「同じ月4本の記事なのに、3社の見積もりがどうしてここまで違うのか」。コンテンツマーケティングの代行を検討しているマーケ責任者が、見積書を並べた会議で経営者からそう聞かれ、答えに詰まります。見積書にはどれも「SEO記事制作」「コンテンツ支援一式」と書かれていますが、キーワードの選定、取材、監修、入稿、公開後のリライトが入っているかどうかは、会社ごとにまちまちです。
コンテンツマーケティング代行の費用は、1本あたりの単価より先に、どの工程を外に出すかと、どの形で払うかで決まります。見積もりは工程と前提条件をそろえた条件表で取り、外注費に社内で使う確認の時間を足した、1本を公開するまでの総額で比べます。
記事を増やしたいのに社内に書ける人がいないなら、代行に何をどこまで頼むかは、商談につながる一次情報を社内の誰が出せるかと、公開前の事実確認を誰が引き受けられるかが分かれ目です。受注した顧客が検索で自社を見つけていない会社では、代行には頼まないで、営業資料や導入事例に予算を回すほうが合う場合もあります。
目次
コンテンツマーケティング代行で頼めるのは、戦略設計から効果測定までの8工程
BtoBのコンテンツマーケティング代行とは、見込み客が読む記事や資料の企画・制作・公開・改善の工程を、外部の会社や個人に有償で任せることです。頼める工程は戦略設計から効果測定まで8つあり、見積もりの金額差の多くは、このうちどこまでが含まれているかの違いから生まれます。
代行会社のサービス名は「記事制作」「SEO支援」「コンテンツマーケティング支援」とまちまちですが、中身を工程に分けると、次の8つのどれを受け持つかの組み合わせになります。見積書を受け取ったら、まずこの表の行ごとに「含まれる」「含まれない」を書き込むと、名前の違うサービスどうしを同じ物差しで並べられます。
| 工程 | 代行側がやること | 納品物 | 社内で用意するもの |
|---|---|---|---|
| 戦略設計 | 対象顧客、検討段階、テーマの優先順位の案を作る | 方針書、テーマ一覧 | 受注顧客の情報、営業の意見 |
| キーワード設計 | 検索語を調べ、記事ごとに狙う語を割り当てる | キーワードリスト、記事との対応表 | 商談で出る言葉、狙わない語 |
| 構成案 | 見出しと、各節で答えることを決める | 構成案 | 構成の承認 |
| 取材・執筆 | 社内や顧客に取材し、原稿を書く | 原稿、取材の記録 | 取材相手の調整、一次情報 |
| 監修・事実確認 | 専門家が内容を確認する | 監修コメント | 自社の説明として正しいかの最終確認 |
| 図解・入稿 | 図版を作り、CMSに登録し、メタ情報を設定する | 図版データ、下書き記事 | CMSの権限、公開の判断 |
| リライト | 順位や流入が落ちた記事、商談に使われない記事を直す | 改修案、改修後の原稿 | 直す記事の合意 |
| 効果測定 | 流入、問い合わせ、商談への寄与を集計する | 月次レポート | 商談・受注のデータ |
8工程のうち、どれを外に出してよいかは工程ごとに違います。構成案や執筆、図解、入稿は、条件を渡せば外部でも品質をそろえられる作業です。一方で、戦略設計とキーワード設計は作業を任せても、どのテーマを先にやるかの最終判断は社内に残ります。監修・事実確認のうち「自社の説明として正しいか」の確認は、外部の専門家がどれだけ詳しくても肩代わりできません。
記事以外の制作物も、同じ代行会社に頼める場合があります。ホワイトペーパーや導入事例は、記事より取材と確認の往復が多く、記事と同じ単価表には載らないのが普通です。マーケティング全体のどこまでを外部に出すかをまだ決めていない段階なら、BtoBマーケティングの外注でどこまで委託できるかを広告や運用と並べて決めてから、コンテンツの行だけを取り出して見積もりを取ります。
依頼先は4タイプ。違いは価格帯より、どの工程から入れるか
コンテンツマーケティング代行の依頼先は、制作会社・編集プロダクション、SEO会社、マーケティング支援会社(外部CMO型を含む)、フリーランスの4タイプに分かれます。選ぶ基準は価格帯より、戦略設計から入れるのか、書く工程から入るのか、そして社内に残る作業を誰が受け止めるかです。
