HubSpotのトラフィック分析の見方|流入元の分類ルール、オリジナルトラフィックソースの決まり方とGA4と数字が合わない理由

「GA4だと先月より自然検索が増えているのに、HubSpotだとオーガニック検索が減っている。どっちが正しいの」。月次の報告会で経営者にそう聞かれ、マーケ担当者は2つの画面を見比べたまま答えられませんでした。HubSpotの側では直接トラフィックとオフラインソースが全体の半分近くを占めていて、どこから来た人なのかを説明できる数字が残っていなかったからです。

HubSpotのトラフィック分析は、流入元を決まった優先順位で1つに振り分け、その結果をコンタクトのオリジナルトラフィックソースとして残す仕組みです。数字をGA4と合わせにいくより先に、HubSpotがどのルールで流入元を決めているかを知り、UTMの付け方と自社ドメインの登録を直して「どこから来たか分からない」コンタクトを減らすほうが、月次の判断に使える数字になります。

HubSpotのMarketing HubかContent HubのProfessional以上を契約していて、トラフィック分析の数字を会議でどう使うか決めかねているなら、使えるかどうかは、流入元がどのルールで決まり、GA4とどの設定が違うかを把握しているかどうかが分かれ目です。問い合わせが月に数件の段階では、ソース別の数字を細かく追わずにコンタクトごとの流入元を確かめるだけで足りる場合もあるため、トラフィック分析を使わない判断も含めて決められます。

HubSpotのトラフィック分析で見られるのは、ソース別の訪問・コンタクト・顧客

HubSpotのウェブトラフィック分析は、[レポート]>[レポート]>[マーケティング]>[ウェブトラフィック分析]から開く画面で、流入元ごとのセッションと、新規コンタクト・顧客の数を並べて見られます。使えるのはMarketing HubまたはContent HubのProfessional以上です。

HubSpotのトラフィック分析とは、HubSpotのトラッキングコードを入れたページへの訪問を、流入元・ページ・UTMパラメータなどの単位で集計する機能のことです。GA4と違うのは、訪問の数だけでなく、その流入元から何件のコンタクトが作られ、何件が顧客になったかまで同じ表に並ぶ点です。画面には[ソース][ページ][UTMパラメータ][デバイスの種類][国][ブラウザー][トピッククラスター]のタブがあり、BtoBで主に開くのは[ソース]と[UTMパラメータ]の2つです。

[ソース]タブで並ぶ指標のうち、月次で意味を持つのは次の4つです。定義は公式ヘルプで確認した内容です。

指標数えているもの読むときの注意
セッション訪問者の一連の行動。30分操作がないと切れる社内アクセスとボットを除外していないと膨らむ
新規コンタクト選んだ期間に作成されたコンタクトソースのタブではフォーム以外(インポートなど)で作られたコンタクトも含む
顧客選んだ期間に作成され、いまライフサイクルステージが顧客のコンタクト作成月で数えるため、直近の月ほど少なく見える
コンタクトから顧客への転換率期間中に作成された新規コンタクトのうち、顧客になった割合検討期間が長い商材では、数か月たってから数字が動く

BtoBで読み違えやすいのは[顧客]の数え方です。顧客の数は、その月に受注した件数ではなく、その月に作成されたコンタクトのうち現在顧客になっている件数です。検討に半年かかる商材なら、先月作成されたコンタクトが顧客として数えられるのは半年後で、先月の[顧客]は0件のまま表示されます。月末の報告で「今月の顧客は0件」と読むと誤りになるため、顧客の列は半年前や1年前の月を振り返るときにだけ使います。

StarterやFreeのように、ウェブトラフィック分析の画面が使えない契約でも、コンタクトにはオリジナルトラフィックソースのプロパティが残ります。月の問い合わせが数件なら、コンタクト一覧をこのプロパティで絞り込んで件数を数えるだけで流入元の傾向は分かり、トラフィック分析のためにプランを上げる理由にはなりません。

流入元は10種類のソースに、決まった優先順位で1つだけ振り分けられる

HubSpotは、訪問者が最初に見たページのURLに付いたパラメータと参照元ドメインを、決まった順番でルールに当てはめ、最初に当てはまったソースを1つだけ採用します。UTMの有無は参照元ドメインより先に判定されるため、UTMの付け方が分類をほぼ決めます。

