展示会が終わったあと、「今回は人の流れが良かった」「今回は通路の位置が悪かった」という総括で会議が終わってしまうことがあります。同じ商材で同じ体制なのに、成果が回によって上下する。その振れ幅の正体は、当日たまたま誰がブースの前を通ったか、という運です。
この運を減らす方法はひとつしかありません。会場で誰と会うかを、会場に着く前に決めておくことです。事前にアポイントが入っている状態をつくれば、当日の来場者の流れがどうであれ、確定した商談が最初から数件ある状態で会期を迎えられます。
少人数で展示会を回している会社ほど、成果が当日の人の流れに左右されやすくなります。会期中に会いたい相手を層ごとに優先順位を付けて挙げられるか、開催日から逆算して案内を送る時間が残っているかを照らし合わせれば、事前アポにどこまで力を割けるかの見当がつきます。
事前アポが埋まっている展示会は、当日の運に左右されない
事前アポが入っていれば、当日の人の流れがどうであれ、確定した商談数が展示会の成果の下限になります。事前アポは集客施策のひとつではなく、成果の振れ幅を小さくする仕組みです。
展示会の成果を分解すると、当日ブースの前を通った人のうち何人と話せたか、という掛け算になります。ここには自社でコントロールできない変数が多く含まれます。小間の位置、隣のブースの派手さ、天候、同時開催のセミナーの時間割。どれも当日になるまで確定せず、確定したあとには手の打ちようがありません。
事前アポは、当日の変数に左右されません。「この日のこの時間に、この会社のこの人が来る」という約束は、開催の数週間前に自社の行動だけで確定させられます。当日の変数がどう転んでも消えません。つまり事前アポの本数は、展示会の成果の下限を自分で決めているのと同じことです。
実務的な効果はもうひとつあります。ブースに常に人がいる状態がつくれることです。時間帯を分散させてアポを入れておくと、来場者から見て「話し込んでいる人がいるブース」になります。がらんとしたブースに最初のひとりとして入るのは心理的な負担が大きいので、賑わっているブースには当日の飛び込みも入りやすくなります。
事前アポの本数は、当日の来場者数に関係なく確定している商談数です。ここを厚くするほど、展示会の成果の振れ幅は小さくなります。
事前アポをまったく入れずに出展するのは、小間代や装飾費を合わせた出展費用を、当日の人の流れに賭けているのと同じです。展示会の出展費用を回収できるかどうかを運に預けている状態を、まず自覚するところから始まります。
誰を呼ぶのか|5つの層は優先順位が違う
事前アポの打診先は、既存顧客・停滞商談・失注後の再訪・休眠リード・未接触ターゲットの5層に分け、来場してもらいやすい既存顧客と停滞商談から先に動かします。「見込み客」とひとくくりにすると、いちばん来てくれる層に手が回りません。
事前アポの打診先は、社内にすでにあるデータベースの中から5つの層に分けて考えます。層によって、来場してもらえる確率も、来てもらったときの意味も、送るべき文面もまったく違います。優先順位をつけずに一括で案内を出すと、いちばん反応が良いはずの層に、いちばん薄い文面が届くという事故が起きます。
| 層 | 誰か | アポ化のしやすさ | 展示会で果たす役割 |
|---|---|---|---|
| 1. 既存顧客 | すでに取引がある企業の担当者 | 高 | 追加提案の場。ブースの賑わいづくりにもなる |
| 2. 停滞商談 | 提案済みで返答が止まっている相手 | 高 | 催促に見えない再接触の口実 |
| 3. 失注後の再訪 | 過去に他社に決まった、または見送った相手 | 中 | 状況が変わったかの確認 |
| 4. 休眠リード | 過去に接点があり反応が途絶えた相手 | 中〜低 | 生死判定。反応の有無自体が情報になる |
| 5. 未接触ターゲット | まだ会えていない狙いたい企業 | 低 | 本数は出ないが、決まれば価値が最も高い |
既存顧客を呼ぶことをためらわない
既存顧客への案内は、展示会が新規獲得の場だという思い込みから省かれがちです。しかし来場確率がいちばん高いのはこの層で、しかも当日の会話は追加提案や別部署の紹介につながります。名刺の枚数には現れませんが、売上への距離はいちばん短い相手です。既存顧客向けのマーケティングの一環として、年間の接点設計に展示会を組み込んでおくとぶれません。
停滞商談と失注先は、展示会が最良の口実になる
