BtoBメールが届かない原因と到達率の確かめ方|迷惑メール対策の順番

メールの反応が落ちたとき、多くのチームは件名から直します。ところが件名を何度書き換えても数字が戻らないことがあります。原因が件名ではなく、そもそも受信箱に届いていないことにある場合です。

開封率を上げる作業は、メールが受信箱に入っていることが前提です。順番としては「届いているか」を先に確かめ、届いていることが確認できてから見せ方を直します。この順番を逆にすると、効かない改善を延々と続けることになります。

この記事は、BtoBで配信基盤やMAを使ってメールを送っているマーケティング担当者に向けて、到達しているかどうかの切り分け方と、迷惑メール判定が起きる要因の整理、実務として何をどこに依頼するかを扱います。件名や配信タイミングの設計は扱いません。

開封率が低いのか、そもそも届いていないのか

反応が落ちたときに最初にやるのは、施策の見直しではなく「届いた数」と「開いた数」のどちらが減ったのかの切り分けです。

開封率という指標は、分母が「届いた数」で分子が「開いた数」です。分母が減っているのか分子が減っているのかで、打つ手はまったく別物になります。ところが配信基盤の管理画面は開封率を大きく表示するため、分母側の異変が視界に入らないまま件名の議論が始まりがちです。

配信基盤の数字で、まず分母側を疑う

最初に見るのは開封率ではなく、次の3つです。いずれも配信基盤やMAの標準レポートに出ています。

  • バウンス率:受信サーバに受け取ってもらえなかった割合。普段より上がっていれば、リストか送信側に何かが起きています
  • 配信停止率:反応が落ちた回だけ跳ねていないか。内容と宛先のずれを示します
  • 迷惑メール報告の件数:基盤によっては「苦情」「スパム報告」と表示されます。件数が小さくても、率としては大きいことがあります

この3つが普段どおりで開封率だけが落ちているなら、問題は見せ方の側にある可能性が高くなります。逆にバウンスや迷惑報告が動いているなら、件名を触っても戻りません。

自分の受信箱で受け取って確かめる

数字の次は、実際に受け取ってみることです。自社ドメインの宛先だけで確認すると、社内サーバは自社からのメールを通しやすいため、判定の実態が見えません。

用意するのは、自社ドメイン以外の受信先です。無料のメールサービスのアカウントをいくつか作り、配信リストにテスト用として入れておきます。確認するのは受信箱に入ったかどうかだけではなく、迷惑メールフォルダやプロモーションタブに落ちていないかまでです。ここを見ずに「届いていました」と報告してしまう例が非常に多くあります。

受信ドメイン別に割ると、原因の場所がわかる

もう一段深く見るなら、配信結果を受信側のドメインで分けて集計します。特定のドメイン宛だけ開封もクリックもゼロに近いなら、そのドメインの受信側で弾かれているか、迷惑メールフォルダに入っていると考えるのが自然です。全ドメインで一様に低いなら、送信元の評判か、内容と宛先のずれです。

この集計は多くの配信基盤で標準機能としては用意されていません。配信結果をエクスポートして、メールアドレスの「@」以降で分類する程度の手作業で十分です。数分の作業で、議論の対象がひとつに絞れます。

メールの反応が落ちた 切り分けるのは『届いた数』と『開いた数』 ① 配信基盤の数字を見る ・バウンス率が普段より上がっていないか ・配信停止率が特定回だけ跳ねていないか ・迷惑メール報告が増えていないか ② 自分の受信箱で受け取る ・自社ドメイン以外の宛先を用意する ・迷惑メールフォルダまで開いて確認 ・パソコンとスマートフォンの両方で見る ③ 受信ドメイン別に割る ・配信結果を@以降で分けて集計する ・特定ドメインだけ反応ゼロなら到達側 ・一様に低いなら評価と内容のずれ どちらかに寄せてから手を打つ 届いていない → 到達の問題 認証・評判・リスト・配信停止を順に確認 基盤の設定と社内外への依頼が中心になる 開かれていない → 見せ方の問題 差出人名・件名・配信の設計を見直す この記事では扱わない領域
図1:反応が落ちたときの切り分け手順。分母側の異変を先に潰す

開封率という1つの数字を見ている限り、分母の異変には気づけません。バウンス率と迷惑メール報告を、開封率と同じ画面に並べて見る癖をつけてください。

見せ方の側に原因があると切り分けられた場合の打ち手は、BtoBメールマーケの開封率を上げる7つの改善施策と検証方法で扱っています。この記事は、そこにたどり着く前の「届いているか」に絞ります。