現行のHubSpotでソースとして使われる値は、オーガニック検索、リファーラル、オーガニックソーシャル、Eメールマーケティング、検索連動型広告、ソーシャル広告、直接トラフィック、他のキャンペーン、AIリファーラル、オフラインソースの10種類です。オフラインソースは訪問を伴わないため、セッションの数字を持ちません。

ソース主な判定条件BtoBで入りやすい流入
オーガニック検索参照元が検索エンジンで、UTMがないSEO記事、指名検索
検索連動型広告gclidがある、またはUTMなどにcpc・ppc・adwordを含むGoogle広告、Microsoft広告
ソーシャル広告UTMに広告を示す値とSNS名がある、またはpaidsocialを含むLinkedIn広告、Meta広告
オーガニックソーシャルutm_mediumがsocialでSNS名がある、または参照元がSNS自社アカウントの投稿
Eメールマーケティングパラメータのどこかにemailを含むメルマガ、ステップメール
AIリファーラルUTMまたは参照元がAIサービスChatGPT、Perplexity、Geminiなどからのリンク
他のキャンペーンUTMはあるが、上のどれにも当てはまらないウェビナー告知、パートナー経由、QRコード
リファーラル参照元がSNS・検索エンジン以外の外部ドメイン比較サイト、取引先のサイト、プレスリリース転載
直接トラフィック参照元がない、または参照元がメールソフトURL直打ち、ブックマーク、UTMなしのメールのリンク
オフラインソース追跡できる訪問がないまま作られたコンタクト名刺のインポート、手入力、連携ツール経由の登録

判定の順番を図にすると、UTMと広告IDを見る段階と、参照元ドメインを見る段階の2つに分かれます。

上から順に判定し、最初に当てはまったソースを採用 前半:UTMと広告IDを見る 1 medium=social+SNS名 オーガニックソーシャル 2 gclidがある 検索連動型広告 3 cpc・ppcなど+SNS名 ソーシャル広告 4 cpc・ppc・adwordを含む 検索連動型広告 5 どこかにemailを含む Eメールマーケティング 6 AIサービスの値・参照元 AIリファーラル 7 1〜6以外のUTMがある 他のキャンペーン 後半:参照元ドメインを見る 8 SNSのドメイン オーガニックソーシャル 9 メールソフト・RSSリーダー 直接トラフィック 10 検索エンジン オーガニック検索 11 登録済みの自社ドメイン 分類しない 12 上記以外の外部ドメイン リファーラル 13 参照元がない 直接トラフィック UTMが1つでもあれば、前半のどこかで決まる
図1:HubSpotが流入元を判定する主な順番(公式ヘルプの判定ルールを簡略化)

図の順番から、実務で困る分類のずれが3つ読み取れます。1つ目は、utm_campaignに「email」を含む名前を付けると、SNSやパートナー経由のリンクでもEメールマーケティングに入ることです。2つ目は、LinkedIn広告にutm_medium=cpcを付けても、utm_sourceにHubSpotがSNS名として認識しない独自の略称を入れると、ソーシャル広告ではなく検索連動型広告の条件に当たる場合があることです。3つ目は、UTMを付けずに個人のメールソフトから送ったリンクは、参照元がメールソフトと判定されて直接トラフィックに入ることです。

どれもUTMの値を決めた時点で防げます。sourceとmediumに入れる語彙を社内で固定する方法はUTMパラメータの設計ルールと命名規則に沿って決め、そのうえでmediumにsocial・cpc・emailを使う場面だけは、HubSpotの判定条件と照らし合わせて確かめます。HubSpotのキャンペーン機能でUTM付きのURLを発行している場合は、キャンペーン名とUTMの値の関係もあわせて確認します。

オリジナルトラフィックソースは最初の訪問で決まり、最新のトラフィックソースは訪問のたびに変わる

コンタクトのオリジナルトラフィックソースは、フォーム送信より前の匿名の訪問までさかのぼって、最初に分かっている流入元で決まり、原則として変わりません。最新のトラフィックソースは訪問やメールのクリックのたびに上書きされます。

