「うちはとにかく知られていない」「もっと認知を上げないと」。中小のBtoB企業の経営会議で、この言葉が出ない四半期はほとんどありません。ところが、何をもって知られていないと言っているのかを聞き返すと、答えは人によって違います。営業は「コンペに呼ばれない」と言い、経営者は「展示会で名前を出しても反応がない」と言い、マーケ担当は「指名検索が少ない」と言う。同じ言葉で、別々の問題を話しています。
BtoBの「認知が足りない」は、ほぼ必ず想起されない、比較候補に入れてもらえない、商談で一から説明し直しになる、の3つのどれかに分解できます。どれなのかで、必要な施策も、見るべき数字も、予算を割くべきかどうかの答えも変わります。分解しないまま「認知施策」に予算をつけると、半年後に何が良くなったのか誰も説明できない状態になります。
経営会議で「認知を上げたい」という話が出たとき、施策の候補を並べるより先に確かめたいのは、想起されない・比較候補に入れてもらえない・商談で一から説明し直しになる、の3つのうちどれが起きているかです。見る数字も予算のつけ方も、そこで変わります。原因が認知ではなかった会社は、認知施策に手を出さずに済みます。
目次
「認知を上げたい」と言うとき、実際に起きている3つのこと
BtoBの認知不足は、想起されない、比較候補に入らない、説明し直しになる、の3状態に分かれます。まず自社がどれに当たるかを特定してください。
BtoBの購買は、課題に気づく、解決策の候補を集める、候補を比べて絞る、社内で合意を取る、という順に進みます。「認知」という言葉は、このうちどこで自社がつまずいているかを曖昧にしたまま使われがちです。つまずく場所は大きく3つあります。
状態1:課題が生まれたときに想起されない
買い手が「そろそろ何とかしないと」と思った瞬間に、自社の名前が頭に浮かばない状態です。社名自体は知っていても、「この種の問題ならあの会社」という結びつきができていない。既存顧客から「そんなこともやっていたんですね」と言われる会社は、たいていこの状態にあります。問い合わせの大半が一般的なキーワードの検索経由で、社名で探して来る人が少ないのも典型的な症状です。
状態2:比較候補のリストに入れてもらえない
買い手が候補を集める段階で、自社が最初のリストから漏れている状態です。営業が「決まったあとで、実は他社で検討していたと知った」「相見積もりの声がかからない」と話しているなら、ここを疑います。この状態の厄介なところは、発生していること自体が自社のデータに残らない点です。呼ばれなかったコンペは、CRMのどこにも記録されません。
状態3:商談で毎回、何の会社かから説明し直しになる
商談にはなる。でも初回の大半が「当社は何をしている会社か」の説明で終わり、相手の課題に入る前に時間切れになる状態です。名前は知られているのに中身が伝わっていない、あるいは古い印象や別の業態のイメージで覚えられている場合に起きます。商談化率は悪くないのに、初回から二回目に進む率が低い、検討期間が長い、といった数字に現れます。
| 状態 | 社内でよく聞く言葉 | 本当に足りないもの |
|---|---|---|
| 想起されない | 「そんなこともやっていたんですね」と言われる | 課題と社名の結びつき |
| 比較候補に入らない | 相見積もりに呼ばれない、後から他社で決まったと知る | 候補を集める場所での存在 |
| 説明し直しになる | 初回商談が会社説明で終わる | 事前に伝わる中身の正確さ |
3つは同時に起きることもありますが、多くの会社では一番重いものが1つあります。そして、状態ごとに必要な施策は重なりません。想起されない会社に必要なのは、課題と社名を結びつける繰り返しの接触です。比較候補に入らない会社に必要なのは、比較の場に自社の情報を置くことです。説明し直しになる会社に必要なのは、露出を増やすことではなく、すでに届いている情報の中身を直すことです。
「認知を上げる」という目標は、そのままでは施策を選べません。3つの状態のうちどれを解消したいのかを1つに決めた時点で、はじめて施策と指標が選べるようになります。
その問題、本当に認知が原因かを先に確かめる
「知られていない」と感じる原因は、認知ではなく受け皿・訴求・狙う相手・営業体制の問題であることが少なくありません。認知に予算を割く前に、次の4つを除外してください。
認知施策は効果が出るまで時間がかかり、しかも効果の検証が難しい。だからこそ、他の原因で説明がつく問題に使ってはいけません。私が相談を受けるときも、最初の打ち合わせで「それは認知の問題ではないですね」となるケースは珍しくありません。