提案後に返答が止まっている相手に「その後いかがでしょうか」と連絡するのは、送る側も受け取る側も気が重いものです。ここに展示会という外部イベントがあると、連絡の主語が自社の都合から催しの案内に変わります。相手にとっても、断りやすく、乗りやすい。停滞商談の掘り起こしとして、これ以上に自然な理由はそう多くありません。
失注先については、失注理由によって送るかどうかを分けます。価格が理由だったのか、機能が足りなかったのか、そもそも社内の優先順位が低かったのか。失注分析が記録として残っていれば、「その理由が解消されたかどうか」を案内文の中身にできます。理由が記録されていない場合は、この層は後回しにして構いません。
休眠リードは、反応がないこと自体を情報として受け取る
数年前に資料をダウンロードしたきり音沙汰のないリードは、展示会案内への反応で状態を判定できます。開封も反応もない相手はリストから外す判断材料になり、逆に反応があれば検討が再開している合図です。休眠リードの掘り起こしを単独の施策として立ち上げるより、展示会という具体的な用件に乗せたほうが動きやすい面があります。
未接触ターゲットは本数を期待しない
まだ一度も会えていない企業に展示会だけを理由にアポを取るのは、率としては厳しいと考えておいたほうがよいです。ただし決まったときの価値は最も高いので、ABMで狙う企業リストが定義されているなら、そこから十社程度に絞って個別に動かします。この層だけは一斉配信ではなく、担当者が一件ずつ調べて書く前提にしてください。
自社が狙うべき企業像をまだ一文で書けない場合は、先にICPの定義を固めます。ターゲットが曖昧なまま案内先を広げると、会う理由のない相手にまで一斉に送る無差別配信に近づいていきます。
いつから動くか|開催日から逆算して決める
事前アポは開催日から逆算して、12週間前に呼ぶ相手を決め、6週間前に日程だけ空けてもらう一次案内、4週間前に時間を決める個別打診と、複数回に分けて動きます(週数は実務上の目安)。
案内を一度だけ、それも開催の一週間前に送って反応がなかった、という話をよく聞きます。相手のスケジュールは数週間前には埋まり始めているので、この時期に初めて連絡が届いても物理的に予定が合いません。逆に三ヶ月前に案内しても、その時点では予定が確定できず「近くなったら考えます」で終わります。
実務上は、日程だけ先に空けてもらう一次案内と、時間を決めるための個別打診を、別のタイミングで分けて動かします。
週数はあくまで目安で、業界や役職によってずらします。経営層や決裁者を呼びたい場合は全体を二週間ほど前倒しします。逆に現場担当者中心の展示会であれば、四週間前からの動きでも間に合うことがあります。週数そのものより、一次案内と個別打診を分けることを守ってください。
事前アポの逆算スケジュールは、出展準備全体のスケジュールとは別に持ってください。ブースの制作や資料の入稿は物理的な締切に縛られますが、事前アポは相手の予定に縛られます。締切の性質が違うものを同じ表で管理すると、たいてい事前アポのほうが後回しになります。出展全体の段取りはBtoB展示会の出展準備の表で管理し、事前アポの表とは週に1回突き合わせます。
招待の伝え方|「立ち寄ってください」では動かない
招待には、展示会名と小間番号より先に、相手が会場で得られる用件を層ごとに書きます。来場するかどうかは、相手が自分の時間を使う理由を見つけられるかで決まるからです。
案内メールでいちばん多い書き方は、展示会の名称と会期と小間番号を並べて「お立ち寄りください」と締めるものです。これは案内であって招待ではありません。受け取った側からすると、その日にわざわざ移動して、自分のブースを探して立ち寄る理由が一行も書かれていないからです。
行く理由をつくるには、相手にとっての用件を先に書きます。用件は層ごとに違います。
既存顧客に送るとき
すでに使っている相手には、いま使っている範囲の外側を見せるのが自然な用件になります。新しく出す機能、他社の使い方、まだ話していない領域。担当者からの個別メールとして送り、返信で日時を決められる形にします。マーケティング部門からの一斉配信で送ると、既存顧客であっても「その他大勢向けの案内」として処理されます。
停滞商談・失注先に送るとき
停滞商談と失注先には、前回の会話の続きであることを明示します。「前回お話しした際に課題としてあがっていた点について、会場でお見せできる形になりました」という書き方ができれば、催促ではなく進捗報告になります。前回の内容を思い出せない場合は、送る前に商談記録を読み直す時間を取ってください。ここを飛ばして定型文を送ると、相手には「一斉送信だな」と伝わります。
