HubSpotの売上予測(フォーキャスト)の設定と使い方|予測カテゴリーの定義と週次会議での運用

月曜の営業会議で「今期はいくらで着地しそうか」と聞くと、営業ごとに違う基準の数字が返ってくる。楽観的な営業は提案中の案件をすべて数え、慎重な営業は契約書が戻るまで口にしない。HubSpotに取引は入っているのに、経営会議に出す着地見込みは結局マネージャーが表計算で作り直している。

HubSpotのフォーキャストで着地見込みが使える数字になるかどうかは、ツールの設定よりも、予測カテゴリーを「営業の手応え」ではなく「買い手側で確認できた事実」で定義し、期末に予測と実績のずれを見て定義を直し続けるかで決まります。予測の方法を選ぶのは、その定義が決まってからです。

Sales Hub Professional以上を契約していて、着地見込みを毎週の会議で使いたいなら、ステージの確度で出すか営業にカテゴリーを付けてもらうかは、クローズした取引の件数と、営業の間で「ほぼ確定」の意味が揃っているかで判断できます。商談の数が少ない時期や、取引の記録が揃っていない時期には、予測の金額を出さずに件数とステージだけを見るほうが着地の読みを外さないため、フォーキャストをまだ使わないという結論になる場合もあります。

HubSpotのフォーキャストは、期間内の着地見込みを毎週同じ基準で出すための画面

HubSpotのフォーキャストとは、選んだ期間の目標に対して、成約済みの金額と進行中の取引の見込み額を担当者別・チーム別に並べ、営業が自分の着地見込みを送信できる機能のことです。出てくる数字の信頼度は、取引に入っている金額・クローズ予定日・カテゴリーの正しさで決まります。

フォーキャストの画面は、営業メニューの[フォーキャスト]から開きます。公式ヘルプによると、チームごとの表には「目標」「成約」「ギャップ」(目標と成約の差)「フォーキャスト送信」が並び、パイプラインの表には「進行中のパイプライン」と、ギャップに対する進行中のパイプラインの比率である「進行中のパイプラインカバー率」が表示されます。担当者ごとには、加重パイプラインまたは合計パイプラインと、予測カテゴリーごとの金額が並びます。表示は[取引ステージ]タブと[フォーキャストカテゴリー]タブで切り替えられます。

営業マネージャーが月曜の朝にこの画面を開いたとき、最初に見るのは「ギャップ」と「ほぼ確定」の金額の差です。ギャップが1,200万円残っていて、ほぼ確定に入っている取引の合計が400万円なら、残り800万円を最良の場合やパイプラインの取引から何件拾えるかが、その週の会議の議題になります(金額は説明のための例です)。担当者別の数字を並べて読み上げるだけの会議には、フォーキャストの画面は要りません。

カバー率の目安を何倍に置くかは、自社の受注率と商談サイクルから決めます。倍率の出し方は受注率と商談サイクルからカバレッジの目安を出す方法に沿って計算し、フォーキャストの画面ではその目安を下回っていないかだけを確かめます。

フォーキャストが使えるプランと、設定の前に決める3つのこと

フォーキャストはSales Hub(またはService Hub)のProfessionalとEnterpriseで使える機能で、利用者にはSalesシートかServiceシートの割り当てが必要です。設定を始める前に、予測期間、予測に使う金額、対象のパイプラインの3つを決めます。

機能ごとの対象プランは、公式ヘルプで次のように案内されています。プランの料金や他の機能との違いはStarterとProfessionalの違いで比べてから決めます。

機能対象プラン(Sales Hub)補足
フォーキャストProfessional、Enterprise設定の編集はスーパー管理者。閲覧と変更にはフォーキャストの権限とシートが必要
営業目標Starter、Professional、EnterpriseStarterで使える指標は収益のみ。取引作成数や予約された会議などの指標はProfessional以上
日付と金額のプロパティを選んだ追加のフォーキャストProfessional、Enterprise作成はスーパー管理者。クローズ予定日と取引金額以外の組み合わせで予測できる
AIによる売上予測(Breezeフォーキャスト)Professional、Enterpriseベータ版。過去3か月間の成約取引をもとに将来の売上を予測する