- 受け皿が弱い:社名で検索して来た人が、サービスページを見ても何をしてくれる会社か分からない。この状態で露出を増やしても、来た人がそのまま帰るだけです
- 訴求が定まっていない:誰の何を解決する会社なのかが一文で言えない。想起されない原因が露出不足ではなく、覚える取っかかりがないことにある場合です。これはBtoBの訴求設計から手を付けるべき問題です
- 狙う相手が広すぎる:「知られていない」と感じている相手が、実はそもそも買う可能性の低い層だった、というケースです。ICPの設定を見直すと、知られるべき相手は思ったより狭く、その中ではすでに名前が通っていることもあります
- 営業が商談を受けきれていない:入口を広げても処理できないなら、投資先は営業体制のほうです
受け皿・訴求・狙う相手・営業の処理量の4つを確認しても「知られていない」が残るなら、そこで初めて認知の問題として扱います。逆に、どれかに心当たりがあるなら、認知施策の検討は一度止めて、そちらを先に片付けたほうが確実に数字が動きます。
BtoBの認知度はどう測るか|状態ごとに見る数字を変える
認知度を1つの数字で測ろうとしないでください。想起には指名検索と直接流入、比較候補入りには候補入り率、説明し直しには商談の記録を当てます。
認知の測り方として最もよく挙がるのは指名検索数ですが、これが直接映すのは状態1の「想起」だけです。比較候補に入っているか、商談で正しく理解されているかは、検索データには出てきません。状態ごとに観測できる場所が違うので、指標も分けて置きます。
指名検索数|想起を映す最も客観的な数字
社名やサービス名での検索は、Search Consoleの検索パフォーマンスレポートでクエリを絞り込めば確認できます。複数の表記ゆれをまとめて見たい場合は、クエリのフィルタで正規表現を使えます。また、Search Consoleには指名クエリと非指名クエリを分けるフィルタも用意されています。ただしこの分類はGoogle側のAIによる判定で、誤分類の可能性があると公式に書かれています。表示回数が少ないサイトや、ドメイン単位ではないプロパティでは使えない場合もあります。
注意点が2つあります。ひとつは、プライバシー保護のために省略されるクエリ(匿名化クエリ)があり、クエリで絞り込むとそれらは集計から外れることです。検索数が少ない中小企業では、指名検索の一部がこの省略に吸収されることがあり、絶対値より推移で見るほうが安全です。もうひとつは、社名が一般名詞と重なる会社では、指名検索に無関係な検索が混ざることです。社名単独ではなく「社名+サービス名」「社名+業種」の組み合わせを主な観測対象にしてください。
指名検索が増えてくると、競合がその検索に広告を出してくる、という別の問題が出てきます。受け皿として自社も広告を出すかどうかは、競合の出稿に気づいた時点で指名検索広告を出す条件に照らして決めます。
直接流入|指名検索の補助として見る
GA4のデフォルトチャネルグループでは、参照元が「(direct)」で、メディアが「(none)」または「(not set)」のセッションがDirectに分類されます。URLの直接入力やブックマークからの訪問が該当し、社名を覚えている人が戻ってくる経路として想起の補助指標になります。
ただし、参照元の情報が取れなかった流入もここにまとめて入ります。メールやチャットツールに貼られたリンク、社内資料のPDFからのクリックなども混ざるため、直接流入の増減だけで認知が上がったとは言えません。指名検索と同じ方向に動いているかを確認する、裏付けとしての使い方にとどめます。
比較候補に入った率|状態2を測る唯一に近い方法
比較候補に入れてもらえているかは、どのツールのレポートにも出てきません。自社で記録を作るしかありません。やり方は単純で、商談と失注の記録に「この案件で買い手が比較していた相手」と「自社は候補リストの最初から入っていたか、途中から入ったか」の2項目を足します。
「最初から入っていた」は、買い手が自分で候補を集めた段階で自社を選んだという意味です。「途中から入った」は、営業のアプローチや紹介で後から割り込んだケースです。前者の比率が上がっていれば、比較候補の段階での存在感が上がっていると読めます。失注分析の記録に「候補に最初から入っていたか」の項目を足しておくと、この比率は四半期ごとに出せます。比較相手として名前が挙がった会社は、競合調査の対象にそのまま加えます。
もちろん、呼ばれなかったコンペはこの記録にも残りません。それでも「最初から入っていた率」と「相見積もりに声がかかった件数」を四半期ごとに並べれば、入口の状態がよくなっているか悪くなっているかは判断できます。完全に測れないことを理由に何も記録しないより、はるかに判断材料になります。