迷惑メール判定が起きる要因を4つの層で整理する

迷惑メールに入る理由は1つではなく、性質の違う4つの層が積み上がった結果です。層を混ぜて議論すると打ち手が決まりません。

「迷惑メール対策」で検索すると、認証設定の話とスパムワードを避ける話が同じ粒度で並んでいることがよくあります。この2つは、そもそも効き方も、手を動かす人も違います。実務では次の4層に分けて考えると、誰に何を頼むかが決まります。

迷惑メール判定は4つの層で起きる 1. 認証:名乗り通りの送信元か SPF・DKIM・DMARCが設定されているか 情シスや制作会社に確認する範囲 2. 送信元の評判:過去の配信の履歴 バウンス・迷惑報告・休眠宛の配信が効く ドメインにも配信元にも蓄積していく 3. 受信者の反応:開くか消すか 開封・クリック・返信はプラスに働く 未開封の積み重ねと迷惑報告はマイナス 4. 本文と配信の作り方 リンクの貼り方・添付・一度に送る量 配信停止の導線もこの層に含まれる 上の層が崩れていると、下の層の工夫は効きにくい
図2:迷惑メール判定の4層。手をつける順番は上から

この4層は、上に行くほど「一度整えれば効き続けるが、自分では触れない」性質を持ち、下に行くほど「自分で触れるが、上が崩れていると効かない」性質を持ちます。だからこそ、マーケティング担当が最初にやるべきなのは本文の書き換えではなく、上の層の状態を確認して回ることです。

代表的な要因手を動かす人マーケ担当の役割
認証SPF・DKIM・DMARCの未設定や不備、配信基盤を変えたのに古い設定のまま情シス、ドメイン管理者、制作会社状態を確認し、必要なら依頼する
送信元の評判存在しない宛先への配信継続、迷惑報告の蓄積、長期間反応のない宛先への一斉送信マーケ担当(配信基盤の運用)自分の責任範囲。リスト運用で直す
受信者の反応内容と宛先のずれ、送りすぎ、配信停止が見つからず迷惑報告に化けるマーケ担当セグメントと頻度、配信停止の導線を設計する
本文と配信の作り方短縮リンクの多用、画像だけのメール、テキストとリンクの比率、一度に送る量マーケ担当作り方の癖を直す。ただし単独では効果が限定的

SPF・DKIM・DMARCは「設定してあるか」を確認する話として扱う

この3つは、マーケティング担当が自分で設定する対象ではありません。設定されているかを確認し、されていなければ依頼するのが正しい関わり方です。

役割だけ押さえておけば会話が成立します。SPFは「このドメインのメールを、どのサーバから送ってよいか」を宣言するもの。DKIMは「送信の途中で差し替えられていないか」を検証できるようにする署名。DMARCは「SPFやDKIMの検証に失敗したメールを、受信側にどう扱ってほしいか」を示す方針です。

いずれもDNSというドメインの設定情報に書きます。ここを触るのは、ドメインを管理している情報システム部門か、ドメインとサーバを預かっている制作会社・ホスティング事業者です。マーケティング担当が管理画面を開いて自分で書き換えるべき場所ではありません。書き間違えると、メールだけでなくコーポレートサイトの表示まで止まることがあります。

設定例をそのまま貼り付ける形でDNSを触ると、既存のレコードを上書きして自社宛のメールが全て止まることがあります。必ずドメインの管理者に作業してもらってください。

依頼のときに伝えると話が早い4点

情シスや制作会社に投げるとき、次の4点を書いて渡すと往復が減ります。技術的に正しい書き方を提示する必要はありません。目的と条件を伝えるだけで十分です。

  • 何を使って送っているか:配信基盤やMAの名前。認証の設定方法は基盤ごとに手順書が用意されています
  • どのアドレスで送っているか:差出人アドレスのドメイン。社内の通常業務のメールと同じドメインか、別のものか
  • SPF・DKIM・DMARCの現状:設定されているか、設定済みならいつの時点のものか
  • なぜ必要か:受信側の要件として求められており、未設定だと配信が届かなくなる可能性があること

配信基盤を乗り換えたのに認証の設定を古いままにしている、というのは実務でかなり頻繁に見かける状態です。基盤の入れ替えを検討している段階なら、認証の設定変更が必要になる点も含めて計画に入れておくと後戻りが減ります。