設定画面は、設定アイコンから[オブジェクト]>[フォーキャスト]で開きます。ここで決める1つ目は予測期間で、月間か四半期かを選びます。公式ヘルプでは、予測期間を変更すると、すべてのパイプラインで収益目標とフォーキャスト送信がリセットされると案内されています。期の途中で切り替えると、それまでの送信の履歴と目標を作り直すことになるため、経営会議で着地を報告している単位に合わせて最初に決めます。

2つ目は予測に使う取引金額で、取引金額に取引の確度を掛けた「加重金額」か、取引金額をそのまま積む「合計金額」かを選びます。どちらを選ぶかは、次の見出しで説明する予測の方法と対になっています。3つ目は対象のパイプラインです。新規と更新でパイプラインを分けている会社は、パイプラインごとに予測と目標を持つことになるため、分け方を先に確かめます。分け方の判断は取引パイプラインの設計で整理した条件に合わせます。

営業担当者がフォーキャストを開けるか、送信できるかは、ユーザーごとの権限で決まります。マネージャーにはチーム全体を、営業には自分の取引を見せる範囲の設定は役割別の権限設計と合わせて決めておくと、導入初週に「画面が開けない」という問い合わせが出ません。

予測の方法は、ステージの確度で出すか、営業が予測カテゴリーを付けるかの2つ

HubSpotの予測には、取引ステージに設定した確度を金額に掛けて積む方法と、営業が取引ごとに予測カテゴリーを付けて積む方法があります。クローズした取引が少なく確度を実績から出せない段階では、カテゴリーで出す方法を主にします。

1つ目の方法は、取引ステージの確度を使います。HubSpotでは取引ステージごとに確度を設定でき、既定の営業パイプラインでは「予定されているアポイントメント」が20%、「契約書送付済み」が90%のように初期値が入っています。予測取引金額を加重金額にすると、各取引の金額に確度を掛けた値がフォーキャストに積まれます。営業の判断が入らないため、担当者による楽観と悲観の差は出ません。一方で、確度が初期値のままなら、積まれた金額は根拠のない掛け算になります。

2つ目の方法は、予測カテゴリーを使います。HubSpotの予測カテゴリーは、日本語の画面では「フォーキャストから外す」「パイプライン」「最良の場合」「ほぼ確定」「成約」の5つです。公式ヘルプでは、最良の場合は成立の可能性が中程度の取引、ほぼ確定は成立の可能性が高くフォーキャストにコミットされている取引と説明されています。営業が取引レコードで個別に変更でき、同じステージにある取引でも、決裁者の反応を見て「ほぼ確定」と「最良の場合」に分けられます。

進行中の取引 ステージの確度で出す カテゴリーで出す 取引ステージごとに 確度(%)を設定 営業が取引ごとに カテゴリーを付ける 金額×確度の 加重金額を積む ほぼ確定と最良の 場合の合計を見る 確度は実績から出す 定義は買い手の事実で 予測カテゴリーの自動化を使う場合 ステージの移動でカテゴリーの初期値が入り 営業は取引レコードで上書きできる
図1:HubSpotで着地見込みを出す2つの方法

2つの方法は組み合わせられます。設定画面の予測カテゴリーで取引ステージごとにカテゴリーを割り当て、「予測カテゴリーを自動化」をオンにすると、「パイプラインのフォーキャストカテゴリーマッピング」という名前のワークフローが作られ、取引がステージを移動したときにカテゴリーが自動で更新されます。公式ヘルプでは、自動化した後も営業が取引レコードでカテゴリーを変更できると案内されています。自動で作られたワークフローを他のワークフローと同じ一覧で管理する場合の注意は、ワークフローの命名と棚卸しのルールに合わせます。