| タイプ | 主に入る工程 | 向く発注 | 発注側に残る作業 |
|---|---|---|---|
| 制作会社・編集プロダクション | 構成案、取材・執筆、図解・入稿 | テーマと狙う語が社内で決まっていて、書く量を増やしたい | テーマの優先順位、一次情報、事実確認 |
| SEO会社 | キーワード設計、構成案、リライト、順位と流入の分析 | 検索流入を増やす方針が決まっていて、語の選定と改修を任せたい | 商談につながる語かの判断、商談データとの突き合わせ |
| マーケティング支援会社・外部CMO型 | 戦略設計、キーワード設計の判断、効果測定、制作会社の管理 | 何を作るか自体が決まっていない、記事と商談のつながりが見えない | 制作は別の発注になることがある、社内の意思決定 |
| フリーランス | 執筆、慣れれば構成案と入稿まで | 社内に編集できる人がいて、同じ領域を継続して書いてもらいたい | ディレクション、休止時の代わりの確保 |
4タイプは、どれが上というものではありません。見るのは、自社がどの工程で止まっているかです。テーマは決まっているのに書く人がいないなら制作会社かフリーランス、記事は出しているのに検索から人が来ないならSEO会社、記事は出ていて流入もあるのに商談が増えないならマーケティング支援会社が候補になります。
取り違えが起きやすいのは、SEO会社とマーケティング支援会社の境目です。ある会社では、SEO会社に依頼して半年で狙った語の順位が上がったものの、営業部長から「問い合わせの中身が前と変わらない」と言われました。狙った語が、自社の商材を比べている人ではなく、用語の意味を調べている人の検索だったためです。順位と流入はSEO会社が責任を持てる成果ですが、どの語が商談につながるかは、受注データを持っている発注側でないと判断できません。
外部CMO型の支援会社に頼む場合、費用は戦略や判断に対する月額と、記事を作る制作費の2本立てになることがあります。戦略側の費用の決まり方はBtoBマーケティングコンサルの費用が何で決まるかと同じ構造なので、制作費とは別の行で予算を組みます。書き手を個人やクラウドソーシングから探す場合の選び方は、記事の外注先3タイプと費用が動く要因を見て、ディレクションを社内で持てるかどうかで決めます。
記事とは別にダウンロード資料を外部で作る場合は、ホワイトペーパー制作代行の見積もりの比べ方に沿って、取材、デザインの作り込み、調査データの有無を依頼書の行に分けて見積もってもらいます。
費用は、課金形態と単価を動かす要素の掛け算で決まる
代行の費用は、記事単価・文字単価・月額・稼働時間・成果報酬のどの形で払うかと、取材、専門性と監修、分量、図解、構成を誰が作るかといった要素の組み合わせで決まります。公開されている相場の数字は含まれる工程がそろっていないため、自社の見積もりが高いか安いかを判断する基準には使えません。
課金形態ごとに、払っている対象が違う
同じ金額でも、何に対して払っているかが違えば、発注側が負うリスクも変わります。見積書の金額を見る前に、課金形態が次のどれかを確認します。
| 課金形態 | 何に対して払うか | 向く発注 | 発注側が気をつけること |
|---|---|---|---|
| 記事単価 | 納品された記事1本 | テーマと構成が決まっていて、本数が月ごとに変わる | 1本に含まれる工程と修正回数 |
| 文字単価 | 納品された原稿の文字数 | 執筆だけを切り出して頼む | 文字数を増やすほど高くなり、検索意図に対して長すぎる記事になりやすい |
| 月額固定(本数込み) | 月の制作本数と決まった範囲の作業 | 毎月同じペースで出し続ける | 本数が未消化の月の扱い、最低契約期間 |
| 月額(稼働時間) | 担当者の作業時間 | 戦略設計、改修、分析など、量が月ごとに変わる作業 | 時間の使い道の報告、上限時間を超えたときの扱い |
| 初期費用+月額 | 初期は戦略・キーワード設計、以降は制作と改修 | ゼロからメディアを立ち上げる | 初期費用で何が納品されるか |