「オリジナルソース」と呼ばれることの多いプロパティは、現在の日本語画面では「オリジナル トラフィック ソース」という名前で、あわせて「トラフィック ソース ドリルダウン1」「トラフィック ソース ドリルダウン2」に詳細が入ります。たとえばFacebook広告経由なら、ソースはソーシャル広告、ドリルダウン1にFacebook、ドリルダウン2にキャンペーン名が入ります。最新側は「最新のトラフィックソース」と「最新トラフィックソースの日付」です。

オリジナルがいつ決まるかは、Cookieの扱いで理解できます。HubSpotのトラッキングコードは、フォーム送信前の訪問者にもCookieを付けて閲覧を記録しておき、フォーム送信などでコンタクトが作られた時点で、その過去の訪問をコンタクトに結びつけます。3月にGoogle検索で記事を読み、9月に広告から来て資料請求した人は、オリジナルがオーガニック検索、最新がソーシャル広告のコンタクトとして作られます。

3月 Google検索から初めて訪問 フォーム送信前なので匿名。Cookieで閲覧を記録 コンタクトはまだない 9月 広告から来て資料請求 コンタクト作成。3月の訪問がさかのぼって結びつく オリジナル:オーガニック検索 最新:ソーシャル広告 11月 メルマガのリンクから再訪問 オリジナルは変わらず、最新だけが上書きされる オリジナル:オーガニック検索 最新:Eメールマーケティング 翌年 担当者がオリジナルを手で修正 ドリルダウン1・2と最初の参照サイトが消える オリジナル:手入力の値 ドリルダウン:空になる オリジナルは最初の訪問で決まり、原則として動かない
図2:1人のコンタクトで見るオリジナルと最新のトラフィックソースの変わり方

オリジナルトラフィックソースは手作業やワークフローで書き換えられますが、書き換えるとドリルダウンと最初の参照サイトの値が消えます。展示会で名刺交換した人が、のちに検索から来てフォームを送ったケースで「本当は展示会経由だから」とオリジナルを書き換えると、検索で見たページの記録がたどれなくなります。オリジナルは自動で入る値のまま残し、営業やマーケが判断した獲得経路は、別のプロパティに入れるほうが両方の情報が残ります。

会社と取引にも同じ名前のプロパティがあり、関連付いたコンタクトから自動で値が入ります。取引のオリジナルトラフィックソースは、関連付いたコンタクトのうち最初の訪問が最も古い人の値で、コンタクトがいなければ会社の値が使われます。商談に後から決裁者を関連付けても、その人の最初の訪問が担当者より古ければ取引の流入元が変わるため、流入元別の商談数が過去にさかのぼって動くことがあります。流入元ごとの商談・受注への貢献をモデルで比べたい場合は、HubSpotのアトリビューションレポートの領域になります。

オリジナルトラフィックソースは「最初にどこから知ったか」ではなく「HubSpotが最初に記録できた訪問はどこからか」を表します。記録が始まる前の接点や、Cookieが残らなかった訪問は反映されません。

GA4と数字が合わない理由は、同意・除外・ボット・分類ルールの設定差にある

HubSpotとGA4は、セッションが30分の無操作で切れる点は同じでも、Cookie同意の扱い、社内アクセスとボットの除外、流入元の分類ルールがそれぞれ別に設定されるため、同じ期間でも数字はそろいません。そろえる作業より、差が出る理由を把握して片方を正として使い分けるほうが早く判断できます。

項目HubSpotGA4
セッションの区切り30分操作がないと切れる既定で30分操作がないと切れる(管理画面で変更可)
Cookie同意HubSpotの同意バナーをオプトイン型にすると、同意するまでHubSpotのCookieが読み込まれない同意モードの設定しだい。条件を満たすと、拒否したユーザーの行動を機械学習で補う行動モデリングが使える
社内アクセスの除外IPアドレスと参照元ドメインを設定画面で指定。追加前の過去データは消えない内部トラフィックの定義とフィルタで除外
ボット[ボットのフィルタリング]をオンにすると既知のボットを除く既知のボットとスパイダーは自動で除外され、オフにできない
流入元の分類図1の順番で10種類のソースに振り分けるデフォルトチャネルグループの定義で振り分ける