自社の状況向く方法予測取引金額の設定
クローズした取引が少なく、ステージ別の受注率が安定しないカテゴリーで出す合計金額
営業が数名で、商談ごとの事情をマネージャーが把握しているカテゴリーで出す(自動化で初期値を入れる)合計金額
クローズ済みの取引が十分にあり、実績から出した確度を四半期ごとに更新しているステージの確度で出す加重金額
営業の人数が多く、担当者による楽観と悲観の差を消したい両方を並べて見る(確度の加重額と営業のほぼ確定を比べる)加重金額

確度を実績から出す手順は、ステージ設計と一体で決めます。クローズ済みの取引から各ステージの受注割合を出す方法は確度を自社の実績から出す手順の計算に従い、初期値の20%や60%を残したまま加重金額で予測を出すことは避けます。

予測カテゴリーの定義は、営業の手応えではなく買い手側で確認できた事実で揃える

「ほぼ確定」に何を入れるかを営業ごとの感覚に任せると、同じ金額でも担当者によって意味が違い、合計した数字は使えません。カテゴリーごとに、買い手側で何が確認できていれば入れてよいかを1〜2行で決め、会議の場で同じ基準を使います。

HubSpotの公式ヘルプにあるカテゴリーの説明は「成立の可能性が高い」「中程度」という程度の表現で、何をもって高いとするかは各社が決める部分です。定義を作るときは、営業の「いけそうです」という手応えではなく、買い手が言ったこと・出したものを条件にします。次の表は、国内のBtoBで稟議を経て契約する商材を想定した定義の例です。

予測カテゴリー入れる条件の例(買い手側の事実)入れない例
ほぼ確定決裁者が金額と開始時期を了承し、稟議または発注の日程が期内に決まっている担当者は前向きだが、決裁者にまだ上がっていない
最良の場合提案を受けた担当者が社内の検討に上げると答え、比較している選択肢と導入したい時期の根拠が分かっている「検討します」以外の返答がなく、次の打ち合わせが決まっていない
パイプライン課題を確認し、提案の場が決まっている。期内に決まるかは未確認情報収集の段階で、課題を相手の言葉で確認できていない
フォーキャストから外す時期の根拠が相手側になく、次に連絡する日だけを決めて寝かせている取引(期内の予測に含めない取引をまとめて置く)

条件に使う事実は、初回商談からの見極めで聞いている内容と同じものにします。稟議の流れや導入したい時期の根拠をどう聞くかは商談の見極めで確かめる4つの事実で聞き取った項目をそのまま使い、予測のためだけに新しい確認事項を増やしません。

カテゴリーと一緒に揃えるのが、取引金額とクローズ予定日の入れ方です。金額は見積を出す前なら概算でよいのか、税抜か、初年度分だけか複数年分か。クローズ予定日は契約日か、発注書の受領日か、請求開始日か。ここが担当者ごとに違うと、カテゴリーの定義を揃えても、同じ「ほぼ確定」に入る金額の意味がずれます。フォーキャストの初期設定では、合計や成約の集計はクローズ予定日と取引金額で行われるため、この2項目の定義は予測の土台になります。

予測カテゴリーや送信額の当たり外れを営業の人事評価に直接つなげると、営業は外さないように「ほぼ確定」を契約書が戻るまで付けなくなり、予測は実績の後追いになります。評価に使うのは受注額にとどめ、カテゴリーは会議で判断をそろえるための情報として扱います。

定義は、営業全員が参加する会議で読み合わせ、取引のプロパティの説明欄にも同じ文を入れておきます。新しく入った営業がカテゴリーを変えるとき、取引レコードの画面で条件を確認できる状態にしておくと、マネージャーが毎回口頭で説明し直す手間がなくなります。

目標は「フォーキャスト可能な収益」で、予測期間と同じ長さに合わせて作る

フォーキャストの画面に目標を表示するには、目標のテンプレートで「フォーキャスト可能な収益」を選び、目標の期間を予測期間と一致させます。期間が合っていない目標は、フォーキャストに表示されません。