| 成果報酬 | 順位、流入、問い合わせなどの達成 | 成果の定義を発注側が決められる場合に限る | 何を成果と数えるか、成果が出るまでの制作費の扱い |
BtoBの記事で文字単価を選ぶと、原稿が長くなる方向に力がかかります。発注者が知りたいのは「1本でどの問いに答えきるか」であって、文字数ではありません。執筆だけを切り出すときも、分量は上限ではなく目安として渡し、答えるべき問いを構成案で指定します。
単価を動かす要素は、BtoBでは取材と確認の往復に集まる
記事1本の単価を動かすのは、主に次の要素です。BtoBでは、書く作業そのものより、取材の準備と確認の往復に時間がかかります。
- 取材の有無:取材相手との日程調整、質問表の作成、文字起こし、訪問なら移動の時間が加わります。
- 専門性と監修:法規制や技術仕様を扱う記事では、資格を持つ監修者の報酬と、監修コメントを原稿に反映する往復が加わります。
- 構成を誰が作るか:発注側が構成案を渡すか、代行側が作るかで、同じ「1本」でも作業量が変わります。
- 図解:図版の枚数と、元データを納品するかどうかで変わります。
- 入稿:CMSへの登録、画像の設定、メタ情報の入力まで含むかどうかです。
- 修正回数:無償で対応する回数と、それを超えたときの単価です。
見積もりを取る前に、外注先のタイプと費用が動く要因を条件表の行として入れておくと、金額の差がどの行から来ているかを見分けられます。
成果報酬型は、何を成果と数えるかを発注側が決められるときだけ使う
成果報酬型は、成果が出なければ払わなくてよいように見えます。ただし、順位を成果にすると、検索する人が少ない語や、商談とつながらない語を選べば達成できてしまいます。流入を成果にしても、流入した人が自社の顧客になりうるかは別の問題です。
Googleの検索スパムに関するポリシーは、ユーザーにとっての価値をほとんど加えずに、検索順位の操作を主な目的としてページを大量に作ることを「大量生成されたコンテンツの不正使用」として扱っており、生成AIを使ったか人が書いたかは問いません。本数や順位に連動する報酬は、作り手にページを増やす動機を与えます。成果報酬を選ぶなら、対象の語と成果の数え方を発注側が決め、契約書に書き込みます。
成果報酬型の契約でも、成果が出るまでの記事制作費は別に請求されることがあります。成果報酬の対象がどこからどこまでかを、制作費と分けて見積書に書いてもらいます。
見積もりは工程をそろえた条件表で取り、1本公開までの総額で比べる
代行会社の見積もりは、同じ条件表を2〜3社に渡して取り、「一式」を工程ごとの金額に分けてもらってから比べます。比べる金額は外注費だけでなく、一次情報の提供や原稿の確認に使う社内の時間を足した、1本を公開するまでの総額です。
同じ条件表を渡さないと、見積もりは比べられない
見積もりの金額がばらつく理由の多くは、各社が想定している前提が違うことです。依頼の段階で、次の条件を1枚の表にして全社に同じものを渡します。
- 月あたりの本数と、契約を想定している期間
- 頼みたい工程(8工程のどれを含めるか)
- 記事の種類(検索向けの記事、導入事例、資料など)
- 取材の有無と、1本あたりの取材相手の人数
- 監修者が必要な記事の割合
- 1本あたりの図版の枚数と、入稿の要否
- 無償で対応してほしい修正の回数
- 納品物として受け取りたいもの
条件表の中身は、発注側がすべて決めきれていなくてもかまいません。決まっていない項目は「未定、提案がほしい」と書いておくと、各社の提案の違いがそのまま比較材料になります。
「一式」は工程ごとの金額に分けてもらう
「コンテンツ支援一式」のような見積もりは、工程ごとの内訳を出してもらいます。内訳が出ると、戦略設計とキーワード設計が初月だけの作業なのか毎月の作業なのか、リライトが本数に含まれるのか別料金なのかが分かります。内訳を出せない会社は、契約後に範囲外の作業が追加費用になったとき、どこからが範囲外かの線引きでもめやすくなります。
| 見積書で確認する項目 | 確認する中身 | 書かれていないと起きること |