商談時の流入経路ヒアリング|状態3と全体の裏付けに使う
初回商談の冒頭で「当社のことはどのくらいご存じでしたか」と聞き、その答えを「ほぼ知らない」「名前だけ知っていた」「何をしている会社か理解していた」の3段階で記録します。これが状態3を測る指標になります。3段階目の比率が上がれば、説明し直しが減っているということです。あわせて、何で知ったかを自由記述で残しておくと、どの接点が事前理解につながっているかの手がかりにもなります。
下調べを済ませて来る買い手が増えると、初回商談の組み立て自体を変える必要が出てきます。会社紹介から始める初回商談の流れは、下調べを済ませてくる顧客に合わせて時間配分から組み直します。
認知の記録を施策ごとに別々の場所へ作ると、半年後に突き合わせられなくなります。比較相手と事前理解の段階は、商談レコードの項目として1か所に持たせてください。
施策を始める前にベースラインを取っておく
認知施策の評価で一番多い失敗は、始める前の数字を取っていないことです。最低3か月分の現状値を記録してから予算を動かしてください。
指名検索と直接流入は過去データを遡れますが、比較候補に入った率と事前理解の段階は、記録を始めた日からしか取れません。施策を始めてから記録を作ると、上がったのか元からその水準だったのかが区別できません。
実務では、次の順で進めるのが無理のない形です。まず、商談レコードに「比較相手」「候補入りのタイミング」「事前理解の段階」の3項目を足し、営業に記録を依頼します。次に、Search Consoleで指名系クエリの遡れる範囲の推移を書き出し、季節変動の有無を確認します。そのうえで3か月記録が溜まるのを待ち、そこで初めて認知施策に予算をつけるかを判断します。
3か月待つのは遠回りに見えますが、この期間に記録を眺めるだけで、状態1〜3のどれが重いかが自然に見えてくることが多いです。「想起されないと思っていたが、実は比較候補には入っていて、商談で説明し直しになっていた」と分かれば、露出を増やす施策そのものが不要になります。3か月分の記録が揃ったら、マーケの効果測定の月次レポートに、状態ごとの件数を1行ずつ加えます。
認知施策に予算を割くべきかの判断
認知施策に予算を割く価値があるのは、候補に入れば勝てるのに入口が細い会社です。候補に入っても勝てない会社は、先に勝ち方を直してください。
判断の中心に置くのは、比較候補に入ったときの勝率です。候補に入った案件ではそれなりに受注できているのに、そもそも候補に入る機会が少ない。この状態なら、入口を広げる認知施策の投資対効果は読みやすくなります。逆に、候補に入っても負けている会社が認知を広げても、負ける商談が増えるだけです。
| 判断軸 | 投資を検討してよい状態 | 先に別のことをやる状態 |
|---|---|---|
| 比較候補に入ったときの勝率 | 候補に入れば一定の割合で勝てている | 候補に入っても負けが続く |
| 顕在層からの獲得 | 検索広告やSEOの刈り取りが頭打ち | 顕在層の取りこぼしがまだ大きい |
| 対象企業の数 | 数百社以上あり、全社に直接当たれない | 数十社で、営業が直接当たれる |
| 検討期間 | 数か月以上かけて複数人で選ばれる | その場で担当者が決める |
| 受け皿 | サービスページと事例が揃っている | 社名で調べても中身が分からない |
顕在層からの獲得が頭打ちかどうかも、判断の前に確認してください。今すぐ探している人を検索広告やSEOで十分に拾えていないなら、そちらの改善のほうが早く、確実に商談になります。認知施策は、今は探していない人に先に名前を置いておく投資です。今探している人を取りこぼしている段階で手を出すと、順番が逆になります。
予算の規模感は、会社の総マーケ予算の中で「すぐ成果が見えない枠」としていくら確保できるかで決めます。この枠を持たずに獲得施策と同じ評価軸で並べると、認知施策は毎回最下位になって削られます。この枠は、マーケ予算の配分を決める段階で、獲得施策とは別の行として確保しておきます。どの状態に投資すべきか判断がつかない場合は、商談記録をもとにした個別の壁打ちもお受けしています。
たとえば期初の予算会議の前に、マーケティング責任者が直近2四半期の商談記録を開き、比較候補に入った案件の勝敗を数えます。候補に入った案件ではおおむね勝てているのに相見積もりの声がかかる件数が少ないなら、認知施策の予算を申請する根拠になります。候補に入った案件で負けが続いているなら、申請の前に営業と失注理由を読み直します。
