製造業のBtoBマーケティング|展示会と営業頼みから、技術資料とWebで引き合いを増やす進め方とMAの使いどころ

製造業でWebからの問い合わせが少ないのは、製品が検索されていないからとは限りません。設計者は材質や不具合の症状で調べ、仕様書やCADデータで候補を絞り、名乗るのは図面を送る段階になってからです。その連絡が商社経由で届けば、Webで調べていたことは営業の記録に残りません。

展示会と営業頼みから抜けるには、技術者が候補を絞る段階で使う資料をWebに出し、見積依頼・技術相談・サンプル依頼・資料のダウンロードを引き合いの入口として別々に数えます。MAは、その入口に生まれる接点を営業が追い切れなくなってから入れます。

展示会と紹介で新規受注の大半が決まっていて、Webの強化を求められた会社なら、何から手を付けるかは、過去の受注案件がどこで自社を知ったかと、技術者が技術相談に時間を割けるかが分かれ目です。生産能力が埋まっている時期や、直接の引き合いを受けられない代理店契約なら、Webの施策を広げない判断もあります。

製造業のBtoBマーケティングは、どこが他の業種と違うのか

製造業では、技術者が名乗らないまま資料で候補を絞り、引き合いは試作や見積の段階で、展示会や商社を経由して届くことがあります。Webの問い合わせ件数だけを見ていると、名乗る前の段階がすべて抜け落ちます。

製造業のBtoBマーケティングとは、部品・装置・素材などを企業に売るメーカーが、設計者や購買担当者が候補を探して比べる段階で自社を候補に入れてもらい、生まれた引き合いを営業や商社に渡すまでの仕組みを作ることです。ソフトウェアやサービスのBtoBと同じ考え方で始めると、前提の違いで施策が空回りします。違いは次の5つです。

製造業の前提起きることマーケティング側でやること
検討期間が長い(設計・試作・評価・量産)展示会で会った設計者の案件が、次の設計変更まで動かない案件の時期を記録し、評価や設計変更の前に接点を持つ
関与者が多い(設計・生産技術・品質保証・購買)設計者が納得しても、品質書類の提出や購買の価格比較で止まる部門ごとに必要な資料を分けて用意する
仕様・図面・技術資料で比べられる売り文句ではなく、数値・公差・材質・試験条件で比べられる数値の載った資料を、比べやすい形で出す
展示会と商社・代理店の比重が大きい引き合いが商社経由で届き、エンドユーザーがどこで自社を知ったか分からない最初の接点を記録するルールを商社と決める
Webの問い合わせが少ない調べる段階では名乗らず、名乗るのは図面を送るときや試作のとき資料のダウンロードや見積依頼を、問い合わせとは別に数える

製造業のマーケティングの課題は、引き合いの入口が見えていないこと

営業部長が「うちの製品はネットで探されない」と言う会社でも、アクセス解析を開くと、製品の仕様ページやカタログのPDFが毎月読まれていることがあります。読まれているのに問い合わせがないのは、読んだ技術者が名乗る理由を持っていないか、名乗る窓口が「お問い合わせ」1つしかないかのどちらかです。製造業のマーケティングの課題は、人材不足や社内の理解不足として語られがちですが、手を付ける順番を決めるうえでは、引き合いがどこから生まれているかを社内の誰も説明できない状態のほうが先に直す対象です。

何から始めるか:過去の受注案件を、最初の接点までさかのぼる

製造業のマーケティングは、施策の一覧から選ぶのではなく、直近の新規受注や新規採用の案件が、どこで自社を知り、どの資料を求め、誰が関わったかを並べてから始めます。並べると、展示会・商社・Web・既存顧客の紹介のどこに手を入れるかが決まります。