|---|---|---|
| 初期費用の納品物 | 方針書、キーワードリスト、テーマ一覧が納品されるか | 初期費用を払ったのに、手元に残る資料がない |
| 範囲外の作業の単価 | 追加の修正、追加の図版、急ぎの対応 | 契約後に、想定していなかった追加請求が来る |
| 作業する人 | ディレクター、書き手、監修者が誰か | 提案に出た人と実際に書く人が違う |
| 生成AIの使用範囲 | どの工程で使い、誰が事実を確認するか | 一次情報のない原稿が、確認なしで納品される |
| 最低契約期間と解約条件 | 期間、解約の通知時期、途中解約の扱い | 成果が見えないまま、契約期間の残りを払い続ける |
| 除外事項 | 見積もりに含まれない作業の一覧 | どこまでが範囲内かでもめる |
見積書に載らない社内の時間を足して比べる
1本を公開するまでの総額は、外注費に、社内で使う時間を足したものです。社内の時間には、一次情報を話す取材への同席、構成案の確認、原稿の事実確認、修正の指示、公開の承認が入ります。この時間は、どの見積書にも載りません。
構成案を社内で作る前提の安い見積もりと、構成案から任せる高い見積もりを比べる場面を考えます。兼務のマーケ担当が構成案づくりと修正の指示に毎回まとまった時間を取られるなら、その時間を人件費に置き換えて足すと、高いほうの見積もりが総額では下回ることがあります。反対に、社内に編集ができる人がいて確認が短く済むなら、構成を自社で持つ安い見積もりのほうが総額も下がります。
見積もりの比べ方で迷ったら、条件表の作り方から相談いただければ、代行に出す工程と社内に残す工程の線引きを一緒に決めます。
発注前に決めるのは、一次情報の出し方、権利と納品物、修正回数、成果の定義
代行の契約で後からもめるのは、金額より、一次情報を誰がいつ出すか、納品物と権利がどこまで自社に残るか、修正を何回まで頼めるか、何を成果と呼ぶかの4つです。見積もりの比較と同じ段階で、この4つを契約書の役割分担に書き込みます。
一次情報を、誰が、いつ、どの形で出すか
BtoBの記事で他社の記事と差がつくのは、自社の判断基準、失注の理由、顧客が導入前に迷った点といった、社内にしかない情報です。代行会社はこの情報を持っていないため、出す人と時期を決めていないと、検索上位の記事をまとめたような原稿が返ってきます。
決めておくのは、取材に応じる社内の担当者、取材の頻度と時間、取材の形式(打ち合わせ、録画した商談、営業の質問メモ)です。あわせて、一次情報の提供が遅れたときに納期をどう扱うかも書いておきます。営業部長の取材が月末までずれ込んで記事の公開が止まっても、月額固定の契約では費用が発生し続けるためです。
権利と納品物は、契約が終わった後に困らない範囲で決める
納品物は、完成した原稿だけに限りません。キーワードリスト、構成案、図版の元データ、取材の記録も、契約が終わった後に別の会社や社内で続きを書くときに必要になります。納品物の一覧に入っていないと、契約終了時に手元に残りません。
権利は、著作権が自社に移るかどうかに加えて、記事を資料や営業メールに作り変えて使えるか、図版を別の資料に転用できるかまで確認します。条文の書き方はマーケティング業務委託の契約で成果物の著作権をどう決めるかに沿って詰めます。
フリーランスに直接発注する場合は、2024年11月1日に施行されたフリーランス・事業者間取引適正化等法の対象になります。公正取引委員会と中小企業庁の説明資料では、業務を委託したら直ちに、業務の内容、報酬の額、支払期日などを書面かメールなどで明示する義務があり、知的財産権を譲渡・許諾させる場合はその範囲も明示が必要とされています。従業員を使用する発注事業者には、成果物を受け取った日から60日以内に支払期日を定める義務もあります。
修正は回数と、何を修正と呼ぶかを分けて決める
修正回数の上限だけを決めると、構成案の段階の差し戻しと、原稿ができた後の修正が同じ回数に数えられます。構成案で方向を合わせておけば原稿の修正は減るため、構成案の確認は回数に数えない、事実の誤りの修正は回数に数えない、と定義を分けておくと、双方にとって無理がありません。