休眠リード・未接触ターゲットに送るとき
接点が薄い相手には、自社を売り込む前に、会場で得られる情報そのものを用件にします。同じ業界の他社がどう取り組んでいるか、今年の展示会で何が主流になっているか。自社ブースへの誘導は二次的な位置に置きます。それでも反応率は他の層より低くなるので、メール一通で決めようとせず、電話や個別の連絡を組み合わせます。この層への声のかけ方はアウトバウンドの進め方と同じ考え方になります。
全層に同じ文面を送ると、いちばん来場確率の高い既存顧客に、いちばん薄い文面が届きます。層ごとに書き分ける工数が取れないなら、送る層を絞ってください。
件名と送り主で開封が決まる
どれだけ本文を練っても開かれなければ意味がありません。件名には展示会名だけでなく、相手にとっての用件を入れます。送り主は、過去にやり取りのある担当者個人の名前にします。会社名の代表アドレスからの配信は、既存の関係がある相手ほど開かれにくくなります。過去の案内メールがほとんど開かれていなかったなら、件名と送り主を変えたうえでメールの開封率の推移を見ます。
自社だけで層ごとの設計と文面の書き分けを回すのが難しい場合は、展示会前後の設計についてご相談ください。
主催者の来場者リストと招待券は、どこまで当てにできるか
主催者の招待券は来場を迷っている相手の後押しまで、来場者リストは提供範囲と利用条件の内側まで当てにできます。どちらも自社リストへの個別招待の代わりにはなりません。
多くの展示会では、出展社に対して招待券や無料招待コードが配布されます。事前登録者のリストや、来場予定者の属性データを提供する主催者もあります。これらは使えるものですが、期待の置き方を間違えると空振りします。
招待券は、来場のハードルを下げる道具です。行くかどうか迷っている相手の背中は押せますが、行く理由そのものはつくれません。招待券を送るだけで来場が増えると考えると、たいてい期待外れになります。用件を書いた個別の招待に、招待券を添える。この順番です。
来場者リストについては、提供範囲と使用条件を必ず確認してください。個人が特定できる形で提供されるのか、業種や規模の集計だけなのかで、できることがまったく変わります。仮に連絡先が提供される場合でも、その取得時に来場者がどこまでの利用に同意しているかが問題になります。主催者の規約を超えた使い方をすると、リードが取れる以前に信頼を失います。
集計データしか提供されない場合でも、使い道はあります。会期後の振り返りで、マーケティング責任者が来場者の業種構成と自社のターゲットの重なりを見れば、その展示会に翌年も出るかを判断できます。
当日枠の押さえ方|時間を決めるか、来られたら対応か
既存顧客と停滞商談は時間を確定させ、休眠リードと未接触ターゲットは「会期中にお立ち寄りいただければ」という緩い形で受けます。確定枠は埋めすぎず、当日の来場者に対応する自由枠を残します。
事前アポには二つの形があります。時間を指定して確定させる形と、「会期中にお立ち寄りいただければ」という緩い形です。前者は確実ですが相手の負担が大きく、後者は取りやすいものの実際には来ないことが多い。どちらか一方に寄せるのではなく、相手の層と自社の対応可能人数で使い分けます。
目安として、既存顧客と停滞商談は時間を確定させます。この層は関係があるので、時間を決めることが失礼になりません。休眠リードと未接触ターゲットは緩い形で受け、来場したら連絡をもらう運用にします。
確定枠を入れるときの注意は三つあります。
ひとつめは、枠を連続させないことです。三十分の商談を続けて三本入れると、前が延びた瞬間に後ろが崩れます。枠と枠の間に十五分から三十分(実務上の目安)の余白を置いてください。この余白は当日の飛び込み対応にも使えます。
ふたつめは、来場者が集中する時間帯を避けることです。混む時間帯は展示会ごとに違うので、同じ展示会に出たことがあれば、前回の自社の記録で来場の山を確認します。山の時間に確定枠を詰め込むと、いちばん人が来ているときにブースの主要人員が全員商談で塞がります。確定枠は山の前後に寄せます。
みっつめは、誰が対応するかまで事前に割り付けることです。「当日いる誰かが対応する」にしておくと、当日その人が別の対応をしていて手が空かないという事態が起きます。相手企業ごとに担当者を決め、二週間前の時点で社内共有します。
確定枠で対応した相手とは、その場で名刺交換して終わりにしないでください。次のアクションを会場で決めてしまうのが理想です。会期後のフォローの負荷が減り、記憶が新しいうちに次の商談が入ります。