認証の状態がわからない、誰に聞けばいいかもわからないという段階でしたら、現状の配信環境を整理するところからご相談いただけます

受信側が送信者に求める要件は厳しくなっている

主要な受信側は、大量に送る送信者に対して満たすべき条件を公表しています。ここで大事なのは、公表されている事実と、業界で言われている話を混ぜないことです。

Googleは「メール送信者のガイドライン」を公開しており、Gmail宛に大量にメールを送る送信者への要件を示しています。同社が公表している内容として、1日あたり5,000件を超えるメールを送る送信者は、SPFとDKIMに加えてDMARCの設定が求められ、商用メールにはワンクリックで登録解除できる仕組みが必要とされています。また、報告される迷惑メール率を0.3%未満に保つこと、望ましくは0.10%未満に保つことが示されています。これらの要件は2024年2月以降のものとして案内されています。

この種の要件は受信側の各社が個別に定めており、内容も更新されます。自社の配信先にどの受信ドメインが多いかを確認したうえで、そのドメインの公式ドキュメントを一次情報として読むのが確実です。まとめ記事の孫引きで社内に説明すると、要件が更新されたときに間違ったまま運用が固定されます。社内資料に数値や日付を書くときは、出典のページと確認した日付を併記しておくと、後から検証できる状態を保てます。

「公表されている」と「言われている」を分ける

実務の会話には、出典が確認できない話がかなり混ざっています。特定の語を件名に入れると弾かれる、画像とテキストの比率に基準がある、といった話がその典型です。経験則として一定の合理性がある場合もありますが、受信側が公表した条件ではありません。

社内で説明するときは、この2つを口頭でも分けてください。「Googleが公表している要件」と「配信の実務でよく言われていること」を同じトーンで話すと、後者が崩れたときに前者の信頼まで落ちます。判断としては、公表されている要件は必ず満たし、言われている話は自社の配信結果で検証する対象として扱うのが妥当です。

配信停止をすぐできる状態にしておく

配信停止を見つけにくくすると、解除の代わりに迷惑メール報告が増えます。報告は解除よりはるかに高くつきます。

配信停止のリンクを小さくしたり、複数回クリックさせたりする設計は、短期的には解除数を減らします。しかし読者がやめたいと思った事実は変わりません。解除の導線が見つからなければ、多くの人は迷惑メール報告のボタンを押します。これは送信元の評判に直接効き、そのリストの全員に対して届きにくくなる方向に働きます。

つまり、配信停止しやすくすることは読者への配慮であると同時に、まだ読んでくれている人に届け続けるための防御策です。

苦情率は、体感より小さい件数で超える

迷惑メール率0.3%という水準がどの程度かを、配信通数に置き換えると実感が変わります。

1回の配信通数0.3%に相当する報告件数0.10%に相当する報告件数
1,000通3件1件
5,000通15件5件
20,000通60件20件

5,000通の配信で15件です。展示会で集めた名刺をまとめて流し込んだ直後の配信なら、この程度の件数は簡単に出ます。「数件だから問題ない」という感覚が、率で見ると危険水域だということです。

実務でやっておくこと

  • ワンクリックでの登録解除:メールのヘッダに情報を入れる仕組みで、配信基盤側の対応です。使っている基盤が対応しているかを確認してください
  • 本文のリンクを探させない:末尾に、読める大きさで、1回のクリックで解除できる導線を置きます
  • 解除の理由を1問だけ聞く:解除は止めず、任意で理由を選べるようにします。頻度が理由なのか内容が理由なのかがわかると、次の設計が変わります
  • 解除の反映を確認する:解除したのに別のシナリオから届き続ける状態は、最悪の形で信頼を落とします

解除理由の多くが「頻度」に寄る場合は、配信そのものより送る間隔の設計を疑ってください。この論点はBtoBメールの適切な配信頻度で扱っています。

リストの衛生を保つ

送信元の評判は、リストの状態から作られます。届かない宛先に送り続けることは、届く宛先への到達を自分で削る行為です。

BtoBのリストは、放っておくと必ず劣化します。担当者が異動する、退職する、会社が統合されてドメインが変わる。BtoCと違い、アドレスが所属組織に紐づいているため劣化の速度が速いのが特徴です。

エラーを放置しない

存在しないアドレスとして恒久的なエラーが返ってきた宛先は、次の配信から外します。多くの配信基盤は自動で除外しますが、手動でリストを作り直すたびに古いエクスポートから復活させてしまう運用がよくあります。エラーの記録は基盤側に残しておき、リストは毎回そこから作るようにしてください。

長期間反応のないアドレスをどう扱うか

1年以上、開封もクリックもない宛先を送り続けることには、ほとんど利点がありません。反応がないだけでなく、届いていない可能性もあります。ただしBtoBでは、検討期間が長く年に一度しか動かない層が実在するため、機械的に全部消すのも乱暴です。