数字の差が大きくなりやすいのは、Cookie同意と除外の2つです。HubSpotの同意バナーをオプトイン型にしている会社で、GA4側は同意モードの行動モデリングが有効になっている場合、同意しなかった訪問者はGA4ではモデルで補われ、HubSpotでは個人に結びつかないまま残ります。行動モデリングは、同意を拒否したイベントと同意したユーザーがそれぞれ1日1,000件以上ある日が一定日数続くといった条件を満たしたプロパティでしか有効にならないため、訪問数の少ないBtoBサイトでは使えないことも多く、その場合は両方とも同意しなかった訪問者の分が欠けます。

社内アクセスの除外は、GA4で設定していてもHubSpot側で設定していないと、HubSpotの数字だけが社員の閲覧で膨らみます。HubSpotは[設定]>[トラッキングとアナリティクス]>[トラッキングコード]の[高度なトラッキング]タブで、除外するIPアドレスと参照元ドメイン、ボットのフィルタリングを設定します。除外の追加は過去の数字には及ばないため、設定した日を記録しておかないと、前年同月比が社内アクセスの除外分だけ下がって見えます。HubSpotはより正確な情報が得られたときに過去の分析データを再処理するため、先月の数字が後から少し変わることもあります。トラッキングコードの設置と同じ時期に済ませておく設定の順番は、HubSpot初期設定のトラッキングコードと社内アクセスの除外の手順で確かめられます。

役割を分けるなら、ページごとの訪問や検索流入の着地ページはGA4を正とし、HubSpotは流入元ごとに何人がコンタクトになり、商談や受注に進んだかを見る道具として使います。GA4で問い合わせまでを見る設定はBtoBのGA4設定で決め、期間やコンバージョンの定義を含めて両者のずれを1つずつ切り分けたいときは、GA4とMA/CRMで数字が食い違うときの切り分け手順を上から順に確認します。

数字の差を会議で説明するときは、「HubSpotのセッションはGA4より少なくなる前提で、傾向だけを比べる」と最初に共有しておくと、毎月同じ質問に時間を使わずに済みます。流入元の分類そのものに違和感があるなら、次に進む前に分類ルールの設定をいまのHubSpotの設定で確認する相談もできます。

分類が崩れる原因と直し方|UTMの付け忘れと自社ドメインのリファラー

直接トラフィックとオフラインソースが多すぎるとき、またリファラーの上位に自社のドメインが出るときは、UTMの付け忘れか、HubSpotに登録していない自社ドメインがあることを疑います。どちらも設定を直せばその日から分類が戻りますが、過去の数字は戻りません。

分類の崩れを見つけるには、ウェブトラフィック分析の[ソース]タブで直接トラフィックとリファーラルの行を開き、内訳を確かめます。ありがちな症状と原因、直し方は次のとおりです。

症状原因直し方
メルマガ配信日に直接トラフィックが増えるHubSpot以外のツールや営業の個人メールで、UTMを付けずにURLを送っている社外に出すURLは発行台帳からUTM付きで取る運用にする
リファーラルの上位に自社のドメインが出るサブドメインや別ドメインのLP、ヘルプサイトがHubSpotのドメイン設定に入っていないトラッキングコードを入れている自社ドメインをすべてHubSpotに登録する
リファーラルに外部の予約・決済・フォームのドメインが出る外部ツールから自社サイトに戻った訪問が、新しい流入として数えられているその外部ドメインを参照元の除外に追加する
他のキャンペーンに社内のページ名が並ぶサイト内のバナーやリンクにUTMを付けているサイト内リンクからUTMを外す
オフラインソースが新規コンタクトの半分を超える名刺のインポートや手入力、連携ツールからの登録が多い分類の誤りではないため、展示会などの獲得経路を別のプロパティで記録する