営業会議の議題を1回分もらい、新規顧客から受注した案件と、既存顧客で新しく採用された案件を1件ずつ担当営業に聞き取ります。聞き取る項目は次のとおりです。

項目書き出す内容分かること
最初の接点展示会、商社・代理店の紹介、Webからの連絡、既存顧客の別部署、営業の訪問どの接点を増やすと受注が増えるか
最初に求められた資料カタログ、仕様書、CADデータ、評価データ、見積Webに何を置くか
関わった部門設計、生産技術、品質保証、購買誰向けの資料が足りないか
最初の接点から発注までの期間おおよその月数施策の成果をいつ評価するか
止まりかけた場面品質書類の提出、価格比較、試作の遅れ資料で先回りできるところ

並べた結果で、手を入れる場所を決めます。展示会で最初に会った案件が多ければ、展示会そのものと会期後の追い方に手を入れます。商社経由が多ければ、商社の営業が顧客に渡せる資料を先に整えます。既存顧客の別部署・別拠点からの採用が多ければ、既存顧客への技術情報の案内が先です。Web起点の案件がほとんどなくても、案件の途中で仕様書やCADデータを何度も求められているなら、その資料をWebに置くところから始めます。

営業が「最初のきっかけは覚えていない」と答える案件もあります。過去の分は分からないままでよいので、今後の案件から、案件を登録するときに最初の接点と求められた資料を記録する欄を作ります。受注目標からリード数を逆算する計算やKPIの置き方は、BtoBマーケティング戦略の立て方の手順で、棚卸しの結果を入れて組み立てます。

新しいチャネルを足すより、受注につながった実績のある接点を増やすほうが、経営陣や営業部門の了承を得やすく、成果が出るまでの期間も読めます。

技術者に読まれるコンテンツは、カタログより先に選定と比較の資料を出す

技術者がWebで探しているのは会社紹介や売り文句ではなく、候補を絞るための数値と条件です。技術解説、用途別の事例、仕様書、選定ガイド、CADデータを、検討の段階に合わせて出します。

技術者が候補を絞り、引き合いになるまで 1 課題・原因を調べる 関与:設計・開発 使う資料:技術解説、用途別の事例 名乗らずに調べる段階 ↓ 2 候補を絞る 関与:設計・開発、生産技術 使う資料:仕様書、選定ガイド、CADデータ 名乗らずに調べる段階 ↓ 3 名乗って相談する(引き合い) 関与:設計、購買 窓口:技術相談、図面での見積、サンプル ここから問い合わせとして見える ↓ 4 評価・試作 関与:品質保証、生産技術、設計 使う資料:評価データ、試験成績書 営業と技術担当が対応する ↓ 5 採用・量産 関与:購買、生産管理 決め手:価格・納期・供給体制 採用後は同じ部品が長く発注される 商社経由の取引では、3以降の連絡が商社から届く
図1:技術者は1と2の段階を名乗らずに進むため、Webでは資料の閲覧とダウンロードでしか動きが見えない

検討の段階ごとに、読む人と置き方が変わります。公開するかフォームで登録を求めるかは、資料が使われる段階で決めます。

資料主に読む人使われる段階置き方
技術解説(原理、不具合の原因と対策)設計、生産技術課題を調べる公開して検索で見つけてもらう
用途別・加工別の事例設計課題を調べる〜候補を絞る公開。社名は出さなくてよい
仕様書・データシート設計候補を絞る製品ページに数値を載せ、PDFも置く
選定ガイド(使用条件から型式を選ぶ表)設計、購買候補を絞る公開するか、簡単な登録で渡す
CADデータ(2D・3D)設計候補を絞る〜図面に組み込む商材によって分かれる
評価データ・試験成績書・品質の書類品質保証評価・試作引き合いの後に個別に渡す

技術者は製品名ではなく、材質・加工法・規格・不具合の症状で検索する

中堅・中小のメーカーの製品名や型番は、知られていないので検索されません。技術者が検索窓に打つのは、材質と加工方法の組み合わせ、規格名と適合の可否、「割れ」「摩耗」「異音」といった症状と原因、今使っている部品の代替品です。どの言葉で調べられているかは、技術部門と営業に、過去の技術相談で聞かれた質問を書き出してもらうと分かります。質問1つに対して、原因・判断の条件・自社が対応できる範囲を書いた技術解説のページを1本作るのが、製造業のリード獲得でいちばん無理のない始め方です。