目標は、レポートメニューの[目標]から作成します。公式ヘルプでは、目標の期間は週次・月次・四半期・年間・カスタムから選べ、目標を作成した後のパフォーマンスの画面で担当者ごとの目標値を入れると案内されています。収益の目標では、ユーザーやチームごとに対象のパイプラインを1つ選べます。フォーキャストで使う目標は、年とパイプラインを指定し、年はアカウントに設定した会計年度に合わせて扱われます。

Starterでも収益の目標は作れますが、フォーキャストの画面はProfessional以上の機能です。Starterで予実を見たい場合は、収益の目標と成約額をレポートで並べる形になります。取引作成数や予約された会議の数を目標にしたい場合も、Professional以上が必要です。

担当者別の目標値を先に決めてから入力する

担当者別の目標値は、HubSpotの中で考えるものではありません。期初の予算で決めたチームの目標を、担当者の担当領域や既存顧客の数で配分した表を先に作り、その値を入力します。四半期ごとに入れる場合、上期に偏る商材なら四半期ごとの配分も変えます。年間の目標を4で割っただけの値を入れると、毎年同じ四半期にギャップが大きく出て、会議でその説明に時間を取られます。

目標の数字を入れた後に予測期間を変えると、先に書いたとおり収益目標がリセットされます。月間の予測に切り替える可能性があるなら、目標を入れる前に経営会議と相談して期間を確定させます。

週次の営業会議では、金額の読み上げではなくカテゴリーの動きを確認する

フォーキャストを使う週次会議は、全取引の報告ではなく、前週から「ほぼ確定」に上がった取引と下がった取引、クローズ予定日が動いた取引だけを確認します。営業は会議の前にカテゴリーを更新し、着地見込みの金額とメモを送信しておきます。

公式ヘルプによると、営業はフォーキャストの画面の[送信]から、パイプラインと期間を選び、フォーキャスト金額とメモを入力して送信します。送信に含める取引をチェックボックスで選ぶこともできます。設定画面では、指定した日数以内にフォーキャストを更新していないユーザーの「フォーキャスト送信」セルにインジケーターを出せます。既定は8日で、最大31日まで変えられます。週次で会議をするなら、7日以内に設定しておくと、送信していない営業が会議の前に分かります。

会議の進め方は、たとえば次の順番にします。営業5名のチームなら、30分で終わる分量です。

  1. チームの目標、成約、ギャップを確認する(1分)
  2. 前週から「ほぼ確定」に上がった取引を、定義の条件を満たしているかで確認する
  3. 「ほぼ確定」から下がった取引と、クローズ予定日が期外に動いた取引の理由を聞く
  4. ギャップを埋めるために、「最良の場合」の中から今週動かす取引を決める
  5. 営業の送信額とカテゴリーの合計がずれている担当者に、差の理由を確かめる

2番目の確認では、マネージャーは「本当に取れるのか」と聞くのではなく、「決裁者は金額を了承しましたか」「稟議の日程はいつですか」と、定義に書いた条件で聞きます。条件で聞くと、営業は答えを持ってくるか、カテゴリーを戻すかのどちらかになり、会議での押し問答が減ります。フォーキャストの取引の表には「次のステップ」の欄があり、取引ごとの次の行動を会議の場で書き込めます。

5番目の、送信額とカテゴリーの合計のずれは、営業が数字に表れない情報を持っていることを示す場合があります。「ほぼ確定」の合計が500万円なのに送信額が350万円なら、どの取引を不安視しているかを聞き、その理由をカテゴリーの定義に足すべきかを考えます。パイプライン全体の厚みやステージの滞留を見る週次レビューは週次パイプラインレビューで見る項目と同じ会議で扱えるため、会議を2つに分ける必要はありません。

カテゴリーの定義と会議の進め方は、営業の人数や商材の決まり方で変わります。自社の営業会議にフォーキャストを組み込む手順を一緒に設計することもできます。

期末に予測と実績のずれを見て、カテゴリーの定義と確度を直す

予測の精度は、設定した時点では決まりません。期末ごとに、送信額と成約額の差、各カテゴリーに入っていた取引のうち期内に成約した割合、期外にずれた取引の数を確かめ、ずれの型に応じて定義か確度を直します。