認知施策として動画を検討している場合は、認知の段階の動画と商談で使う動画の分け方を見て、評価の時期と見る数字を動画の種類ごとに分けておきます。
やらない判断|認知施策に手を出さないほうがいい会社
次のどれかに当てはまるなら、今は認知施策に予算を割かないのが正しい判断です。やらないと決めることも、限られた予算の立派な使い方です。
- 提供内容がまだ変わる段階:何を売る会社かが半年後に変わる可能性があるなら、今広めた印象が後から足かせになります
- 受注の大半が紹介と既存顧客の拡大:新しい買い手に見つけてもらう必要が小さく、紹介してくれる顧客への投資のほうが商談につながります
- 対象企業が数十社に限られる:広く知られる必要はなく、その数十社に直接届く手段を選ぶべきです
- 状態3(説明し直し)が主な問題:露出を増やすのではなく、サイトや営業資料など既に届いている情報の中身を直すのが先です
- 評価の期間を待てない資金繰り:1〜2四半期で成果が見えないと続けられないなら、始めるべきではありません。途中でやめた認知施策は、ほぼ何も残しません
評価の期間を待てない資金繰りは、見落とされがちな条件です。認知施策は、始めることより続けることにコストがかかります。1四半期だけ広告を出して止める、半年だけ発信して止める、というやり方では、想起を作る前に終わります。経営者が資金繰り表を見て、翌四半期に広告費を止める可能性があると分かっているなら、その時点で始めない判断をしてください。続けられる見込みが立たないなら、その予算は獲得施策に回したほうが確実です。
なお、ここで「やらない」と判断しても、ベースラインの記録だけは続けてください。記録にかかるコストはほぼゼロで、1年後に改めて判断するときの材料になります。
短期の商談数で認知施策を評価しない理由
認知施策の効果は、施策の直後ではなく数か月後の商談に、しかも別の経路の成果として現れます。翌月の商談数で評価すると、成果が出始めている施策でも必ず失敗に見えます。
理由は3つあります。1つめは時間差です。認知施策が狙うのは、今は探していない人です。その人に課題が生まれ、検討が始まり、問い合わせに至るまでには、商材によっては数か月から1年以上かかります。施策を始めた翌月に商談が増えないのは当然で、むしろ翌月に増えたなら、それは認知ではなく刈り取りの効果です。
2つめは経路の付け替えです。認知施策で名前を知った人は、あとで社名を検索して来ます。そのため成果は「自然検索」「直接流入」「指名検索広告」として記録され、認知施策の側には何も残りません。最終接点だけで評価する限り、認知施策の貢献は構造的にゼロに見えます。
3つめは母数です。中小のBtoB企業では、商談数が月に数件から数十件という規模も珍しくありません。この規模では、1か月の増減の大半は偶然の揺れで説明がつきます。たとえば月次の経営会議で、先月8件だった商談が今月5件になっても、その差だけで認知施策の成否は判断できません。商談数を認知施策の成否判断に使うと、揺れに振り回されて、成果が出ている施策を止めたり、成果の出ていない施策を続けたりすることになります。
ただし、商談数で評価しないことは「成果を問わない」ことではありません。追う指標を、商談より手前で動き、なおかつ商談とつながっているものに置き換えるということです。
経営に説明できる指標の置き方
認知施策の指標は、先に動く数字・途中で動く数字・最後に動く数字の3層に分けて、それぞれ見る間隔を変えて報告します。予算と一緒に撤退条件も合意しておきます。
経営者が認知施策に不安を持つのは、効果が見えないからではなく、いつ何が見えれば成功なのかが決まっていないからです。そこで、指標を時間軸で3層に分け、「この時期にはこの数字が動いているはず」という約束の形で説明します。
先行指標:毎月動きを見る
指名検索と直接流入です。施策の影響が最も早く現れる層ですが、他の要因も混ざります。毎月の報告では数字そのものより、前年同月や過去の推移と比べて方向がどうかだけを伝えます。1か月の上下で結論を出さないことを、最初に経営と合意しておいてください。
中間指標:四半期ごとに判断する
比較候補に最初から入った率と、事前理解ありの商談比率です。ここが認知施策の成否を判断する中心になります。商談と直接つながっていて、しかも商談数よりずっと早く動くからです。実務上の目安として、四半期の記録が20件程度に満たないうちは、率ではなく記録の中身をそのまま読んで報告します。
遅行指標:半期から1年で確かめる
比較検討になった案件の勝率と、初回商談から受注までの期間です。想起と事前理解が改善すれば、最終的には勝率が上がり、期間が短くなるはずです。ただし営業側の改善や価格の変更など、認知以外の要因も大きく影響するため、認知施策の単独の成果として報告しないほうが誠実です。