書くのはマーケティング担当で構いません。技術者に質問ごとに短い時間で話を聞き、下書きを作り、数値と条件だけを技術者に確認してもらいます。技術者に最初から書いてもらう進め方は、本業の繁忙期に止まります。技術解説や選定ガイドをまとめてダウンロード資料にする場合の企画と構成は、ホワイトペーパーの作り方の手順で進めます。

CADデータに登録を求めるかどうか

CADデータのダウンロードに登録を求めると、どの会社が設計段階にいるかが分かります。一方で、設計者は競合の同等品に登録なしのデータがあれば、そちらを図面に組み込みます。標準品で型番が多く、図面に組み込んでもらうことが採用に直結する商材なら、登録なしで公開し、ダウンロードの件数と閲覧した会社の傾向を見ます。特注品やカスタム品で、データを渡すこと自体が技術相談の入口になる商材なら、登録を求めます。

GA4の拡張計測機能のファイルダウンロード(file_download)が自動で数えるのは、pdf・xlsx・zipなど決められた拡張子だけで、STEPやDXFなどのCAD形式はそのままでは数えられません。CADデータはzipにまとめて置くか、ダウンロードのクリックを別に計測する設定を入れます。

事例は社名を出せない前提で作る

製造業の取引は秘密保持契約を結んでいることが多く、顧客の社名や製品名を出せない事例が大半です。社名がなくても、業界、部品の用途、材質、困っていた現象、変えた条件、結果を書けば、同じ課題を持つ設計者は自分の案件に当てはめて読めます。取材の依頼の通し方と匿名での書き方は、BtoB導入事例の作り方の進め方をそのまま使えます。

製造業のホームページは、見積依頼・技術相談・サンプル依頼で入口を分ける

製造業のホームページで問い合わせフォームが1つしかないと、図面を送りたい設計者と、取引先の情報を確かめたい購買担当が同じ入口に並び、どちらも送信をためらいます。依頼の種類ごとに入口を分け、それぞれを引き合いとして数えます。

入口フォームで受け取るもの受けた後の対応
図面での見積依頼図面ファイル、材質、数量、希望納期営業と技術担当が対応の可否を判断する
技術相談困っている現象、使用条件、今の部品・工法技術担当が一次回答する
サンプル・評価品の依頼用途、評価する項目、必要な数営業が用途を確かめてから送る
資料・CADデータのダウンロード会社名、部署、メールアドレス(登録を求める場合)配信の対象に入れ、その後の閲覧を見る
その他の問い合わせ自由記述内容を見て振り分ける

図面での見積依頼を受けるなら、フォームの近くに、秘密保持契約を結んでから図面を送る方法も選べることと、回答までにかかる日数の目安を書きます。設計者が図面を送らない理由の多くは、送った図面がどう扱われるかと、いつ返事が来るかが分からないことです。フォームには「取引のある商社があれば社名」を入れる任意の欄も置くと、後で述べる商社との分担がしやすくなります。

製品ページには、仕様の数値をPDFの中だけでなくページ本文にも載せます。ページに数値が載っていれば、型番や数値で検索した技術者が製品ページに直接たどり着け、どの製品ページが読まれてどの入口に進んだかもGA4で追えます。対応できる材質・サイズ・公差・ロット数と、設備の一覧も、見積依頼の前に技術者が確かめる情報です。入口を分けたあと、流入・ページ・フォームのどこで引き合いが止まっているかは、BtoBサイトの問い合わせを増やす方法の切り分け方で入口ごとに確かめます。

