業会議の設計を、営業の実際の業務の流れに合わせて組み直す支援をしています。現在の項目一覧と会議の進め方をうかがったうえで、最初に手を付ける場所を整理してお返しします。

よくある質問

CRMの入力にインセンティブを付けるべきですか
入力件数に報酬を付けることはおすすめしません。件数に報酬を付けると中身のない記録が増え、データが判断に使えなくなります。入力した情報がマネージャーの助言や見積作成の手間の削減として本人に返ってくる形を作るほうが、入力は続きます。
ベテラン営業が「自分のやり方がある」と入力しない場合はどうすればいいですか
本人の管理方法を否定せず、手帳やExcelで管理している項目を聞き取り、CRMの項目と本人用の画面に取り込みます。ベテランの案件は記録がないと、異動や退職のときに顧客との経緯が失われます。引き継ぎのリスクとして説明したうえで、会議ではCRMにある案件だけを扱うルールをベテランにも同じように適用します。
スマートフォンで入力できるようにすれば定着しますか
外出や移動の多い営業には、入力のタイミングを商談直後に移せるため手間が減ります。ただし、項目が多いまま、あるいは誰も見ていないままでは、スマートフォンからでも入力されません。モバイル対応は、項目を減らした後に入力のタイミングを早める手段として位置づけます。
入力をアシスタントや事務担当に代行させてもいいですか
顧客情報の登録や見積の作成といった事実の入力なら、代行は営業の手間を減らす現実的な選択肢です。ただし、決裁者、競合、次回アクションといった判断の情報は、営業本人の言葉で残さないと意味がずれます。事実は代行、判断は営業が短く書く、という分担にします。
商談の録画や議事録からAIで自動入力すれば解決しますか
入力の手間は減りますが、どの内容をどの項目に入れるかを決めないまま自動化すると、長い要約だけがたまり、案件一覧で絞り込めない記録になります。項目と判断の関係を先に決め、そのうえで自動化する範囲を決めます。録画を要約以外にどう使うかは、商談録画を営業の型化とコンテンツに使う方法を確認してから決めると、記録の目的がぶれません。

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