現実的なのは、一定期間反応のない層を通常配信から切り離し、再度反応を確認するための配信だけを送る形にすることです。それでも動かなければ通常配信の対象から外します。この設計は休眠リードの掘り起こし方法で詳しく扱っています。

手入力で入る誤りを止める

名刺やアンケート用紙からの手入力は、到達率を静かに削ります。よくあるのは、ドメインのつづり違い、全角文字の混入、姓名の欄とアドレスの欄の取り違え、そして同じ人が表記違いで何度も登録されているパターンです。

入力の段階で機械的に弾ける誤りは弾き、重複は定期的に統合します。重複の扱い方はリードの名寄せと重複管理、CRM上のデータをどう整えるかはHubSpotデータ整備の進め方を参照してください。展示会で大量に集めた名刺を扱うときの流れはBtoB展示会リードのフォロー設計で整理しています。

集めた直後の名刺リストへ、いきなり全件に一斉配信するのは避けてください。エラーと迷惑報告が同時に跳ね、その後の配信全体が届きにくくなります。

独自ドメインとサブドメインの使い分けという論点

配信用に別のサブドメインを使うかどうかには、どちらが正解とは言えない判断があります。守りたいものが何かで決まります。

通常業務のメールと同じドメインでマーケティングメールを送るか、配信用にサブドメインを分けるか。この議論は技術的な正解の話ではなく、リスクの置き場所の話です。

同じドメインで送れば、これまでの通常業務のやり取りで積み上げた評価を引き継ぎやすい一方、マーケティングメールで迷惑報告が積み上がったときに、商談中の1対1のメールまで届きにくくなる可能性を抱え込みます。分ければ影響を切り離せますが、新しいサブドメインには履歴がないため、立ち上がりに時間がかかります。

判断軸同じドメインで送る配信用にサブドメインを分ける
立ち上がり既存の評価を引き継ぎやすい履歴がなく、評価が育つまで時間がかかる
リスクの範囲営業や問い合わせ返信まで影響が及びうる影響を配信側に閉じ込めやすい
配信量少量なら扱いやすい量が多いほど分ける利点が大きくなる
運用の手間管理対象が1つで済む認証設定と監視の対象が増える
向いている状況月数回・数千通規模で、配信が業務の一部配信量が多い、または過去に到達で問題を起こしている

判断としては、現時点で問題が起きていないなら急いで分ける必要はありません。配信量が増えていく見込みがある、あるいは一度到達で問題を起こしているなら、分ける検討に入る価値があります。いずれにせよ実作業はドメイン管理者の領域なので、マーケティング側は「なぜ分けたいのか」を説明できる状態にしておけば十分です。

到達率をどう見るか、その指標が何を見ていないか

配信基盤が出す到達率は「受信サーバが受け取った割合」であって、「受信箱に入った割合」ではありません。この差を理解せずに数字を報告すると判断を誤ります。

多くの基盤における到達率は、送信数からエラーで返ってきた分を引いた割合として計算されます。ここで言うエラーは、受信サーバが受け取りを拒否した場合です。受け取ったうえで迷惑メールフォルダに入れた場合、送信側にはエラーが返りません。つまり到達率99%と表示されていても、その全部が迷惑メールフォルダにある可能性が理屈のうえでは残ります。

見る指標わかることわからないこと
到達率(送信数−エラー)受信サーバに受け取られたか受信箱に入ったか、迷惑メールフォルダかは区別できない
恒久エラーの件数宛先が存在しない、リストが古い評判の悪化がどこまで進んでいるか
一時エラーの件数送りすぎや一時的な受信拒否の兆候原因が自社側か受信側かの切り分け
受信ドメイン別の開封率特定の受信側で弾かれている疑い開封の計測自体が正確とは限らない
迷惑メール報告率読者が明確に拒否した量報告せずに無視している層の規模

実務では、到達率という単一の数字ではなく、受信ドメイン別の反応の差を見るのが最も実用的です。ある受信ドメインだけ開封率が極端に低いという事実は、そのドメインで何かが起きている強い示唆になります。加えて、大手の受信側は送信者向けに配信状況を確認できる仕組みを提供している場合があります。自社の配信先で比重が大きい受信ドメインについては、そうした仕組みが用意されているかを確認しておくと、推測ではなく観測で議論できます。