展示会は会う場、Webは会ったあとに調べられる場として組み合わせる

展示会で交換した名刺の多くは、その場では案件になりません。会期後に設計者が自社のサイトで仕様書やCADデータを見に来たときに営業が気づける状態にしておくと、展示会で会った相手の案件が動いた時期をつかめます。

会期前は、過去に資料をダウンロードした会社や技術相談のあった会社に、出展と展示品を案内します。ブースでは、展示品ごとに技術資料のページへ進むQRコードを置き、紙のカタログを大量に配る代わりに、持ち帰った後に必要になる最新の仕様書をWebで渡します。会期後は、名刺と会話のメモ(用途、困っている現象、次の設計変更の時期)を1か所にまとめ、会期後に資料のページを見に来た会社から順に営業が連絡します。

展示会の成果を名刺の枚数で測っていると、会期後に案件が動いた会社を展示会の成果として数えられません。枚数目標をやめて何を数えるかは展示会で成果が出ない理由の見直し方で決め、会期後の連絡の順番と分類は展示会リードのフォロー設計の手順で組みます。「今は案件がない」と言われた設計者との接点を、次の設計変更の時期まで保つ方法は検討期間が長いBtoBのナーチャリングの年間の接点カレンダーが使えます。

展示会の名刺を、会話の内容を記録しないまま配信リストに入れると、営業が後から誰と何を話したかを確かめられず、案件が動いたときに的外れな連絡をします。名刺の入力と同じ日に、会話のメモも入力する担当を決めておきます。

製造業でMA・CRMを使う場面と、入れなくてよい条件

製造業でMAが役に立つのは、スコアで見込みの高い人を探す場面より、展示会・Web・商社経由の接点を会社単位でまとめ、資料を見に来た会社や時期が来た案件を営業に知らせる場面です。Webからの接点が少なく、営業が顧客の担当者をすべて知っている規模なら、MAより先にCRMか表計算で接点を記録します。

製造業でMA・CRMを使う場面は、次の5つです。

  • 設計・生産技術・品質保証・購買の担当者を、1つの会社の記録にまとめる
  • 資料やCADデータをダウンロードした会社が、再び仕様ページや見積依頼のページを見たときに営業に知らせる
  • 次の設計変更や評価の時期を記録し、その前に営業が連絡する
  • 既存顧客の別拠点・別部門に、新製品や新しい技術資料を案内する
  • 技術解説や事例を公開したときに、過去の接点のある技術者に案内を送る

最初から細かなスコアリングや分岐の多い自動配信を組むのは、製造業では向きません。1か月に生まれる接点の数が少なく、スコアの基準が合っているかを確かめられるだけの件数がたまらないためです。まず接点を会社単位でまとめ、ダウンロードと再訪を営業に知らせるところまでを動かし、足りなくなってから配信の自動化を足します。

今の状況先に用意するもの
新規の接点が展示会中心で、Webの資料ダウンロードがほとんどない名刺と会話メモをまとめるCRMか表計算、メール配信
Webの資料ダウンロードや技術相談が毎月あり、営業が追い切れないダウンロードと再訪を通知できるMAと、会社単位で記録するCRM
受注の大半が商社経由で、エンドユーザーの連絡先が手元にない商社と共有する案件の記録。MAは後回しにする
顧客が限られた完成品メーカーで、営業が担当者を全員知っている既存顧客に技術情報を定期的に送るメール配信

MAを入れると決めたら、製品の候補は既存のCRMと運用する人数で絞ります。中小のBtoB企業が候補にしやすい製品の違いと、無料プランやトライアルで確かめることは、BtoB中小企業向けMAツール比較で2製品まで絞ってから試します。自社の接点の数でMAを入れるかCRMから始めるかを決めきれない場合は、受注案件の棚卸しから一緒に判断する相談も受けています。

営業と商社・代理店との分担は、Webの引き合いを誰が持つかから決める

地域や業界ごとに担当する商社・代理店がいる会社では、Webから直接の引き合いが来たときの持ち主を決めていないと、返信が遅れるか、商社との関係がこじれます。引き合いの渡し先と、商社経由の案件で最初の接点を記録するルールを、施策を増やす前に決めます。