送信の履歴は、送信パネルの[履歴]タブで最大1年前まで確認でき、「フォーキャスト送信の推移を表示」から営業分析の画面で推移を見られると公式ヘルプに書かれています。期末に見るのは、次の3つです。

  • 期の半ばに送信された着地見込みと、実際の成約額の差
  • 期の半ばに「ほぼ確定」「最良の場合」に入っていた取引のうち、期内に成約した割合
  • 期内のクローズ予定だった取引のうち、期外に予定日が動いた取引の件数と金額
1 定義に沿ってカテゴリーを 付け、毎週送信する 2 期末に送信額と 成約額を比べる 3 カテゴリー別の成約割合と 期ずれの件数を数える 4 ずれの型に応じて 定義か確度を直す 翌期は直した定義で送信する (1四半期ごとに1回見直す例)
図2:予測と実績のずれから定義を直す期ごとの手順

ずれには型があり、型ごとに直す場所が違います。営業全体のずれか、特定の担当者のずれかも分けて見ます。

ずれの型考えられる原因直す場所
「ほぼ確定」の取引が期内に成約しない定義の条件が緩い。決裁者の了承を担当者の発言で代用しているほぼ確定の条件に、稟議日程や発注日の確認を足す
成約が送信額を大きく上回る営業が条件を満たした取引もほぼ確定に上げていない評価との結びつきを確かめ、会議で条件を満たした取引を上げる
期外へのずれが多いクローズ予定日を営業の希望で入れている予定日の入れ方を買い手の稟議日程や導入時期の根拠に合わせる
加重金額と成約が合わないステージの確度が初期値のまま、または古い実績のまま直近のクローズ済み取引から確度を計算し直す
特定の担当者だけずれるその担当者が定義を別の意味で使っているその担当者の取引を会議で一緒に読み、条件の解釈をそろえる

定義を直すのは、1四半期に1回程度にとどめます。毎週のように条件を変えると、期をまたいだ成約割合を比べられなくなり、定義を直した結果が良くなったのかどうかも分からなくなります。

期内に成約しなかった「ほぼ確定」の取引が失注に終わった場合は、失注の理由も一緒に見ます。「予算の凍結」や「時期の延期」が並ぶなら、予測の条件より前に、見極めの段階で確かめる事実が足りていない可能性があります。理由の分類は失注分析の分類と運用の設計に合わせて選択式で残しておくと、期末の集計がレポートで出せます。カテゴリー別の成約割合を毎期同じ形で出すレポートの作り方は、HubSpotのレポート設計の手順で取引のプロパティから組みます。

予測の金額を出さないほうがよい段階と、その間に見るもの

商談の数が少ない、取引の金額の幅が大きい、営業がHubSpotに取引を入れきれていない段階では、フォーキャストの金額は判断を誤らせます。この段階では予測の金額を経営会議に出さず、取引の件数、ステージ、次の行動の期日を見ます。

次のどれかに当てはまる会社では、フォーキャストの設定を急ぐより、先にやることがあります。

  • 期内にクローズする取引が数件しかなく、1件の成否で着地が大きく変わる
  • 取引の金額に10倍以上の幅があり、大型の1件が合計の大半を占める
  • 営業がHubSpotに取引を入れていない、または会議の前日にまとめて更新している
  • 商談の開始から契約までが1年を超え、四半期の予測期間に取引がほとんど収まらない

数件の取引で着地が決まる会社では、フォーキャストの合計額より、その数件の取引について「決裁者は誰か」「稟議はいつか」を1件ずつ確認するほうが、着地の読みを外しません。取引の金額に大きな幅がある会社は、大型の取引だけを別に並べ、それ以外の合計とは分けて報告します。記録がそろっていない会社は、ステージと必須項目を決めて入力を定着させるのが先で、その手順はSales Hubを導入した直後に設定する機能から始めます。