撤退条件を予算と一緒に決める
予算を申請するときは、同時に「いつまでに何が動かなければやめるか」を書いておきます。たとえば「2四半期続けて、指名検索の推移にも、比較候補に最初から入った率にも変化が見られなければ、施策を見直す」という形です。撤退条件が先にあると、経営者は予算を出しやすくなり、担当者は短期の数字に焦らずに済みます。経営者が四半期ごとにどの数字を見るかは経営者のマーケティングへの関わり方として先に決めておき、予算承認の資料ではマーケ予算のROIを撤退条件と並べて示します。
自社の場合にどの指標を置き、撤退条件をどう書けば経営が納得するかは、商材の検討期間と商談の記録状況で変わります。現在の商談データを見ながら指標を一緒に設計することもできます。
まとめ
BtoBの認知度向上は、「知られていない」を3つの状態に分け、解消したい状態の指標を決めてから施策を選ぶ順番で進めます。
- 「認知が足りない」は、想起されない、比較候補に入らない、商談で説明し直しになる、のどれかに分けられる
- 認知施策の前に、受け皿・訴求・狙う相手・営業の処理量の問題でないかを確かめる
- 想起は指名検索と直接流入、比較候補入りは商談と失注の記録、説明し直しは初回商談のヒアリングで測る
- 施策の前に最低3か月のベースラインを取る。記録を眺めるだけで施策が不要と分かることもある
- 投資の判断軸は「候補に入ったときに勝てるか」。勝てないなら先に勝ち方を直す
- 短期の商談数では評価しない。先行・中間・遅行の3層で報告し、撤退条件を予算と一緒に合意する
認知施策は、測り方を決めないまま始めると「なんとなく良くなった気がする」以上の説明ができず、次の予算見直しで真っ先に削られます。逆に、状態を特定して指標を先に置けば、効果が出るまでの時間を経営と共有したうえで、落ち着いて続けられる投資になります。
無料相談
「知られていない」の正体を、商談記録から一緒に特定します
想起されていないのか、比較候補から漏れているのか、商談で説明し直しになっているのか。どれが重いかで、認知施策に予算を割くべきかどうかの答えは変わります。Ampelは外部CMOとして、商談と失注の記録の設計から、経営に説明できる指標と撤退条件の置き方までを実務で伴走します。現在の獲得経路と商談の状況をうかがったうえで、最初に手を付ける場所を整理してお返しします。
よくある質問
- BtoBでも認知度調査(アンケート調査)はやるべきですか
- 中小のBtoB企業では、優先度は高くありません。対象企業が限られる商材では、一般的な調査で自社のターゲットに当たる回答者を十分な数だけ集めるのが難しく、費用に見合う精度が出にくいためです。まずは指名検索、比較候補に入った率、商談時の事前理解といった、自社の中で取れる数字から始めてください。対象企業が多く、予算に余裕がある段階で検討すれば十分です。
- 指名検索がほとんどない場合はどうすればいいですか
- 指名検索の件数が少なすぎると、推移を見ても揺れに埋もれて判断できません。その段階では、先行指標よりも中間指標、つまり商談での比較候補の記録と事前理解のヒアリングを主な判断材料にしてください。件数が少ない会社ほど、商談1件ごとの記録の質で判断の確かさが決まります。
- 認知施策の効果は、どれくらいの期間で判断すればいいですか
- 商材の検討期間によって変わりますが、先行指標の方向を見るのに3〜6か月、商談の記録で判断するのに2〜4四半期が一つの目安です。1〜2か月で商談数を見て判断するのは早すぎます。ただし、期間を決めずに続けるのも避けてください。予算を申請する時点で、見直す時期と条件を書いておいてください。
- 広告の表示回数やリーチ数は認知の指標になりませんか
- 施策が予定どおり配信されたかを確認する数字としては使えますが、認知が上がったかの指標にはなりません。表示された回数と、買い手の記憶に残ったかどうかは別のものです。予算を増やせば必ず増える数字を成果として報告すると、経営からの信頼を失います。指名検索や比較候補に入った率のように、自社の外の人の行動が変わったことを示す数字で報告してください。
- BtoBブランディングと認知度向上は何が違いますか
- 言葉の定義は会社によって異なりますが、実務上は「どう覚えられているか」を扱うのがブランディング、「そもそも覚えられているか」を扱うのが認知度向上と分けると整理しやすくなります。想起・比較候補・説明し直しの3つの状態で言えば、状態3の説明し直しはブランディング寄りの問題です。どちらの言葉を使うかより、どの状態を解消したいのかを決めるほうが先です。