成果は、代行側が責任を持てる指標と持てない指標に分ける
代行側が責任を持てるのは、本数、納期、原稿の品質、狙った語の順位と流入までです。問い合わせや商談は、サイトの導線、営業の対応、商材の競争力にも左右されるため、代行側だけでは責任を持てません。契約では前者を成果として書き、後者は月次の報告で一緒に見る指標にします。見る指標を段階ごとにどう入れ替えるかは、BtoB SEOのKPIを商談から逆算する方法に合わせて決めます。
社内に残す工程は、誰に何を言うかの判断と公開前の確認
代行に頼んでも社内に残るのは、どの顧客のどの迷いに答えるかの判断、一次情報の提供、公開前の事実確認、商談データとの突き合わせの4つです。この4つを担う人と時間を確保できるかどうかで、代行に出せる範囲が決まります。
どのテーマから作るかは、代行会社が案を出せても、決めるのは社内です。キーワードの候補は検索回数から作れますが、どの語で来た人が商談になっているかは、受注顧客の記録を持っている自社にしか分かりません。代行会社が出してきたテーマ一覧に、営業が商談で毎回説明している論点が入っていなければ、そこを足すのが発注側の役目です。
公開前の事実確認は、社内でしかできません。代行会社の原稿は、公開情報として正しくても、自社の料金体系や対応範囲の説明として正しいとは限らないためです。確認する人を1人決め、その人の確認が終わるまで公開しない、という順番を最初に決めておきます。
効果測定では、代行会社のレポートが順位と流入で止まっていることがよくあります。月次の報告の場で、マーケ責任者が記事経由の問い合わせと商談の件数を持ち込み、どの記事を直すかをその場で決めると、代行会社のリライトの作業が商談に近い記事に向きます。どの工程を社内に残すかの考え方は、BtoBのSEO対策で一次情報が要る工程を社内に残す体制と同じで、検討段階ごとに何を作るかはBtoBコンテンツマーケティング戦略の立て方に沿って社内で決めてから代行に渡します。
社内に残す4つの作業に使える時間が週に少ししかないなら、代行に頼む本数を減らしてでも、確認が終わってから公開する順番を守ります。確認されないまま公開された記事は、後から直す手間が新しく書く手間を上回ることがあります。
代行に頼まないほうがいい会社の条件
受注顧客が検索で自社を探していない、社内で一次情報を出す人も確認する人もいない、半年以上続ける予算がない、という会社は、コンテンツマーケティング代行に頼まないほうが費用に見合います。その場合は予算を別の施策か、戦略設計だけの依頼に回します。
1つ目は、受注顧客が検索で自社を見つけていない会社です。紹介や展示会からの受注が大半で、顧客が発注前に検索している形跡がないなら、記事を増やしても商談にはつながりにくくなります。検索がきっかけの商談があるかは、直近の受注顧客に最初の接点を聞けば確かめられます。確かめ方と、やらない判断の基準はBtoB SEOをやるべき会社とやらない会社の判断基準に沿って進めます。
2つ目は、一次情報を出す人も、公開前に確認する人もいない会社です。代行会社は公開情報からでも記事を書けますが、その記事は競合の記事と中身が変わりません。社内の協力が得られないまま代行を始めると、本数は増えても、読んだ見込み客が自社を選ぶ理由が記事の中に生まれません。
3つ目は、成果が見えるまで続ける予算を確保できない会社です。検索からの流入は、記事を公開してすぐには増えません。数か月で予算が尽きて止めると、初期費用で作った方針書とキーワードリストが使われないまま残ります。予算が限られているなら、戦略設計とキーワード設計だけを外部に頼み、執筆は社内で少しずつ進めるほうが、止めたときに手元に残るものがあります。
4つ目は、すでに記事が多く公開されている会社です。新しい記事を代行で足す前に、既存記事を直すほうが早く流入が戻ることがあります。記事リライトの対象の選び方と強度の決め方で既存記事を棚卸しし、リライトだけを代行に頼むという発注もできます。
発注後は、最初の数本で続けるか見直すかを決める