Webから技術相談が届き、営業が連絡したところ、担当の商社から「その会社はうちが以前から回っている」と言われる。直接の引き合いを増やす施策を始めると、この場面は必ず起きます。代理店契約で担当地域や担当顧客を決めているなら、契約の内容を確かめたうえで、次の4つを営業と商社の双方で決めておきます。

  • 直接届いた引き合いを、取引のある商社と一緒に対応するのか、自社の営業が持つのか
  • Webと同じ技術資料・選定ガイドを商社にも渡し、古いカタログが顧客に出回らないようにすること
  • 商社経由の案件でも、エンドユーザーがどこで自社を知ったか(展示会、Web、紹介)を案件の登録時に聞いてもらうこと
  • 営業や商社が答えられない技術的な質問が出たときに、技術担当が同席する条件

3つ目の記録がないと、Webの技術資料が商社経由の受注にどれだけ関わったかを、いつまでも説明できません。商社に記録の手間をかけてもらう代わりに、商社の営業が顧客に渡せる資料を先に用意します。代理店・パートナーと契約したのに案件が出ないときの原因と、マーケティング側が用意するものは、BtoBのパートナー営業の立ち上げ方の型に当てはめて見直します。

製造業のマーケティングを支援会社・コンサルに頼むときに確かめること

製造業のマーケティング支援会社を選ぶときは、Web制作やMA導入の実績より、技術者に取材して技術資料を書けるか、商社経由の販路を前提に設計できるか、成果を引き合いと採用で測るかを確かめます。

提案を受けたら、次の5つを質問します。

  • 技術部門への取材を誰がどう進め、技術者の時間をどれだけ使う前提か
  • 商社・代理店経由の案件をどう数え、提案にどう組み込むか
  • 成果の指標が閲覧数や問い合わせ件数だけでなく、見積依頼・技術相談・サンプル依頼と、その後の採用まで追う設計か
  • サイトや資料を納品して終わりか、公開後の数字を見て直すところまで含むか
  • どの業務を社内に残す前提か

製造業に詳しい会社かどうかは、業界名の実績一覧より、2つ目の質問への答え方で分かります。Webからの直販を前提にした提案しか返ってこない会社は、商社経由の販路を持つメーカーでは、提案どおりに進めても社内の営業と商社の調整で止まります。技術内容の正誤の確認、引き合いの振り分け、商社との調整は、どの支援会社に頼んでも社内に残る仕事です。外注できる範囲と依頼先の種類の違いは、BtoBマーケティングの外注・委託はどこまでできるかの切り分け方で確かめます。

Webの施策を広げないほうがよい場合

生産能力が埋まっていて新規の引き合いを受けられない、顧客が少数の完成品メーカーに固定されている、技術者が資料づくりや技術相談に時間を割けない、代理店契約で直接の引き合いを受けられない。このどれかに当てはまるなら、Webの施策を広げても受注は増えません。

生産能力が埋まっている時期に引き合いを増やすと、見積を断る件数が増え、断られた会社は次の機会に声をかけてくれなくなります。増産の計画が決まるまでは、既存顧客への新製品の案内と、技術解説のページを少しずつ増やす程度にとどめます。

顧客が少数の完成品メーカーに固定されている会社では、新規の顧客を広く集めるより、既存の顧客の別の設計部門や別の拠点に技術資料を届けるほうが、採用の件数が増えます。この場合、広告や検索向けの記事より、既存顧客向けの技術情報の定期的な案内と、営業が訪問時に渡す資料を先に整えます。

技術者が本業で手一杯で、技術相談に数日以内に答えられないなら、技術相談の入口を作っても、返事の遅れで相手の信用を失います。先に技術相談の一次回答を誰が持つかを決め、回答できる体制が整ってから入口を公開します。代理店契約で直接の引き合いを受けられない場合は、Webの目的を、エンドユーザーに自社製品を指名してもらうことと、商社の営業が使う資料の置き場に絞ります。