自社ドメインのリファラーは、BtoBで特に起きやすい崩れです。コーポレートサイトとサービスサイト、採用サイトを別ドメインで持ち、サービスサイトだけをHubSpotに登録している会社では、コーポレートサイトから資料請求ページに来た人がリファーラルに入ります。HubSpotは登録済みのサイトドメインからの訪問をリファラーとして扱わないため、トラッキングコードを入れているドメインを1つずつ登録すれば、その日以降の訪問は正しく分類されます。

サイト内リンクにUTMを付けてはいけない理由は、判定の順番から分かります。UTMの有無は参照元ドメインより先に判定されるため、トップページのバナーにUTMを付けると、そこから始まった訪問は自社サイト内の移動なのに他のキャンペーンに入り、最新のトラフィックソースも上書きされます。バナーごとのクリックを数えたいなら、UTMではなくクリックイベントやCTAの計測で数えます。

過去の分類を一括で書き換えるかどうかは、慎重に決めます。オリジナルトラフィックソースを書き換えるとドリルダウンが消えるうえ、除外設定と同じく過去の訪問記録そのものは直りません。直した日を境に前後を分けて比べ、過去分は「この月までは自社ドメインがリファーラルに混ざっている」と注記するだけで、月次の判断には足ります。

直接トラフィックを減らそうとして、社外に出すURLすべてに細かくUTMを付け分けると、値が散らばって他のキャンペーンの内訳が読めなくなります。UTMを付けるのは、流入元を施策単位で比べたい経路だけに絞ります。

BtoBで毎月見る数字と、月次会議での使い方

BtoBでトラフィック分析から毎月拾う数字は、ソース別の新規コンタクト数、直接トラフィックとオフラインソースの割合、ソース別の商談数の3つに絞れます。セッションは増減の方向だけを確かめ、判断はコンタクトと商談の数で行います。

月次会議で毎月見る数字と、その数字で決めることを並べると次のようになります。商談数はウェブトラフィック分析の画面ではなく、取引のオリジナルトラフィックソース別に作ったレポートで見ます。

毎月見る数字見る場所その数字で決めること
ソース別の新規コンタクト数ウェブトラフィック分析の[ソース]タブどの流入元に来月の工数と予算を寄せるか
直接トラフィックとオフラインソースの割合同上UTMとドメイン設定を直す必要があるか
ソース別の商談数取引のオリジナルトラフィックソース別のレポートコンタクトは多いが商談にならない流入元を減らすか
他のキャンペーンの内訳[UTMパラメータ]タブウェビナーやパートナー経由の施策を続けるか
ソース別のセッション[ソース]タブ決めることはない。前月比で大きく動いたときだけ理由を調べる

会議で使うときは、ソース別の新規コンタクト数と商談数を同じ表に並べます。たとえばオーガニック検索からのコンタクトは多いが商談はほとんどなく、リファーラルからは数件でも商談になっている月なら、比較サイトや取引先経由の露出を増やす判断につながります。ソース別の数字は、コンタクトの数ではなく商談の数と並べて初めて、どの流入元に時間を使うかの判断材料になります。毎月の会議で何を決めるかの型はマーケティング定例会議の進め方に合わせ、ダッシュボードにどう並べるかはHubSpotのレポート設計の3層の考え方で組みます。

AIリファーラルは、件数が小さいうちは率を見ずに、どのページに着地したかとコンタクトになった人の中身を確かめる程度にとどめます。AIサービスからの流入はリンクをクリックされた分しか記録されず、実態より小さく見えるためです。GA4側で確認できる範囲とあわせて見るなら、AI検索経由の流入をGA4で確かめる方法と並べて数えます。

流入元別の商談数をHubSpotのレポートとして組むところで手が止まっているなら、月次会議で使う流入元レポートの組み方を具体的な設定画面で相談できます。

見ないほうがよい指標と、トラフィック分析を使わない判断

BtoBの月次判断では、直帰率・平均セッション時間・セッションあたりのページビュー・新規セッション率はほとんど使いません。問い合わせが月に数件の会社や、商談の大半が紹介や展示会から来る会社は、トラフィック分析の画面を毎月開く必要もありません。

直帰率や平均セッション時間は、1つの記事を読んで満足して閉じた人と、何も読まずに離れた人を区別できません。導入事例を1本読んで問い合わせた人は直帰に数えられることもあり、この数字が下がっても上がっても、来月何を変えるかは決まりません。会議資料に載せるなら、ページ単位の改善を検討する場面に限ります。