事前アポがある状態で、当日の運営はこう変わる
事前アポがあると、当日は確定枠の商談担当と通路側の声かけ担当に役割を分けられ、来場者ごとの記録も最初から用件と紐づきます。
事前アポが入っていない展示会の当日は、全員が同じ動きをします。通路に立って声をかけ、名刺をもらい、次の人に向かう。役割の分化がないので、誰かが商談に入ると人手が減り、声かけが止まります。
事前アポがあると、時間割が先にあるので役割を分けられます。確定枠を担当する人は商談に専念し、それ以外の人が通路側を担当する。人数が限られていても、時間帯ごとに誰がどちらを担当するかを決めておけば、ブースが無人になる時間をなくせます。
もうひとつ変わるのは、記録の粒度です。事前アポで来た相手については、いつ、どういう用件で呼び、何を話し、次に何をするかが最初から紐づきます。当日の飛び込みで得た名刺のように、後から「これは誰だったか」を思い出す作業が要りません。この記録の差が、会期後のフォロー速度に直結します。
会期後に連絡する順番は、BtoB展示会リードのフォロー設計に沿って、事前アポで会った相手から先に決めます。
忘れがちなのが、来なかった相手の扱いです。確定枠を入れていたのに来場しなかったケースは必ず出ます。当日中に、遅くとも翌営業日には連絡を入れてください。「お会いできませんでしたが」という一言があるかないかで、その後の関係が変わります。予定が合わなかっただけで、興味がなかったわけではないことのほうが多いからです。
効果の見方|事前アポ由来と当日獲得を分けて数える
事前アポの効果は、リードに「事前アポ由来」「当日獲得」の区分を付け、件数・商談化率・受注までの期間を別々に数えて見ます。合算すると、事前アポの効果も当日運営の課題も見えなくなります。
展示会の成果を「獲得名刺◯枚、うち商談◯件」とだけ集計している会社は少なくありません。この数え方では、事前アポを増やしたときに何が良くなったのかが説明できません。翌年に予算を確保する根拠も出てきません。
やることは単純で、リードの取得経路を二つに分けて記録するだけです。展示会名とあわせて、事前アポ由来か、当日獲得かのフラグを持たせます。CRMやMAを使っているなら、キャンペーンの下に区分を持たせれば済みます。
| 見る指標 | 事前アポ由来 | 当日獲得 | この差から読むこと |
|---|---|---|---|
| 件数 | 打診数と確定数の両方 | 名刺の枚数 | 確定率が低ければ文面か時期の問題 |
| 商談化率 | 通常は高く出る | 通常は低く出る | 差が小さいなら当日の会話に伸びしろ |
| 受注までの期間 | 短くなりやすい | 長くなりやすい | 営業の工数配分を決める根拠になる |
| 層別の内訳 | 5つの層ごとに集計 | 該当なし | 次回どの層に工数を寄せるかを決める |
分けて数えると、直す場所が特定できます。事前アポの確定率が低いなら、招待の文面か動き出す時期を直します。事前アポ由来の商談化率まで低いなら、呼ぶ相手の選び方が間違っています。当日獲得だけが極端に悪いなら、それはブースや当日運営の問題であって、事前アポの話ではありません。
もうひとつ、事前アポの打診数と確定数は必ず両方残してください。確定数だけを見ていると、単に打診を増やしただけなのか、文面が良くなったのかが区別できません。
事前アポ由来と当日獲得を分けたうえで、半年から一年の期間で商談と受注まで追いかけます。会期直後の名刺枚数では、どちらの施策が商談につながったかは判別できません。
展示会以外のチャネルと横並びで比較したい場合は、BtoBマーケティングの効果測定の考え方を土台にすると、指標の定義がぶれません。
やらない判断|無差別配信とリスト購入は事前アポにならない
事前アポは既存の関係を使って会う約束を取る作業で、案内の母数を増やす作業ではありません。そのため、保有リスト全件への一斉配信と外部リストの購入はやりません。
案内を出す件数を増やせば来場が増える、という発想に立つと、二つの手に行き着きます。保有リスト全件への一斉配信と、外部リストの購入です。どちらも事前アポの目的からは外れています。
全件への一斉配信は、送信数だけは稼げます。しかし関係のない相手に届いた案内は開かれず、配信解除を増やし、次に本当に届けたいときの到達率を落とします。展示会一回の来場者を数人増やすために、年間を通じたメールの資産を削ることになります。メール配信の頻度と同じで、送る相手を絞る判断のほうが、長期的には到達率と開封率を保てます。