Webの施策を広げない判断をした場合も、受注案件の最初の接点を記録する欄だけは作っておきます。増産が決まった、代理店契約が変わったといった変化があったときに、どこから手を付けるかをその記録で決められます。

まとめ

製造業のBtoBマーケティングは、技術者が名乗らずに資料で候補を絞り、引き合いが展示会や商社を経由して届くという前提から組み立てます。何から始めるかは、過去の受注案件がどこで自社を知り、どの資料を求めたかで決まります。Webには売り文句ではなく技術解説・事例・仕様書・選定ガイド・CADデータを出し、見積依頼・技術相談・サンプル依頼・ダウンロードを別々の入口として数えます。

MAは、Webからの接点が毎月生まれ、営業が追い切れなくなってから入れます。それまではCRMか表計算で接点を会社単位にまとめれば足ります。Webの引き合いを誰が持つかは、施策を始める前に営業と商社・代理店で決めます。生産能力に余裕がない、直接の引き合いを受けられないといった条件があれば、施策を広げない判断もあります。

次にやることは、直近の新規受注案件を並べ、最初の接点、最初に求められた資料、関わった部門を担当営業に聞き取って書き出すことです。

無料相談

過去の受注案件から引き合いの入口を特定し、技術資料・展示会・MAに手を付ける順番を決めます

「展示会以外で新規の引き合いが生まれない」「サイトを作り直したが問い合わせが増えない」「MAを入れたがメール配信にしか使っていない」。Ampelは外部CMOとして、受注案件の棚卸しから最初の接点と必要な技術資料を洗い出し、サイトの入口の分け方、展示会と会期後の追い方、MA・CRMを入れるかどうかの判断、商社・代理店との引き合いの分担までを支援します。

よくある質問

製造業のマーケティングは何から始めればよいですか?
直近の新規受注案件を並べ、どこで自社を知ったか、最初にどの資料を求められたか、どの部門が関わったかを書き出すところから始めます。展示会・商社・Web・既存顧客の紹介のうち、受注につながった接点に手を入れるほうが、新しいチャネルを足すより成果の見通しが立ちます。
製造業のWebマーケティングで問い合わせが少ないのはなぜですか?
技術者が、候補を絞る段階では名乗らずに仕様書やCADデータで比べ、名乗るのは図面を送る段階や試作を頼む段階になってからだからです。問い合わせ件数だけでなく、資料のダウンロード、見積依頼、技術相談、サンプル依頼を別々の入口として数えると、Webで動きのある会社が見えてきます。
製造業にMAツールは必要ですか?
Webの資料ダウンロードや技術相談が毎月あり、営業が追い切れなくなっているなら必要です。新規の接点が展示会中心でWebからの接点がほとんどない場合や、顧客が少数の完成品メーカーに固定されている場合は、CRMか表計算で接点を記録し、メール配信で技術情報を送れば足ります。
CADデータのダウンロードに登録を求めるべきですか?
商材で分かれます。標準品で型番が多く、図面に組み込んでもらうことが採用につながる商材は登録なしで公開し、特注品で、データを渡すことが技術相談の入口になる商材は登録を求めます。STEPやDXFのままではGA4の拡張計測でダウンロードが数えられないため、zipにまとめるか計測を別に設定します。
製造業のマーケティングをコンサルや支援会社に頼むとき、何を確認すべきですか?
技術者への取材を誰がどう進めるか、商社・代理店経由の案件をどう数えるか、成果を見積依頼や技術相談、その後の採用まで追うかを確認します。技術内容の正誤の確認と商社との調整は、どの会社に頼んでも社内に残る仕事です。

BtoBマーケティングの戦略設計から施策実行、運用定着までを一気通貫で支援します。