AIによる売上予測についても同じ判断をします。公式ヘルプでは、Breezeフォーキャストはベータ版で、過去3か月間の成約取引の成約日と金額をもとに予測すると説明されており、予測は推定値でありそれだけに頼ってビジネス上の判断をすべきではないとも明記されています。3か月の成約が数件しかない会社では、AIの予測の幅を経営会議の数字として使うのではなく、営業のカテゴリーから出した数字と並べて参考にする程度にとどめます。

フォーキャストを入れない判断をした場合も、予測カテゴリーの定義だけは先に作っておけます。定義を週次会議で使い続けておくと、商談の数が増えてフォーキャストを設定したときに、過去の取引のカテゴリーの付け方がそろっているため、初期の期から予測と実績を比べられます。

まとめ

HubSpotの売上予測を使える数字にするのは、予測カテゴリーを買い手側の事実で定義することと、期末ごとに予測と実績のずれから定義を直すことです。

クローズした取引が少ないうちは、予測取引金額を合計金額にして営業のカテゴリーで着地を見ます。実績から出した確度を四半期ごとに更新できるようになってから、加重金額による予測を並べます。商談の数が少なく1件の成否で着地が変わる段階では、予測の金額は出さず、取引ごとの決裁の状況を確認します。

次にやることは、営業マネージャーと一緒に「ほぼ確定」と「最良の場合」の条件を1〜2行で書き、直近でほぼ確定だった取引に当てはめて、条件を満たしていたかどうかを確かめることです。条件を満たさない取引が多ければ、フォーキャストを設定する前に、その条件で会議を始めます。

予測カテゴリーの定義づくりや、フォーキャストと目標の設定を自社の営業会議に合わせて進めたい場合は、現在の取引データと会議の進め方をもとにご相談ください。

無料相談

着地見込みを毎週同じ基準で出せる営業会議を設計します

予測カテゴリーの条件をどう書くか、ステージの確度を使える状態か、目標と予測期間をどう合わせるか。Ampelは外部CMOとして、HubSpotのフォーキャストと取引パイプラインを、営業会議での判断に使える形に組み直す支援をしています。現在の取引データと会議の進め方をうかがったうえで、最初に決める定義と設定の順番を整理してお返しします。

よくある質問

HubSpotのフォーキャストはStarterプランで使えますか
フォーキャストはSales HubまたはService HubのProfessionalとEnterpriseの機能で、Starterでは使えません。Starterでは収益の目標を作れるため、目標と成約額をレポートで並べて予実を確認する形になります。
予測カテゴリーと取引ステージの確度はどちらを使えばいいですか
クローズした取引が少なく、ステージ別の受注率が安定しないうちは予測カテゴリーを使います。実績から出した確度を四半期ごとに更新できるようになったら、確度による加重金額も並べ、営業の「ほぼ確定」の合計と比べます。
予測カテゴリーは営業が毎回手で変える必要がありますか
予測カテゴリーの自動化をオンにすると、取引ステージの移動に合わせてカテゴリーが自動で更新されます。そのうえで、同じステージの中でも決裁の状況が違う取引は、営業が取引レコードでカテゴリーを変更できます。
目標を作ったのにフォーキャストに表示されないのはなぜですか
目標のテンプレートが「フォーキャスト可能な収益」になっていないか、目標の期間と予測期間が一致していない可能性があります。四半期の予測期間なら、目標の期間も四半期で作ります。予測期間を変更すると収益目標とフォーキャスト送信がリセットされる点にも注意が必要です。
売上予測の精度はどのくらいを目指せばいいですか
一律の目安より、期ごとのずれが小さくなっているかで判断します。期の半ばに送信した着地見込みと成約額の差、「ほぼ確定」に入っていた取引の期内の成約割合を毎期同じ方法で出し、定義を直した後に差が縮んでいるかを確認します。

BtoBマーケティングの戦略設計から施策実行、運用定着までを一気通貫で支援します。