購入リストへの案内は、加えて法令面と信頼面のリスクを負います。特定電子メール法では、広告宣伝メールは原則として事前に同意を得た相手にしか送れません(第3条第1項)。例外は、名刺などの書面でアドレスを通知された相手、取引関係にある相手、ウェブサイトでアドレスを公表している団体・事業者などに限られます。仮に問題がない形で送れたとしても、面識のない相手が展示会案内だけを理由に時間を割く確率は高くありません。費用と手間に見合いません。
もうひとつ、やらない判断として挙げておきたいのが、事前アポそのものを見送るケースです。会期後にフォローする人員が確保できていない場合、事前アポを増やしても商談は前に進みません。フォロー体制がないまま入口だけ広げると、対応の遅れが関係を悪化させます。この場合は、事前アポの本数を絞り、確実に対応できる範囲で回すほうが結果的に良い判断です。
また、初出展でターゲットも来場者層もまだ読めていない段階では、事前アポに割く工数を最小限にして、当日の観察に人を回すという選択もあります。二回目以降に、一回目の来場者データをもとに本格的に設計すれば十分間に合います。
自社の体制で事前アポをどこまで設計すべきか迷う場合は、現状の体制を前提にした進め方をご相談ください。
まとめ
事前アポは、展示会の成果から運の要素を差し引くための唯一の手段です。
当日の来場者の流れは自社では動かせません。動かせるのは、会場に行く前に誰と会う約束をしておくかだけです。既存顧客、停滞商談、失注先、休眠リード、未接触ターゲットの五つの層に分け、来場確率の高い順に工数を配分します。
動き出しは開催の十二週間前が目安です。日程だけを確保する一次案内と、時間を決める個別打診を分けて設計します。招待には必ず相手にとっての用件を書き、層ごとに文面と送り主を変えます。主催者の招待券は行く理由をつくる道具ではなく、迷いを解消する道具として位置づけます。
当日は確定枠を分散させ、間に余白を残します。そして事前アポ由来と当日獲得を分けて記録し、半年から一年の期間で商談と受注まで追います。この分離ができて初めて、次回どこに工数を寄せるかが判断できます。
フォロー体制がない状態で入口だけ広げないこと、無差別配信と購入リストに頼らないこと。この二つを守れば、事前アポは展示会の投資対効果を安定させる装置になります。
無料相談
展示会の事前アポ設計から、会期後の商談化までを一緒に組み立てます
誰を呼ぶかのリスト設計、招待文の層別の書き分け、当日の時間割、事前アポ由来と当日獲得を分けて測る仕組みまで、御社の体制に合わせて設計します。次の出展を運任せにしたくない方はご相談ください。
よくある質問
- 展示会の出展告知は、いつから始めるのがよいですか。
- 日程だけを空けておいてもらう一次案内は開催の六週間前、時間を決める個別の打診は四週間前が目安です。経営層や決裁者を呼びたい場合は、それぞれ二週間ほど前倒しします。一週間前の一通だけでは、相手の予定がすでに埋まっているため物理的に間に合いません。
- 既存顧客を展示会に呼ぶのは失礼になりませんか。
- 用件が書かれていれば失礼にはなりません。むしろ来場確率がいちばん高い層です。送り主はマーケティング部門の一斉配信ではなく、普段やり取りのある担当者にして、個別に送ります。いま使っている範囲の外側を見せる、という用件を立てると自然な招待になります。
- 主催者からもらう招待券を送るだけでは足りませんか。
- 足りません。招待券は来場のハードルを下げる道具であって、行く理由をつくるものではないためです。相手にとっての用件を書いた個別の招待に、招待券を添える形にしてください。順番を逆にすると、券だけが配られて誰も来ないという結果になりがちです。
- 事前アポの成果は、どう測ればよいですか。
- リードの取得経路を事前アポ由来と当日獲得に分けて記録し、それぞれの商談化率と受注までの期間を半年から一年の期間で追います。あわせて打診数と確定数の両方を残してください。確定数だけでは、打診を増やしただけなのか招待の質が上がったのかが区別できません。
- 人手が足りない場合、事前アポは見送ってもよいですか。
- 会期後にフォローする人員が確保できていないなら、本数を絞るか見送る判断が妥当です。入口だけ広げて対応が遅れると、関係をかえって悪化させます。初出展で来場者層が読めない場合も、初回は当日の観察に人を回し、二回目以降に本格設計するという進め方があります。