契約後に見るのは順位より先に、構成案の差し戻しの量、一次情報が原稿に入っているか、公開のペースが守られているかの3つです。順位と流入は結果が出るまで時間がかかるため、最初の数本は作る過程で判断します。
構成案の差し戻しが回を重ねても減らないなら、条件表か取材の渡し方に問題があります。差し戻した理由を毎回書き残し、同じ理由が続いたら、その内容を次回からの発注条件に加えます。原稿に一次情報が入っていないなら、代行会社の問題より、取材の場で社内が話せていないことが原因のことが多いため、取材に出る社内の人を見直します。
公開のペースが遅れている場合は、遅れがどの工程で起きているかを確認します。社内の確認待ちで止まっているなら、代行会社を替えても解決しません。代行会社の側で止まっているなら、担当者の交代か、本数を減らして品質を保つ契約への変更を相談します。見直すときに生成AIの使い方を契約に加える場合は、マーケ業務で生成AIに任せてよい工程と任せない工程の線引きを代行会社と共有します。
まとめ
BtoBコンテンツマーケティング代行の費用は、戦略設計、キーワード設計、構成案、取材・執筆、監修・事実確認、図解・入稿、リライト、効果測定のどこを頼むかと、記事単価、文字単価、月額、稼働時間、成果報酬のどの形で払うかで決まります。公開されている相場は含まれる工程がそろっていないため、見積もりは同じ条件表で取り、工程ごとの内訳と社内の時間を足した総額で比べます。
依頼先は、自社が止まっている工程で選びます。発注前には、一次情報の出し方、納品物と権利、修正の回数と定義、成果の定義を契約に書き込み、テーマの判断と公開前の確認は社内に残します。受注顧客が検索していない会社や、一次情報を出す人がいない会社は、代行に頼まない判断もあります。
次にやることは、自社がどの工程で止まっているかを1つ挙げ、8工程の条件表を作って2〜3社に同じものを渡すことです。
無料相談
コンテンツ代行に出す工程と社内に残す工程を、見積もりを取る前に決めます
「代行会社の見積もりが3社でまったく違う」「記事は増えたのに商談が増えない」「どのテーマから作るかを社内で決めきれない」。Ampelは外部CMOとして、受注顧客の記録から作るべきテーマを担当者の方と一緒に決め、代行会社に渡す条件表の作成と、見積もりの前提条件の読み合わせまで支援します。
よくある質問
- BtoBコンテンツマーケティング代行の費用相場はいくらですか?
- 1つの相場の数字では判断できません。公開されている相場は、戦略設計や取材、監修、入稿が含まれているかどうかがそろっていないためです。頼む工程、本数、取材と監修の有無をまとめた条件表を2〜3社に渡し、工程ごとの内訳と社内の時間を足した総額で比べます。
- 記事制作だけを頼むのと、戦略設計から頼むのはどちらがよいですか?
- どのテーマから作るかが社内で決まっているなら、記事制作だけを頼みます。テーマの優先順位が決まっていない、記事は出しているのに商談につながらないという場合は、戦略設計とキーワード設計から頼むか、その部分だけを外部に相談してから制作を発注します。
- 成果報酬型のSEO記事代行は使ってもよいですか?
- 成果と数える語と指標を発注側が決められる場合に限って使います。順位や流入を成果にすると、商談とつながらない語でも達成できてしまうためです。成果が出るまでの制作費が別に請求されるかどうかも、契約前に確認します。
- 代行会社が生成AIで記事を書いていても問題ありませんか?
- 使っているかどうかより、どの工程で使い、誰が事実を確認しているかを確認します。Googleの検索スパムに関するポリシーは、生成AIか人手かを問わず、価値を加えずに順位の操作を主な目的として大量に作られたページを対象にしています。見積もりの段階で、使用する工程と確認の担当者を書いてもらいます。
- 途中で代行会社を変えることはできますか?
- 契約期間と解約条件の範囲で変えられますが、キーワードリスト、構成案、図版の元データが納品物に入っていないと、続きを別の会社に引き継げません。契約の時点で、原稿以外の納品物と、記事を資料などに作り変えて使う権利まで確認しておきます。