メール単体の指標をどこまで追い、どこから商談側の数字に接続するかという設計は、BtoBマーケの効果測定で扱っています。

やらない判断を先に決めておく

到達率の改善には、やってはいけないことと、やっても意味がないことがはっきりあります。

購入したリストへの配信はしない

同意を得ていない宛先に一斉配信すると、迷惑報告とエラーが同時に発生します。これは送信元の評判に直接効くため、自社が正しく集めたリストへの到達まで巻き添えで悪化します。短期的なリード数と引き換えに、メールというチャネルそのものを使えなくする可能性がある取引です。法令上の論点も含め、これは実行しない前提で計画を立ててください。

到達率そのものを目標値にしない

到達率を目標にすると、最も簡単な達成方法は「反応がよい宛先だけに送ること」になります。母数を絞れば数字は上がりますが、事業として何も増えていません。到達率は監視する数値であって、追いかける目標ではありません。目標に置くべきは、その先の商談数です。

基盤の乗り換えで解決しようとしない

届かない原因がリストと配信の仕方にある場合、配信基盤を替えても状態は再現します。むしろ認証設定をやり直す手間と、新しい配信元で評価を育て直す期間が増えます。基盤の性能が原因だと結論づける前に、認証・リスト・配信停止の3点を先に確認してください。順番を守れば、そもそも乗り換えが不要だったと判明することが少なくありません。

ナーチャリング全体がうまく回っていないという感覚がある場合は、到達だけの問題ではないかもしれません。リードナーチャリングが失敗する7つの原因シナリオ設計もあわせて確認すると、原因の所在が絞れます。

どこから手をつけるべきか判断がつかない場合は、現状の配信データを見ながら優先順位を整理するところからお手伝いできます

まとめ

メールの反応が落ちたとき、件名から直すのは順番として遅すぎます。最初にやるのは、届いた数と開いた数のどちらが減ったのかの切り分けです。バウンス率、配信停止率、迷惑メール報告の3つを見て、自分の受信箱で実際に受け取り、受信ドメイン別に割る。ここまでで原因の所在はほぼ絞れます。

迷惑メール判定は、認証、送信元の評判、受信者の反応、本文と配信の作り方という4つの層で起きます。認証は情シスや制作会社に確認と依頼をする範囲で、マーケティング担当が自分でDNSを触る場所ではありません。自分の責任範囲は、リストの衛生と、配信停止をすぐできる状態にしておくことです。

受信側の要件は更新され続けます。公表されている要件は必ず満たし、業界で言われているだけの話は自社の配信結果で検証する。到達率という数字は監視の対象であって目標ではなく、追いかけるのはその先の商談数です。この順番を守れば、開封率の改善はようやく意味を持ちはじめます。

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よくある質問

送信側から、迷惑メールフォルダに入っているかどうかはわかりますか?
配信基盤の標準レポートだけでは基本的にわかりません。受信サーバが受け取ったうえで迷惑メールフォルダに入れた場合、送信側にエラーは返らないためです。自社ドメイン以外の宛先をテスト用に用意して実際に受け取るか、受信ドメイン別に開封率を比べて異常を探すのが現実的な確認方法です。
SPF・DKIM・DMARCは、マーケティング担当が自分で設定すべきですか?
いいえ。DNSというドメインの設定情報を書き換える作業なので、情報システム部門やドメインを管理している制作会社に依頼してください。誤って既存のレコードを上書きすると、メールだけでなく自社サイトの表示まで止まることがあります。マーケティング側の役割は、設定されているかを確認し、必要なら依頼することです。
DMARCの設定は必要ですか?
Googleは、1日あたり5,000件を超えるメールを送る送信者に対してDMARCの設定を求める要件を公表しています。自社がその規模に該当しない場合でも、認証の状態を受信側に示せる仕組みなので、設定しておく判断には合理性があります。ただし方針の指定内容によっては既存の配信に影響が出るため、ドメイン管理者と相談して段階的に進めてください。
配信停止を目立たせると、解除が増えて損をしませんか?
解除は増えますが、迷惑メール報告は減ります。報告は送信元の評判に直接効き、そのリスト全体の到達に影響します。解除された1件と、報告された1件では、後者のほうがはるかに高くつきます。読み続ける意思のある人に届け続けるための投資と考えるのが妥当です。
到達率はどのくらいあれば正常ですか?
他社の平均値と比べるより、自社の推移を見るほうが有用です。到達率は「受信サーバが受け取った割合」でしかなく、水準そのものが健全性を保証しないためです。先週まで安定していた数値が今週落ちた、特定の受信ドメインだけ反応が消えた、といった変化のほうが原因の特定につながります。

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