最新のトラフィックソースで施策を評価するのも避けます。メルマガのリンクは既存のコンタクトが最も多くクリックするため、最新のトラフィックソース別に商談を数えると、商談直前のメールがすべての成果を持っていくように見えます。最新のトラフィックソースは、休眠していたコンタクトがどの経路で戻ってきたかを確かめる用途で使い、流入元の評価はオリジナル側で行います。

直接トラフィックの増加を「指名が増えた」と読むのも誤りのもとです。直接トラフィックには、UTMを付けずに送ったメールのリンクや、参照元が渡らない経路からの訪問が混ざります。認知の広がりを見たいなら、社名での検索数など別の数字で確かめます。

トラフィック分析を使わない判断もあります。問い合わせが月に数件で、営業が1件ずつ「何で知ったか」を聞いて記録できる規模なら、ソース別の集計より本人の回答のほうが正確です。商談の大半が紹介や展示会から来ている会社では、コンタクトの多くがオフラインソースに入り、ウェブトラフィック分析の表は実態の一部しか映しません。その場合は、獲得経路を入力するプロパティと入力ルールを先に決め、トラフィック分析はウェブ施策を始めてから使います。

まとめ

HubSpotのトラフィック分析は、流入元を決まった優先順位で10種類のソースに1つだけ振り分け、その結果をコンタクトのオリジナルトラフィックソースとして残します。GA4との数字の差は、Cookie同意、社内アクセスとボットの除外、分類ルールの設定差から生まれるため、数字をそろえるより、ページの分析はGA4、流入元ごとのコンタクトと商談はHubSpotと役割を分けて使います。

次にやることは3つです。ウェブトラフィック分析の[ソース]タブで直接トラフィックとリファーラルの内訳を開き、自社ドメインや外部ツールのドメインが混ざっていないかを確かめます。混ざっていれば、HubSpotのドメイン設定と参照元の除外を直し、直した日を記録します。そのうえで、月次会議ではソース別の新規コンタクト数と商談数を並べた表だけを見て、翌月に時間を寄せる流入元を決めます。

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「直接トラフィックとオフラインソースが多く、どこから来たか説明できない」「GA4と数字が合わず、毎月同じ質問が出る」「流入元別の商談数をレポートにできていない」。Ampelは外部CMOとして、HubSpotのドメイン設定と除外設定、UTMの付け方、取引の流入元の見え方を確認し、月次会議で見る流入元レポートの形を担当者の方と一緒に決めます。

よくある質問

HubSpotのトラフィック分析はどこで見られますか?
[レポート]>[レポート]>[マーケティング]>[ウェブトラフィック分析]から開きます。Marketing HubまたはContent HubのProfessional以上が必要で、それ以外の契約ではコンタクトのオリジナルトラフィックソースで絞り込んで件数を数えます。
HubSpotのオリジナルソースとは何ですか?
コンタクトがHubSpotに記録された最初の訪問の流入元で、現在の画面では「オリジナル トラフィック ソース」という名前です。フォーム送信前の匿名の訪問もCookieでさかのぼって反映され、原則として後から変わりません。
HubSpotとGA4でセッション数が合わないのはなぜですか?
Cookie同意の扱い、社内アクセスとボットの除外、流入元の分類ルールがそれぞれ別に設定されているためです。セッションが30分の無操作で切れる点は同じでも、同じ期間の数字はそろわない前提で、傾向を比べるのに使います。
直接トラフィックが多いのはなぜですか?
URLの直打ちやブックマークのほか、UTMを付けずに送ったメールのリンクや、参照元が渡らない経路からの訪問も直接トラフィックに入るためです。社外に出すURLにUTMを付ける運用にすると、その日以降の直接トラフィックは減ります。
オフラインソースとは何ですか?
追跡できるウェブ上の訪問がないまま作られたコンタクトに付くソースです。名刺のインポート、CRMでの手入力、APIや連携ツールからの登録などが入り、分類の誤りではありません。

BtoBマーケティングの戦略設計から施策実行、運用定着までを一気通貫で支援します。